ラベル ダンス の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ダンス の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2015年11月21日土曜日

ダンス 「St. Petersburg Eifman Ballet Anna Karenina」 NCPA 2015 ★★

--------------------------------------------------------
A ballet by Boris Eifman
Based on the novel by Leo Tolstoy 
Music: Pyotr Tchaikovsky 
Sets: Zinovy Margolin 
Costumes: Vyacheslav Okunev 
Light: Gleb Filshtinsky 
Premiere: March 31, 2005 
--------------------------------------------------------
ボリス・エイフマン(Boris Eifman)率いるロシアのバレエ団・St. Petersburg Eifman Ballet。演じるのはロシアの文豪トルストイの有名な同名小説を、ロシア・バレエ界の鬼才と呼ばれるボリス・エイフマンがバレエ化した「アンナ・カレーニナ」。

二週続けてロシアのダンスというのもなんだか冬の到来を感じるのに丁度いいかと足を運んだ一作。オーケストラじゃないから大丈夫かと思いきややはり一幕では耐えがたき睡魔に襲われあっさり撃沈。

気を取り直して第二幕から集中して観劇に励むが、「アンナ・カレーニナをちゃんと読んだっけな?」と思いながら、あやふやな記憶を辿りながらなんとか物語についていく。それでも終盤には独特な演出が見られ、「これがエイフマンらしい振り付けなんだろうな」と勝手に理解して今年最後のダンス鑑賞を終えることにする。

Eifman Ballet

2015年11月14日土曜日

ダンス 「Mariinsky Theatre Ballet Mixed Programme」 NCPA 2015 ★★

5 Tangos
----------------------------------------------
Part 1 – Scotch Symphony
Kristina Shapran – Konstantin Zverev 

Part 2 - '5 Tangos'
NadezhdaBatoeva – Vladimir Shklyarov 

Part 3 – In the Night 
1st couple – Anastasia Matvienko – Filipp Stepin 
2nd couple – Viktoria Brileva – Evgeny Ivanchenko 
3rd couple – Uliana Lopatkina – Andrey Yermakov 
----------------------------------------------
世界5大バレエ団と呼ばれるのは

パリ・オペラ座バレエ(フランス)
英国ロイヤル・バレエ団(イギリス)
ボリショイ・バレエ(ロシア)
アメリカン・バレエ・シアター(アメリカ)
マリンスキー・バレエ(ロシア)

その中でも最高峰と称されるのがロシアはサンクトペテルブルクのマリインスキー劇場を拠点とするマリインスキー・バレエ(Mariinsky Theatre Ballet、キーロフ・バレエ) 。旧称をロシア帝室バレエ団と言い、ロシアのバレエ文化を体現するバレエ団である訳である。

そんな世界最高峰のダンスを見るチャンスだということで相当高額なチケットであったが、「一生モノの経験だ」と自分を説得して足を運んだ作品。

3幕それぞれ趣の違いながらも、とてもエレガントなその舞に心を洗われ、「いつかは本場サンクトペテルブルクで観てみたい」と心に決めて劇場を後にする。
Scotch Symphony
In the Night
Mariinsky Theatre

Mariinsky Theatre

2014年10月25日土曜日

ダンス 「Cloud Gate Dance Theatre Pine Smoke」 NCPA 2014 ★★★★★

恐らく現代において見るべき価値があるものが在るとすれば、間違いなくそのトップクラスに入るであろうこのステージ。そう思えるほどに美しい舞台であった。

かつてアルモドバルの「トーク・トゥ・ハー」を見た時に、映画の内容よりも、冒頭の印象的なモダンダンスの舞台と、それを観客席で見ながら、一人涙を流す中年の男。その舞台が世界的ダンサーであり振付師であるドイツのピナ・バウシュによる「カフェ・ミュラー」だと知るのは後になってのことだが、いつか大人になって自らも一人週末の夜に劇場に足を運び、自分の心を向き合うように言葉語らぬ美しい舞と向き合う、そんな時間を過ごしたいと誓った若かりし頃。

その思いを成就させてくれるような舞台にはなかなか出会うことは無かったが、今夜の舞台こそ、かつての思いと見事にリンクする素晴らしい時間と空間を体験させてくれた。

クラウド・ゲート・ダンス・シアター(Cloud Gate Dance Theatre 雲門舞集)は台湾を拠点として活躍する世界的振付師であるリン・ホァイミン(Lin Hwai-Min 林懐民)が率いるカンパニーで、中国語圏での初のコンテンポラリー・ダンス・カンパニーだという。

クラウド・ゲート(雲門)とは、中国で最も古いダンスの名前で約5千年前の古代の舞の様式を指すという。ダンサーは皆が氣功や書道などのトレーニングを受け、その動きもやはりどこかアジア的なしなやかさを感じさせる。

そしてなんといっても、このクラウド・ゲートはあのピナ・バウシュが愛してやまないといわれているカンパニーであり、どこかしら共通する雰囲気を感じ取らずにいられない。

今回の演目は「松烟(Pine Smoke)」と呼ばれ、舞台に繰り広げられるのは、常に形を変えて空気を一体化する煙の様に動きの速度を速めては緩めるダンサー達の舞。一時間強の上演時間は、その動きに圧倒されるうちにあっという間に終演時間を迎えることになる。

大人になるというのは、恐らくそれぞれの中に自分なりの大人の像を作り、いかにその像から偏差することなく過ごせるかが、その人の充実度に比例する。そして自らが作り出す像というのは、人生の中で見聞きした様々な小説や映像での断片をコラージュしてできるものと、現実の生活との間での平衡状態で作り出される。

日常の忙しなさと、汲々とする生活とストレスの中で、なかなか定常状態に落ちつかないそのバランス。そんな中このような素晴らしい夜を体験できることは、人生を過ごす上で心の中で貴重な楔となるだろうと思いながら席を後にする。

 Lin Hwai-min 林懷民 リン・ホワイミン


2013年11月16日土曜日

ダンス 「Danish Dance Theatre Love Songs」 NCPA 2013 ★★

----------------------------------------------
Chorepgraphy: Tim Rushton ティム・ラシュトン
Taped music recorded by: Caroline Henderson, Nikolaj Hess, 
Nicolai Munch Hansen & Jacob Hoyer. 
Lighting Design: Thomas Bek/Jacob Bjerregaard 
Costume Design: Charlotte Ostergaard 
Set Design: Johan Kolkjaer & Tim Rushton
----------------------------------------------
かつて「トーク・トゥ・ハー」を見た時に思ったこと。

いつか一人で都会の夜の光を抜け、コンテンポラリー・ダンスを鑑賞し極上の身体の動きに自分なりに感動を覚えるころができる中年になりたいと。

そして中年にはなった。
後は感受性だと。

今日は土曜日。流石に不条理な打ち合わせも無く、随分時間に余裕を見ながらオフィスを出ることが出来た。途中のショッピング・モールの地下のフード・コートで早めの夕食を済ませ到着するオペラハウス。

「今日はなんだか随分混んでいるな・・・」と見渡すと、オフィスのスタッフと、元スタッフの顔を発見する。向こうもこっちに気がついたようで声をかけると、なんでもNCPAオーケストラの公演を見に行くところで、もう一人の元スタッフを待っているという。

その元スタッフも今日の昼間にばったり街で出くわして声をかけたところであり、」なんて狭い街なんだ。とにかく楽しんで」と開演まで時間が少なくなってきたのでチケット売り場へと向かい、スケジュールを確認しながらすっかり顔を覚えた係の女の子に頼みながら妻の分のチケットと、昨日メンターに進められた追加のチケットの購入。

基本的にはまだまだ一番安いチケットしか手が届かないので、計5枚購入したが680元。一枚平均150元くらいで2000円程度。今日のダンスのチケットも100元なので、1500円程度。流石に安い額ではないが、恐らく日本で同じ公演を見に行ったら最低が5000円近くなるのだろうと想像する。

この場所でこの値段で成立しているということは、演じる側はその値段で興行が成り立っているということで、それは日本でやろうが中国でやろうが変わらないと思われる。ならチケットの値段の差はどこから来ているのか?そしてどこに流れているのか?と思わずにいられない。

こういう舞台芸術という生の芸術こそ、中年になって涙を流すおっさんもいいが、それよりも感受性の強い子供に見る機会を与えてあげて、「自分も将来あんな風になりたい!」と夢を持つきっかけになるべきだと思うが、日本ではそのチケットの値段から、そんなに気軽には子供をこういう場に連れて来れないのがネックになっているのだろうと思わずにいられない。

そんなことを思いながら、今日は余裕があるのでプログラムの小冊子を手にし、カフェで飲み物と簡単なケーキをほお張りながら予習をすることに。なんでもこの「Danish Dance Theatre」。デンマークを代表するモダン・ダンス・カンパニーであり、コペンハーゲンを拠点として16人の国際的ダンサーで構成されているという。

彼らを束ねるのがティム・ラシュトン(Tim Rushton)というイギリス人振付家。彼が芸術監督を務め、様々な代表的公演を成功させているという。そして今回のタイトルは「Love Songs」

「人の身体はこんな動きも出来るのか・・・」と思わせるような自分達とは違った重力場にいるようなダンサー達の美しい動きと、その中を金色のロング・ドレスに身を包みながら、「ラブ」に関する曲を歌い上げていく一人のディーバ。

始めこそ、こうしてしっかりとコンテンポラリー・ダンスの舞台を見ることが始めてだけに、照明と舞台を所狭しと同時に様々な場所で踊りを繰り広げるダンサー達の動き、そして魅惑的な歌声に「おー」と感動するが、やはりこういうダンスというのは、メンターが言うように、バレエやオペラと違って文化的背景などを知らなくても直接的に身体で楽しめるものなんだと理解する。

それだけに、より身体的に心に訴えるためには、相当なレベルのものが必要なのだろうとも思わずにいられない。ダンスが幕間を持たないものだと始めて知りながら、「トーク・トゥ・ハー」で涙した中年のように、「ひょっとしたら自分も今夜・・・」とハードルが上がりすぎていた感はあるのだろうが、そこまでの感動は感じなかったが、また機会があればダンスも見ていきたいと思うのに十分な内容だったのではと思う。

周囲を見渡しても、やはり涙を流している同年代の中年の姿は見かけられず、「次回に期待か」と、カバンの中で厚みを増したこれからのチケットをポンポンと叩きながら会場を後にする。


2011年1月4日火曜日

「トーク・トゥ・ハー」 ペドロ・アルモドバル 2002 ★★★★★

一体どれくらい前に見た映画なのかよく覚えていないが、とにかく印象的だったのは作品の中で非常に強いキーワードとなる「ダンス」。

冒頭から世界的な振付師でありダンサーであるピナ・バウシュ(Pina Bausch)の独創的なコンテンポラリー・ダンスの迫力に心をあっさり奪われる。「人間の身体とはこういう風に動くものなのか・・・」と思わせてくれるその舞いの一つ一つの動作まで緊張と緩和を計算されつくされた美しさに心を奪われる。

ロンドンのAA Achoolという前衛的な大学院に足を踏み入れた時、前年度のあるユニットの成果報告の中に、アメリカ出身のバレエ振付家である、ウィリアム・フォーサイス(William Forsythe)の動きをマッピングし、そこから建築空間へと翻訳をするという内容のスタディが行われていた。

バレエの動きを解体し、再構築することで新しいコンテンポラリー・ダンスの高みへと挑戦していたフォーサイスのことを知ったのもその時が初めてであったが、建築という学問が水平に様々な分野に開き、同様に新しいことにチャレンジする同時代に生きるクリエイターから何かしらのヒントと建築への可能性を見つけようとするその姿勢になんとも度肝を抜かれたのを今でも覚えている。

空気を切り裂くようなバイオリンの音楽を背景に、一人舞台の上で今まで見たことも無いような身体の動きを見せてくれるコンテンポラリー・ダンス。何も言葉を発せずとも、それでも身体中を使って表現されるのは人間の心の動き。その姿を見ているだけで、言語と言う声帯による空気振動を通さずに、身体によって震わされた空気の振動を自らの身体が直接受け取ることにより、視覚と言語に頼りすぎている現代に生きる我々にはまったく新しい刺激を与えてくれることになる。

舞台の上で見たことのない、しかし何か訴えるものを表現するダンサーの姿と同じくらいに印象的なのが、それを客席で見ている中年のおっさん。あまり正確には覚えていないが、頭も禿げ上がり始めたそのおじさんは、確か建築家の設定だったのではと記憶する。

家庭で居場所を失うのでもなく、心を殺して平日を乗り切るのでもなく、自分が何を求めているのか知り、一人でも劇場に足を運び、自らの強い感受性で、誰が見ていようとも関係なく、心の叫びの様な舞いを身体で感じ取り、一人静かに涙する。そんな中年のおっさんになりたいなと望んだことを思い出す。

自分が何をしたいのか、なんてことを考えることを無しに日常を生き、行きたいのかも分からない飲み会に、ただただ空気を読み、自分の居場所を無くさないために足を運ぶ。そんな生きにくい社会となった現代の日本。誰もが横並びで、誰もがそこそこの生活を送る中では、自分の心の声に耳を澄ますこと、自分の感情が何を求めているのか向き合うことすらままならない。

そんな日本に生きるからこそ、都会の夜という誰にでも公平に与えられた時間の使い方を、自分の感情にとって必要なものを探し出し、それに対価を払い、そして一人足を運び自分なりの受け取り方をする。そして自然と流れる涙。そんな当たり前のことがなんとも羨ましく感じる。

ストーリーも絵も見慣れたアメリカ映画からはかなり遠い場所にあるのは間違いないが、作中でも歌われるカエターノ・ヴェローゾ (Caetano Veloso)の歌の独特なゆったりしたリズムの様に、時代に寄り添うのではなく、自らの感性を信じるその映画のあり方に、やはりアルモドバルの凄さを感じる一作。

見え終えた後さっそくサントラを入手し、いつか自分も一人夜の闇に紛れ、コンテンポラリー・ダンスの舞に自分の心の奥から湧き上がる感動に耳を傾けるような日を楽しみに「トゥトゥトゥ」と口ずさみながら思いを馳せる。
--------------------------------------------------------
スタッフ
監督・脚本 ペドロ・アルモドバル

キャスト
レオノール・ワトリング
ハビエル・カマラ
ダリオ・グランディネッティ
ロサリオ・フローレス
ジェラルディン・チャップリン
パス・ベガ
ピナ・バウシュ
--------------------------------------------------------
作品データ
原題 Talk to Her
製作年 2002年
製作国 スペイン
--------------------------------------------------------