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2016年2月9日火曜日

正福寺(しょうふくじ) 伝・鎌倉時代中期 ★★


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所在地  東京都東村山市野口町
山号   金剛山
宗派   臨済宗建長寺派
寺格   別格本山
創建   伝・鎌倉時代中期
開基   伝・北条時頼または北条時宗
機能   寺社
国宝   地蔵堂
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新建築社から出版されている「日本の建築空間掲載」にこの寺院の国宝でもある「地蔵堂」が掲載されている為に、マッピングされいたのが東村山市の正福寺(しょうふくじ) 。

多摩湖から距離的にはすぐ近くなのだが、相当に入り組んでなおかつうねる様に曲がっている細い街路を抜けてやっと到着する。こうしてみると所沢と多摩が、埼玉と東京という括りで見ると何だか離れて感じてしまうが、隣接しているということが実感として感じられるようになる。

なんでも地蔵堂は東京都内唯一の国宝の建物であるらしく、その建立は 室町時代の応永14年(1407年)まで遡り、鎌倉の円覚寺舎利殿とともに禅宗様建築の代表的建築物だという。お寺自体の創建は伝承によるとさらに遡り鎌倉時代中期ということらしく、開基は元寇を打ちのめした北条時宗だとも言われているという。そう考えると鎌倉幕府の支配地がどれだけ広かったのか、また当時の関東における地勢図がどのように描かれていたかがうっすらと見えてくる。

国宝と言われると何だか構えてしまうが、境内は非常におっとりとしたまさに東村山の雰囲気そのもの。しかしその地蔵堂は、様々な危機を乗り越え、建立当時のそのままの姿を残しているという。こういうのは流石日本と思わずにいられない。木造建築でありながら、600年の時間を越えて現在まで同じものを保ち続けるその姿勢。そしてその流れてきた時間の厚みを感じられそうな雰囲気がやはり建物の周辺に漂っている、そんな気配を感じながら参拝をさせていただくことにする。












2014年1月31日金曜日

「北条政子」 永井路子 1990 ★★

婚期を過ぎても、誰も夜這いに来てくれないモテない政子。そんな時に届いた手紙に「遅れてきた恋」かとソワソワしていたら、何やら訪れてきた男は隣の下女の部屋に入ってしまったようで、嫉妬と悔しさに狂おしくなる政子。

「今度は何読んでるの?」と聞いてくる妻に、そんな話をすると、「なんだか面白そうじゃない。政子ってそんな風だったの?」と興味を示す。今ならアラサーやらアラフォーやらと呼ばれ、親に心配されつつも、きっと相性の合う人が出てくるはずだと信じて待つ乙女心。どんな時代になっても、女性の心は変わらないというところだろうか。

伊豆でそこそこの有力者の娘として過ごす政子。その彼女の一生を決定付けたのが流人・源頼朝との出会い。そして燃えるような恋。都の優雅さを漂わせる頼朝に上手いこと手のひらで転がされてしまう政子。そして徐々に夢中になっていく自分の心もコントロールできず、雨の中頼朝のもとへと駈けて行く。

平氏から源氏へと、世の中心が大きく動いた平安末期。そして訪れた坂東武者の鎌倉時代。征夷大将軍となった夫・頼朝を支え、2代3代と短命で終わった息子達の後に、自ら尼将軍として幕府を取り仕切った強き女の印象が強い政子だが、本書ではあくまで女性として恋をし、夫に振り回され、子供を失い悲しみにくれる母として、そして将軍となる子供達との確執と、世の表舞台に引き出された一人の女性の悲しみと苦しみに満ちた生涯として描きだす。

世を変える活躍をする男がいれば、その後ろでじっと世の変化を見続ける女がいる訳で、どこかの田舎でなんともない一生を送っていたかもしれない彼女もまた、自ら望んでその役割を演じていた訳でもないのだろうと改めて気がつかせてくれる女性の視点で描かれた一冊であろう。
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目次
/あしあと
/京みやげ
/父と子
/こがらしの館
/夜の峠
/からす天狗
/月下兵鼓
/白玉の・・・
/海光る
/炎
/泣きぼくろ
/芙蓉咲くとき
/白い扇
/朝のひぐらし
/甲はじめ
/灯火の祭
/野は嵐
/見わたせば
/黒い風の賦
/京の舞姫
/柳の庭
/妄執の館
/月歌
/花嫁の興
/小さきいのち
/幻の船
/修羅燃え
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2014年1月13日月曜日

「楠木正成 上・下」 北方謙三 2003 ★★


日本人であるならば、どこかの段階で修学旅行などで東京に立ち寄っているはずである。その時に必ず立ち寄るのが皇居。そして説明を受けるのは勇ましい姿を見せる楠木正成像。

戦国時代の武将でない為に、テレビなどで何度も何度も繰り返して刷り込まれるイメージも薄く、確かにメジャークラスの人物にも関わらず、それほど詳しく知っている人物でもない。

そもそもどの時代の人なのか?
武将なのかどうなのかすら怪しい・・・

とにかく御所の前に銅像が飾られているだけあって、さぞや歴史の中で天皇家に対しての忠誠心を見せた立派な忠臣だったのであろうというイメージばかりが残っている。

そんな訳で手にしたこの一冊。そういえば北方謙三自体、それほど手にすることなく生きてきてしまい、それゆえに余り南北朝辺りのインプットが足りてないのかと思いながら読み進めることにする。

そもそも南北朝という言葉自体がかなり怪しい。つまりはそれぞれに天皇を担ぎ上げ、北と南に分かれて争ったということで、かなり荒れた時代背景ということになる。その年代も、鎌倉時代の終わりから、この南北朝時代を経て、再度一つの皇族に落ち着きを取り戻し室町時代が始まるという流れでややこしい・・・

そういわれても、もともとなんで皇室が分裂しなければいけなかったのか?

という事を説明してくれないと分からないじゃないかと突っ込みたくなるが、つまりは鎌倉時代の幕開けと共に、国を統べる力が朝廷から実質的に武士の手に映り、それが数百年を続いてくるとそれを面白く思わない天皇も度々現れる。

「権力は自らの手にあるべきだ」。という思いから、鎌倉幕府の実験を握った北条氏に不満を持つ武士にたきつけたり、何かと手を売って鎌倉幕府の転覆を企てるが、その度に握りつぶされて、企てを行った周囲のものだけ処分され、また天皇は暫く静かにしているという事の繰り返し。

そんな流れのなかで、1331年に後醍醐天皇が再度鎌倉幕府の倒幕運動を企てる。最終的には今度こそそれが成就して、鎌倉幕府は倒されて、南北朝という二つの天皇がたつ混乱の時代を経て、最終的には足利尊氏による室町幕府の時代へと移っていく。そんな時代背景の中に放り込まれたのが主人公の楠木正成。

物語のなかでは、武士でもなく、農民でもなく、公家でもなく、「悪党」として扱われる当時の楠木正成。後醍醐天皇の皇子である護良親王と連携しながら、なんとか「倒幕」という火種に火をつける動きを河内でとりおこなう正成。

その動きが功を精して隠岐に流されていた後醍醐天皇が京に戻り、倒幕の動きは次第に巨大化し、最初は「なんとか武士の力を借りずに倒幕を成し遂げる」という正成の思いは叶うことはなく、当初のシナリオから徐々に外れながらも倒幕という大きな時代の1ページを刻む事になる。

その後、執政に戻った天皇への失望と、徐々に大きくなる足利尊氏の存在感。そこに起こる南北朝二つの天皇の擁立。時代に翻弄されて、それでも錦の旗を掲げて戦う正成。

室町時代後期に訪れるもう一つの混乱時期である戦国時代の武将達とはまた一味違った、ごつごつとした男らしさを感じさせてくれる正成の生き様。時代を読み、先を見据えるからこそ苦しみながらも、それでも「忠臣」として何百年もの後世で語り継がれるブレない生き様はやはりある種のすがすがしさを感じさせてくれる。

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目次
第一章 悪党の秋
第二章 風と虹
第三章 前夜

第四章 遠き曙光
第五章 雷鳴
第六章 陰翳
第七章 光の匂い
第八章 茫漠
第九章 人の死すべき時
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