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2013年7月18日木曜日

tokimekiビル 高松伸 2003 ★


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所在地  滋賀県大津市馬場
設計  高松伸
構造 鉄骨造
竣工   2003
機能   商業施設
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西武大津ショッピングセンターのガーデンテラスに上ると目の前の交差点の向かいに建つのがこの商業建築。tokimekiビルと言うらしいがトキメキ・ビルと書き直すとなんともキラキラ感が否めない・・・

先ほどのLINKSが1990年ということで、バブルが崩壊し失われた10年をやっと抜け出たかと思いきや、トンネルはまだ続き失われた20年へ突入し始めた時期に竣工した建物ということになる。

バブルの崩壊と共に、あっさりそれまでのメタリックでバキバキの作風を捨て去り、要素が削ぎ落とされ随分とスマートな建築へと舵を切っていった中での作品。これだけ近くに存在すると、同じ建築家の作品とは思えないほどであるが、13年と言うのは建築家にとっても長い年月であるのは間違いないのであろう。

各時代の作品についてはこちらのページが良くまとめているのでぜひ参照を。
高松伸のページ
http://uratti.web.fc2.com/architecture/sin/sin.htm

鉄骨増でガラス張りの開放感に溢れた商業施設。大津の一等地の角地に建てられ、角は無柱の吹き抜け空間で更に天井は鏡面仕上げにされ、見付けを細く処理された各エレメントたちを使い、どこにでもある建築家が設計した軽い鉄骨像の建築にならないようにとあれやこれやと苦心のあとが伺える。

しかしこの角に設けられた屋外空間が一階部分でも二階部分でも有効に機能してるとは言いがたく、それ以前にこのように市の中心を担う商業施設は、それこそテナントの入れ替わりが激しく、当時であれば、「無印とスターバックスが入っている」のがおしゃれの代名詞的な感じの存在なのだと想像する。

「建築がこういう場所で出来ることというのは一体何があるのだろうか?」

この建物の肝である角部分の屋外空間。その開放感をできるだけ確保するために構造体をミニマルにしようと設けられた斜め柱。それらが接地する場所こそがこの建物の命を表すのにも関わらず、覆うように置かれる看板に、「そりゃ経済活動を考えたら、こんなの邪魔なだけだよな・・・」となんとも言えぬ気分にさせられる。

そう思いながら振り返ると見える西武大津ショッピングセンターにやはりある種の潔さを感じずにいられない。










2013年2月13日水曜日

石の美術館 隈研吾 2000 ★★★

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所在地  栃木県那須郡那須町大字芦野
設計   隈研吾
竣工   2000
機能   美術館
延床面積 528㎡
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「石の美術館」と非常に思い切りのいいネーミング通り、「石」を使ってどう空間を作れるか、その一点に特化した建築だけあって、非常に迷いのなさが感じられる。

雪あがりの平日の昼間にこんなところまで訪れてくるのは、仕事の無い建築家か、時間をもてあます引退団塊かのどちらかといことが、中に入っていくと受付の方が、「ひょっとして先ほど電話くれた方ですか?」と。ということは先ほど電話したのが1時間半ほど前なので、その間誰も訪問者がいなかったに違いないと変に勘ぐってしまったが、とにかく周りに気にすることなくゆっくり見て回れることができる良い雰囲気。

石材屋が知り合ったお洒落な建築家に、なんとか良いプロモーションになるように、どーんと好きなだけ石を使って人を呼べるような場所をつくってくださいよ。と豪快に言ったかは知らないが、施主の人柄が感じられるようなおおらかな空間が迎えてくれる。

「敷いたり、貼ったりするような、そんなみみっちい使い方はしたくない。」と言わんばかりに、組積造とルーバーという「石の使い方の常識」を覆す方向で行くとまずは決定事項があったのだろうと想像する徹底した潔さ。

建築家の性格がそうさせるのか、それともミニマルなユニットをリピートさせることがモダン・ジャパニーズ空間を生まれさせる、という設計事務所の方針なのかは知らないが、とにかく潔い。このディテール一点をやって、それだけで空間を作る。ただし、そのディテールにはできる限りの執念を傾ける。そしてそれ以外はそっけないほど、何もしていない、ような表情をつくるデザインをする。

確かに地元の芦野石を、その強度ぎりぎりまで薄くスライスしたと言われるルーバーは鉄板の力を借りてその水平性を強調し、既存の蔵の瓦屋根との差異化のためにと石の直線性を表現するフラットルーフは、軽量化のために細かい木梁がかけられる。石と同様鋭いばかりに直線性を表現するガラスは石倉の中に入れ子のボックスとして隠される。

「石」が表現に成らずに「風景」そのものになるために、様々な近代素材の力を借りる徹底ぶり。「石」を「石」とさせるもう一つの特徴であるテクスチャー。それも場所場所によって微妙に制御されながら表情を変えていく。担当者が何度も何度も、頭の中で壁に指を当てながら歩いた痕跡が感じられる非常に好感の持てる空間。

このくらいの規模で、同じく「石」をテーマにした空間を自分で設計するならどうするか?そんなことを考えさせられてしまう素晴らしい建築作品。