2026年9月9日水曜日

重陽(ちょうよう) 五節句 9月9日

 

奇数の数字が並ぶ五節句も、最後の重陽を迎えた。

昨日の夕方には、空いっぱいに広がる鰯雲を眺めながら、
低気圧の接近とともに、確かな季節の移ろいを感じる。

次に見上げる満月は、中秋の名月。

今年はどこで見ることができるのだろうと想像しながら、
いつもとは少し違う秋の景色に出会えることを楽しみにする。 




2026年9月7日月曜日

白露 (はくろ 二十四節気の15番目)

 

二十四節気も15番目を迎える、白露の季節。

二年計画で進めていた木彫りも、ついに追いつかなくなってしまった。
掘りかけの残りの木片を手に取りながら、
この木の中から生まれてくる季節の形を想像し、
アメリカで過ごす今年の秋へと思いを巡らす。

12年の年月を経て、ついにオープンを迎えるルーカス・ナラティブ・アート美術館。
これまでに費やしてきた時間と、ともに過ごしてきたチームのことを思い返しながら、
この先、この美術館を訪れる多くの人々の姿を想像する。

その長い時間の先に迎える、記念すべきオープニングの日を、
静かに、そして心から祝いたい。 

2026年8月23日日曜日

乙女座 (8月23日~9月22日)

 

昨晩、空を見上げると、綺麗な上弦の月が浮かんでいた。

もうすぐ訪れる満月の次には、すでに中秋の名月が待っているのかと思うと、
今年はどこでこの月を見上げるのだろうと、カレンダーをめくる。
季節は確実に秋へと移ろい始めているのだと実感する。

西へ東へと、移動が重なる乙女座の季節。
地上の忙しない動きを気にすることなく、
天空ではゆったりと、一年の巡りが静かなリズムを刻んでいる。

そんなことを意識しながら、心を乱すことなく、新しい景色を見てこよう。 





処暑 (二十四節気の14番目)

 

甲子園が終わるとともに始まる、処暑の季節。

開会式での「いい顔をして野球をしよう」という選手宣誓の言葉の通り、
今年も胸が熱くなる数々の瞬間を楽しませてくれた15日間が、智辯和歌山の4度目の優勝で幕を閉じた。

直前に地震に見舞われた熊本代表・有明高校の機動力野球や、
白樺学園の二年生二遊間による見事なダブルプレーなど、
今年もいくつもの素晴らしい瞬間を記憶に刻んでくれた大会だった。

3年生の多くが野球を離れるこの大会を終えたその瞬間から、
チームは秋の大会へ、そしてその先にある春の選抜を目指して、すでに動き始める。

一年の巡りの中に確実に訪れる一つのピークを越え、
次の巡りへと時計の針を進めていく処暑の季節。

下級生を中心としたチームが多く活躍した今年の甲子園だけに、
来年はいったいどんなドラマが待っているのか、今から楽しみでならない。 


 



2026年8月7日金曜日

立秋 (二十四節気の13番目、 四立 )

里山の奥に建つ、麻をたっぷりと使った友人の家を出ると、
目の前を鬼蜻蜓がすっと横切っていく。
その姿を目で追っていると、
森の奥から「ケケケケケケケ」とヒグラシの鳴き声が聞こえてきた。

暦の上では今日から秋が始まると言われても、この暑さでは信じられない――
そんなやり取りを毎年のように交わす時期だ。
それでも、鬼蜻蜓やヒグラシに出会うと、季節は確かに巡っているのだと気づかされる。

「誰でも人生の中で、ふと立ち止まり、自分の歩いてきた道と、
これから進むべき方向を見つめ直す時がある。」
             ── 星野道夫

人生にとって本当に大切な時間を意識して過ごせる秋となるように。
そのための準備を、一歩ずつ進めていく立秋の季節にしたい。  


 

2026年7月23日木曜日

大暑 ( たいしょ 二十四節気の12番目)

 


暑気至りつまりたる時節なればなり /『暦便覧』

ワールドカップの熱狂が冷めやらぬ中、梅雨も明け、
強烈な日差しが照りつける季節が始まった。

 全国では、甲子園への切符を懸けた熱い戦いが各地で繰り広げられ、
いよいよクライマックスを迎えている。
昨年の王者・沖縄尚学も苦しみながら勝利をつかみ、
三年生となった左右の二枚看板を中心に、夏の連覇へ挑む姿を見せてくれている。

思い返せば、昨夏の甲子園では二年生エースたちの活躍がひときわ印象的だった。
その彼らが三年生となり、再びあのマウンドに立つ姿を見られるのも、
この夏の大きな楽しみの一つだろう。

 大暑の木彫りは、夜空いっぱいに咲き誇る花火をイメージした。

 儚くも美しい一瞬を、一つでも多く心に焼き付けられる、
そんな季節になることを願っている。 


 


獅子座(Leo) 7月23日~8月22日

 


スポーツ一色に染まった蟹座の一か月。 

全仏オープンで悲願のグランドスラム初制覇を果たしたズベレフ。
そして、連覇を狙う若き王者シナー。
世界ランキング1位と2位による頂上決戦となったウィンブルドンは、
接戦の末、シナーの勝利で幕を閉じた。

海の向こうで開催されたワールドカップでも、
ランキング1位から4位までが順当に準決勝へ駒を進めた。
決勝は、1位アルゼンチンと2位のスペインによる一戦。
若い才能を擁しながら、組織力と個の力を高い次元で融合させたスペインが、
見事な戦いぶりで頂点に立った。

どんな世界でも、一つの時代を築いた世代が頂点に君臨し続ければ、
その座を脅かす新たな力を持った若い世代が必ず現れる。
二つの大会を通して強く感じたのは、まさに「世代交代」の息吹だった。

その姿に刺激を受けながら、自分自身もまた、これまでの歩みを見つめ直し、
新たな気持ちで次の一歩を踏み出す夏にしたいと思う。




 

2026年7月7日火曜日

小暑 (しょうしょ 二十四節気の11番目)

 

決勝トーナメントの1勝という扉は、今回も開かず。 
悔しさは4年後に託して、ここからは世界のトップたちの熱い戦いを楽しむことにする。

北中米のワールドカップに、ロンドンのウィンブルドン。 
どちらも観たいけれど睡魔には勝てず、毎朝ニュースをチェックするのが日課に。

欧州の記録的な熱波のニュースを余所に、アジアはまだ涼しく長い梅雨の真っただ中。
本格的な夏の到来はもう少し先になりそうである。

暦は「小暑」を迎え、4年に一度のお祭り騒ぎもいよいよフィナーレへ。 
最後にあの黄金のカップを掲げるのは一体どの国か。
そんな想像を胸に、静かな雨の季節を楽しみたい。 



七夕

 

奇数の重なりも、すでに4つ目。 
「七夕」を迎えた今日、ふとそんなことを思いながら夜空を意識する。


暑さも徐々に厳しさを増し、そろそろ蝉の声も聞こえてきそうな季節。
浴衣に身を包んだ人々で街中がどこかふわふわと浮き立つような、夏祭りの夜が恋しくなる頃。


今年の夏も、様々な場所で彦星と織姫のような美しい再会を果たす人々がいることを、
夜空を見上げながら願わずにはいられない。
 
そんな温かな風景に思いを馳せつつ、
心待ちにしていた村上春樹の新刊を静かにめくる七夕の夜。 

2026年6月21日日曜日

夏至 (二十四節気の10番目)

 

どこかに美しい村はないか
一日の仕事の終りには一杯の黒麦酒
鍬を立てかけ 籠を置き
男も女も大きなジョッキをかたむける
 
どこかに美しい街はないか
食べられる実をつけた街路樹が
どこまでも続き すみれいろした夕暮は
若者のやさしいさざめきで満ち満ちる
 
どこかに美しい人と人との力はないか
同じ時代をともに生きる
したしさとおかしさとそうして怒りが
鋭い力となって たちあらわれる

——茨木のりこ「六月」(『見えない配達夫』所収)

地球の地軸が23.4度傾いているおかげで生み出される、豊かな季節の変化。
その変化のピークを示す二至の一つである夏至の日には、
日常では流れていってしまうような長いスパンの時間に想いを馳せたい。
そんな時に思い出されるのが、 今年、 生誕100年を迎える茨木のりこの詩。
人間らしく美しい街並みや人と人との温かい結びつきを、
仲間たちと共に力を合わせて形にしていきたいと、願う夏至の一日。






2026年6月11日木曜日

RIBA International Awards for Excellence 2026

 

I would like to express my warmest congratulations to the teams behind the West Wusutu Village Community Centre in Hohhot and the Beijing Performing Arts Center for winning the RIBA International Awards for Excellence 2026 

It was a privilege to serve as an Awards Ambassador for these projects. Having deep conversations with the architects—who spent years thinking about how to improve society through their work and poured their energy and knowledge into it—was truly inspiring. While both projects emerge from vastly different social backgrounds, they both demonstrate an exceptional quality of design and a profound commitment to working with the local community and context.

RIBA International Awards for Excellence 2026

West Wusutu Village Community Centre in Hohhot







Beijing Performing Arts Center








2026年6月6日土曜日

芒種 (二十四節気の9番目)

 

建築というのは、設計から竣工まで本当に長い年月がかかるものである。
我々が手掛けるプロジェクトは規模の大きなものが多く、
一つの建築が完成を迎えるまでに5年以上の歳月を要することは日常茶飯事でもある。
そんな中、今年の前半はいくつものプロジェクトが立て続けに竣工を迎えた。
長い時間をかけ、数え切れないほど多くの人が関わり、ついに社会へと手渡される。
そして人々に使われることで、ようやく建築に命が吹き込まれていく 。
穀物の種を蒔く時期を意味する「芒種」の季節。
何年も先に芽を出すであろう様々なプロジェクトの種に、
大きく健やかに育つようにと、改めて願いを込める