空港で出発を待つ時に必ず足が向かう先に本屋がある。文庫や新書の前を上から下までひとしきり目を通し、今何が売れているのか、読まれているのかを把握する。
すると必ず気になるタイトルに出くわす。しかしそれらの本は数ヶ月、ものによってはあっという間に中古としてアマゾンやブックオフに並ぶ類の内容であり、深く考えると言うよりも、スピードの速い現代を知るための本である。
それらをあえてこの場所で定価にて購入することに非常に大きな抵抗感を感じてしまう。
せめてそれらのタイトルを携帯にメモを取り、一休みしようとコーヒー屋に行くが、今度はこちらで一杯500円近くするその値段に、「あ、一杯コーヒーを我慢すれば本が買えるのか」となんだか分からない発見をし、コーヒーを諦め本屋に戻って先ほどの本を手にすることにする。
コーヒーの代わりに水でも飲んでおけばいいが、その本を手にしなかった代わりに大切な何かを知ることなく人生を過ごしてしまうことのほうがよっぽど損だと自分を言い聞かせながら登場ゲートへと足を向けることにする。
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