ラベル ショパン の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ショパン の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2016年1月10日日曜日

「四月は君の嘘」 新川直司 2011-2015 ★★★★★


この数年、いろいろなところでその噂を目にすることの多いこの漫画。とにかく評価が高いのと、既に完結していると言うことも手伝って入手して読んでみることに。

なるほど確かに凄い漫画だと納得。今までの漫画のフォーマットを飛び越えて、音楽を使ってすばらしい時間やリズムの感覚をコマ割の間に挿入してくるその方法は、多くの高評価を得ているのも十分にうなづける。

漫画で描かれるすべての要素が濃縮されたそんな物語。ピアノコンクールという多くの人に馴染みの無い世界での熱狂を、リズム、スピード、そしてゾワゾワする感じを駆使して描きながら、その舞台に立っている主人公たちも、普段の生活では普通の中学生であり、その年代の子供たちが感じるどうしようもない恋の気持ちに振り回されながら、一日を棒に振り、誰かと一緒にいても、本当に好きな誰かがはっきりしてしまっている、そんな気持ちにうまく向き合えないままに日々を過ごす。

そんないくつもの物語が非常に良いバランスで複層されており、ショパンからラフマニノフへ、そしてチャイコフスキーへと曲とともにテンポを変化させながらページをめくっていく体験を強いられる。

なんとも独特な音楽を、時間の感覚を伴った漫画体験。人気に推されてズルズルと引きずらず、11巻でスパッと終えたのも、曲の長さには適切な時間があるのだと言わんばかりの心地よさを感じることになる。

2015年12月2日水曜日

コンサート 「Chen Sa Piano Recital」 NCPA 2015 ★★

チェン・サ(陈萨,陳薩,Chén Sà)
横の席に座った女性が、何かをしきりに確認しながら演奏に聞き入っているので気になって覗き見をしたら、手元の楽譜を確認しながら、演奏を追っているようである。その一方ステージの上のピアニストは楽譜を見るどころか、楽譜すら持ち込まずに演奏に没頭している。一体どれだけ人生の中で弾いたのだろうと想像をしてしまう。

そのピアニストは中国人のチェン・サ(陈萨,陳薩,Chén Sà)。1979年生まれなのでほぼ同年代のピアニストである。2000年には今日のプログラムでもあるショパン・コンクールにおいてなんと4位入賞を果たし、その後ずっと国際舞台で活躍するピアニストという訳である。

その彼女が今夜のプログラムとして選んだのはショパンのマズルカ(Mazurkas)。1810年生まれのポーランド出身の作曲家であるフレデリック・ショパン(Frédéric Chopin)。その作曲の多くがピアノ独奏曲で占められ、ピアノと言えばショパンという印象の強い作曲家である。

なかでも、ノクターンやワルツなどは日本でも多くのテレビCMに使用され、無意識のうちにそのメロディに慣れ親しんでいるものが多く含まれる。

そしてそのショパンの名を冠したピアノコンクールがショパン国際ピアノコンクール。クラシックの素人の自分でも聞いたことのあるこのコンクールは世界で最も権威のあるピアノコンクールの一つとされ、 5年に一度ポーランドの首都であるワルシャワで開催される。

ベルギーのブリュッセルで開催されるピアニスト、ヴァイオリニスト、声楽家のための国際コンクールであるエリザベート王妃国際音楽コンクール

ロシアの作曲家ピョートル・チャイコフスキーに因んで名付けられ、4年に一度ロシアのモスクワにて開催され、ピアノ、ヴァイオリン、チェロの各部門を審査するチャイコフスキー国際コンクール

この三つのコンクールをまとめて世界三大コンクールと称し、そこでの入賞者はその後輝かしい演奏家としてのキャリアを積み上げていくことになる。

そんなショパン国際ピアノコンクール。第14回 (2000年) 大会においては中国のユンディ・リ(李雲迪,Yundi Li)が一位を獲得し一気に世界的スターに駆け上がったのも記憶に新しく、最新の第17回 (2015年)大会においては隣国韓国のチョ・ソンジン(Cho Seong-Jin)が一位を獲得するなど、アジア勢の活躍も多く見られるコンクールである。

そしてその舞台を経験してきた今夜のピアニスト・チェン・サが、恐らく血の滲むような練習を繰り返して向き合ってきたであろうショパン。数多ある彼のピアノ曲から選んだのは、マズルカ(Mazurkas )と呼ばれる、ポーランドの各地方の民族舞踊に基づき作曲られた作品群。

一曲一曲は非常にテンポ良くサクサクと演奏が続くのだが、とにかく曲数が多い・・・。恐らく中国人ピアニストとしてこのNCPAで演奏をすることに対しての凱旋的な気持ちもあるだろうし、恐らく多くの親戚や関係者も詰め掛けているために、気合の入り方も凄いものだろうと想像する。

が、二度の休憩を挟んで、それでも続くマズルカ・・・。コンサート終了後妻に電話をし、あまりに終わりが見えなかったマズルカの演奏を、「長すぎのマズルカ」とお笑いのハライチの漫才の様なリズムで伝えて家路につくことにする。
----------------------------------------------
プログラム
Mazurkas Chopin
  Op.6 No.2
  Op.30 No.4
  Op.63 No.3
  Op.59 No.2
  Op.24 No.3
  Op.56 No.1
  Op.56 No.2
  Op.56 No.3
  Op.59 No.1
  Op.6 No.5
  Op.24 No.2
  Op.7 No.3
  Op.7 No.2
  Op.24 No.1
  Op.6 No.3
  Op.30 No.2
    Op.33 No.4  
 ——Intermission——  

  Op.41 No.1
  Op.41 No.2
  Op.63 No.1
  Op.41 No.3
  Op.41 No.4
  Op.6 No.1
  Op.50 No.1
  Op.50 No.2
  Op.50 No.3
  Op.6 No.4
  Op.33 No.1
  Op.33 No.2
  Op.30 No.1
  Op.63 No.2
  Op.24 No.4
  Op.7 No.1
  Op.33 No.3  
 ——Intermission——  

  Op.17 No.1
  Op.17 No.2
  Op.67 No.4
  Op.17 No.4
  Op.17 No.3
  Op.7 No.4
  Op.30 No.3
  Op.59 No.3
  Op.68 No.4
----------------------------------------------
フレデリック・ショパン(Frédéric Chopin)