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2013年7月13日土曜日

Hiker's Dinner


妻もハイカー仲間に加入したということで、近しい友人がハイキング仲間の少人数でディナーをするというのにお呼ばれしにいく。

せっかくなので、仲良くしている別のカップルも登山が好きと聞いていたので、彼らにも声をかけることにする。

10人ほどのメンバーで、ほとんどが前回のハイキングかその前のパーティーで顔見知りということもあり、友人のカップルを紹介し、ホストの用意したインドネシア料理に舌鼓を打ちながら時間を楽しむ。

小さいころ想像していたサンタクロースそっくりなスコットランド人の友人は考古学者というだけあった、世界中の色んな場所で登山をしているらしく、この夏にエベレストに行くというメンバーも興味深そうに話に食い入っている。

北京のブラジル大使館で働く友人が、たまたま遊びに来ていたという東京のブラジル大使館で働く友人を連れてきて紹介してくれる。暫く東京にいるというので、今度東京に来るときはぜひ声をかけてくれといい、北京の友人はもうすぐ駐在を終えてブラジルに帰るので、ぜひ遊びに来てくれという。

こうして気さくに増えていく外国の友人のことを思いながら、東京では「外国人ではない」から外国人と出会わないのか、それとも日本人の気質がそうさせるのかなどと思いを巡らす。

まったりお酒を飲みながら先日の誕生日の話に話題が飛び、夫婦間でのプレゼントを今年から止めたというと、サンタクロースの友人が「誕生日プレゼントは普段ほしくても自分ではなかなか買わないものを手に入れるとてもいいチャンスだからぜひやった方がいい」と言う。

それに賛同するほかのメンバーが「今何が欲しいの?」と聞いてくるので、ちょっと考えて「ザイル」と答えると、誰もがポカンとする。先日のハイキングで一人のメンバーが斜面の上からザイルで下の人を引っ張りあげていたことを説明し、「使う機会がなくても、あのロープを持っていることがいいんだ」というと、それでも納得しないような皆の顔。

しかし、今度の帰国時に妻からザイルを買ってもらおうと自分の心の中で決めることにする。











2013年7月5日金曜日

BRICs

夏が近づいてきているといっても、外はすっかり暗くなった20:30。テレ・カンファレンスで繋がれるのは地球の裏側でこれから新しい一日を迎える朝9:30のブラジル。

サンパウロ中心地の敷地を使っての新しい住宅プロジェクトを進める現地のディベロッパーが我々MAD Architectsに興味を示してくれて、まずは要望をヒアリングしてのイニシャル・アイデアを先方に提示する会議である。

そんな訳で資料を纏めてくれたイタリア人と韓国人のスタッフと3人のパートナーとで会議に臨む。

パートナーのチュンがMAD Architectsと今までのプロジェクトについて説明をし、その後マーが今回のプロジェクトに対してのアイデアを説明する。

その話を、「これは結構無理だろうな・・・。でも、実現できたら楽しいだろうな・・・」と心の中で思いつつ、嫌な思いも沢山しつつも、少なくともそうやってワクワクできることを仕事として日々を過ごせるのは幸せなことなんだろと、ふと思う。

そして先日まで行われていたコンフェデレーションカップと、来年に予定されるワールド・カップ。そして今も収束しない反政府デモに悩まされる・ブラジル(Brazil)。
 
そんなことを思いながら頭の中では別のことに思考が飛んでいく。それは、今月後半にパートナーのマーが講演に行く予定になっているロシア(Russia)。遅れてきた大国という感もあり、徐々に建築の分野でも可能性が開けてきている感じがする。

そして先月の始めにアソシエイトのイタリア人スタッフが視察に向かったインド(India)。彼の知り合いでデリーの建築事務所に勤める建築家がチームを組んで仕事をできないかと声をかけてくれたので、現地の事情を知るためにそのアソシエイトがデリーとその郊外およびチャンディガールへと視察に行き、その報告を受けていた。
 
そして今、こうしてテレカンファレンスをしている、我々がいるのは中国のChina。

見事に出揃うBRICs(ブリックス)。
そう気がついて一人でゾクっとする。
 
その波の中にいると間違いなく世界が変わりだしていることを感じずにいられない。数少ない巨大な中心から、分散された局所的な中心が生まれだしていると実感する。
 
恐らく遠くない将来に、自分でもそれらの地に足を運ぶ機会もでてくるかも知れないが、ぜひ変わり始めた世界の姿をしっかりと目に焼きつけ、その空気をしかと身体に吸い込んで、新しい世界に必要な良い建築を作っていきたいものである。

2013年3月30日土曜日

グローブ・トロッター

かつて妻の通っていた語学学校で、当時の妻と同じくらい初級の中国語を話すブラジル人のクラスメートから誘われて、夫婦揃ってブラジル料理を食べに行く機会があった。

彼女達の友人のこれまたブラジル人夫妻と合わせて6人で、なかなか肉肉しい料理を楽しんでいると、隣のテーブルに座っている家族連れと会話が始まり、そのノリの良さですっかり意気投合していくブラジル人たち。

その家族は父親がブラジル人で、母親がフランス人。息子は二人とも190センチを超える長身でモデルのような小顔の高校生。お父さんは貿易関係で、お母さんは大使館関係の仕事をしている関係で、世界中を渡り歩きながら生活をしているようで、双子とも英語、フランス語、ポルトガル語に中国語ととにかく流暢。ついでに日本の漫画が好きということで少々日本語も喋れるというのを披露してくれる。

日本のフランス大使館でも仕事をしていたらしく、仕事の関係で日本にも友人がいるということで、何度か日本にも足を運んだことがあると言い、嬉しそうに写真を見せてくれるでかい双子。そんな訳ですっかりブラジルの波にのまれたような一夜を過ごした昨年の夏。

すっかり時間が過ぎて、中華新年を目前にしたある日。家の近くのブラジル料理屋でランチをしていたら、その隣のテーブルについたのがそのブラジル人家族。お母さんはフランスに出張中ということで、「男だけのお出かけなんだ」と嬉しそうに話してくるお父さん。これは何かの縁だということで、今度は日本食のディナーに出かけないとね、といって別れることに。

そんなことがあって暫くすると、こちらもすっかりご無沙汰にしていたクラスメートのブラジル人夫妻に街中でバッタリ出くわす。エレベーターを待っていたら、そのエレベーターから出てきたのが彼らというパターン。

これは何かの縁だということで、彼らも誘って馴染みの日本料理屋を予約して、いったいどんな話題をふればいいのかと、やや心配しながら昼過ぎに街中を歩いていると、向かいから歩いてくるのは例の双子の息子達。ちょうど高校の試験が終わったところらしく、これまた背の高いクラスメートと楽しそうに歩いてきて、こちらに気がつき手を振ってくれる。ここで話し込んだら夜に話すことがなくなるぞ・・・と思いながら「では、夜に」と言い残してその場を離れる。

皆が場所を見つけられないといけないからできるだけ先に・・・と思って10分前には着いたお店だが、他のみんなは既に到着しており、ブラジル人の意外なパンクチュアリティーを実感し、小皿をつまんでの食事が始まる。

「自分達はグローブ・トロッターだから」と笑顔満面で言うお父さんは、カナダの大学への進学が決まった仲の良い二人の息子が手元から離れていくのがやや寂しそうだが、また夫婦二人で自由な生活をするよと笑い飛ばし、息子二人はどうにかとても日本文化に興味があるらしく、今度は日本語を習得したいと比較的時間のある妻と日本語・フランス語の相互学習の約束を取り交わし、お母さんはこの前東京に行ったときに、「ロスト・イン・トランスレーション」の影響で行ってみたパーク・ハイアットのバーの話に花を咲かせ、クラスメートの夫婦は最近妊娠が発覚したといって、そりゃめでたいと皆で一升瓶の日本酒をあける事にする。

日本史における琵琶湖の戦略的位置づけなど説明してあげると、非常に興味深そうな顔をしながら説明に耳を傾ける双子は、将来はフランス以外に住みたいから大学では商業を専攻するという。そのコースはディプロマの最終学年で世界中のどの国でも選んでいい交換留学制度があるといい、二人揃って日本に行きたいらしい。

こういう開放的な両親の元で、世界中を経験する育ち方をして、バックグラウンドも国籍も年齢も職業も、まったく異なる人たちに接しながら成長していくこの子達を見ていると、今の日本の教育環境で育つ子供達に比べたら、その考え方や生き方に対して大きな違いがでるのも最もだと思わずにいられない。

そんな訳ですっかり打ち解け、今度はその家族の家にてパーティーをして、本場のカイピリーニャを飲んでほしいと誘われて、「それはいい」とひょいひょいと誘いに乗っていく我々。

よく考えたら、たまたま隣のテーブルになったのが二回あっただけで、こうして家族ぐるみの付き合いになっていくというのも、またなんだか不思議だが、人生における出会いなんてそんなものだろうし、それもまた悪くは無いなと思いながら、次回のカイピリーニャに想いを馳せる。