ラベル 居酒屋 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 居酒屋 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2015年1月4日日曜日

咸亨酒店(かんきょうしゅてん、xián hēngjiǔ diàn) ★


魯迅故里を西に歩いていくと、魯迅の作品「孔乙己」(こういっき、kǒng yǐ jǐ)の舞台として描かれた咸亨酒店(かんきょうしゅてん、xián hēngjiǔ diàn)が見えてくる。通常「酒店」というと「ホテル」の意味だが、ここでは居酒屋として使われており、科挙試験合格を目指していた主人公の孔乙己(こういっき、kǒng yǐ jǐ)が日々酒を飲みに訪れていた酒屋という設定である。

その舞台のモデルとなったのが同名のこのお店で、実は魯迅の叔父さんが開業した酒屋だという。入口脇にはその飲んだくれである孔乙己(こういっき、kǒng yǐ jǐ)の像が建てられており、その彼が飲んでいたのがこの街の名前が冠されたお酒である紹興酒。

この紹興酒は中国では「黄酒(huáng jiŭ)」と呼ばれ、米を原料とする醸造酒であり、その代表的ブランドがこの「紹興酒(shào xīng jiǔ)」という訳である。店内ではこれまたこの地の代表的料理である「臭豆腐(しゅうどうふ、Chòu dòufu)をはじめ、様々な江南料理を楽しみながら、紹興酒を飲むという居酒屋となっている。

多くの観光客が訪れるのが良く分かるように、注文は自分でカウンターまで行き、写真を見ながら注文するシステム。運ばれてきた紹興酒はお碗に注いで飲み、孔乙己の雰囲気を味わえるようになっている。








2014年2月1日土曜日

松江 ★

すっかり暗くなった街中を、既に何度も通ったので見覚えのある景色を見ながら橋を渡り宍道湖の北岸に経つ宿泊先のビジネスホテルへチェックインする。周囲の食事処の情報を教えてもらい、荷物を整理しさっさと外へ食事に出かける。

この松江市。言わずと知れた島根県の県庁所在地であり、江戸時代の松江藩の藩庁地として栄えた城下町を基としている。人工は20万人でお隣の米子市と共に、山陰地方の経済の中心地でもある。

市街地は西の宍道湖から東の中海へと流れる大橋川によって南北に分割され、北を橋北(きょうほく)、南を橋南(きょうなん)というらしい。湖からの穏やかな水面が街のどこからでも感じられる水を中心とした街であり、その両岸に繁華街が展開している。

戦国時代には京極家分家である尼子家によって支配され、その家臣であった山中鹿介(やまなかしかのすけ)幸盛(ゆきもり)はこの地で随分と英雄視されているようであり、何度か「鹿介を大河ドラマに!」というポスターを見かけることができる。

昼間とは違った表情を見るのを楽しみに、せっかくだからと夜の松江がどのような構成になっているかを知る為に、ホテルを出て橋北地区から大橋川を渡り、橋南地区を廻って駅前地方を散策してみることにする。

東茶町を抜けて旧中心街近くにある飲み屋街の東本町を見ていくと、左右にちらほら飲食店の看板が見えてくる。道にもカップルなどの姿が少し見かけられるようであるが、ここが中心というような場所は無いようである。

飲み屋街も終わったようなので南に向かい大橋川を渡る。これが結構長い。そして南岸に到着し、元・遊廓という伊勢宮町近辺を細い路地を抜けながら散策する。何件かのキャバクラなどの飲み屋があり、派手な格好をした女の子の姿もチラホラ。しかし、歯抜け的に立体駐車場があり、その脇には怪しく光る「代行」の文字。その為に飲み屋が集中して活気があるという感じは無く、暗い中にポツンポツンと飲食店が見えてくる。

道を行き来する人もそれほど多くは無く、賑やかで流行っているなと思える雰囲気が外まで届いてくるような店はなかなか見つからない。外に出ているメニューを物色しながら、何件か見てみるが、どうもこれという決め手にかける。想像していたほど、海の幸が安く提供されている訳でもなさそうで、料金設定はかなり高めの様子。

そんなこんなで伊勢宮町近辺の路地をすべて歩ききり、駅前方面まで今宵の夕食を求めて彷徨うが結局決定打にかけ、最終的に一度足が止まったおばあさんがやっている居酒屋の暖簾を潜ることに。

一人なのでカウンターに座り、ビールを頼んでお通しとてんぷら定食を頼むが、暫くするとチラホラお客さんが入ってきて店内もそれなりに埋まっていく。二人のおばあさんのうちの一人に聞いてみると、やはり昔は伊勢宮町近辺に飲み屋が密集していて活気があったが、最近はチェーン店などが客を確保しようとして駅前に展開し始め、車で移動する人が多くなったのと、間違いない賃貸料が入る駐車場として土地を利用する地主が増えた為に街が歯抜けになってしまって、かつての活気がなくなってしまったと嘆いている。

恐らく日本中の地方都市のかつての中心地で起こっていることとまったく同じ現象であろうと思いながら箸を進めるが、これがあまり美味しくない・・・その後おばさんたちとの話が盛り上がる訳でもなく、さっさと食事を切り上げて、明日の立ち寄り地の予習と本日の撮影データを整理することにし、近くのコンビニで軽いつまみとお酒を買い込んで再度長い道のりを歩きながらホテルへ戻ることにする。

20分ほどしてホテルが見えてくるが、その頂部についているホテルの名前の一部の電飾が切れて、「ジー、ジー」と音がしている。なんだか最近見た映画のモーテルのようだなと思いながら、これもまたこの町の現在を象徴しているのかなとしみじみと日本の地方の今を感じることになる。

2013年7月20日土曜日

南紀勝浦温泉(なんきかつうらおんせん) ★★


--------------------------------------------------------
日本百名湯
--------------------------------------------------------
飛瀧神社の参拝を終えたのが17時過ぎ。

普通なら日の入りまでの2時間近くを有効利用するために、この近くで手ごろな聖域はないかとマップを探るところだが、和歌山縦断の山道運転が身体にきたのに加え、明日は最大の山場である和歌山から三重縦断という最長距離の行程への恐れも手伝い、今日くらいは早めに宿に入って温泉につかり疲れを癒し、温泉街の夜の街へと繰り出そうと勝浦温泉へと車を向かわせる。

和歌山県にある日本百名湯は南紀白浜温泉、南紀勝浦温泉、湯の峰温泉、龍神温泉の4つ。

日本百名湯

既に昼に龍神温泉に立ち寄っているので、この南紀勝浦温泉で一日に二つ目の百名湯となる。18時前にホテルに到着し、本日の走行距離を調べると朝の8265キロから始まって現在8497キロ。つまり230キロ以上の山道を走ったことになる。

「今日は疲れたな・・・」と感じながら、とりあえず一度大浴場で汗を流すことにする。外に広がる海を眺めながら暫くぼーっとしてお湯に身体を浸す。汗と一緒に少しだけ疲れも流れた気になって着替えを済ませレセプションで美味しい魚介を食べれるところを教えてもらう。

今日くらいは外でお酒が飲めるだろうということで、歩いて駅前の繁華街まで歩くこと15分。なんだか随分寂れてしまった雰囲気を醸し出す駅前繁華街が見えてくる。「大丈夫かな・・・」と思いながら、なかなか開いている店が無いのに心配になりながら、折角だからと漁港まで足を伸ばす。

現在進行形の生きた漁港らしく、小さな漁船がいくつもつけられている漁港の前には、公共の足湯が出来るスペースがつくられており、地元の小学生が足湯をしながら、ニンテンドーDSをやっていたりとなんだか良い風景をつくっている。

港町の雰囲気もつかめ、日も徐々に落ち始めてきたので、いい加減にお店を決めようと商店街の横道に。「良さげなお店が無いものか?」と探すと居酒屋らしきお店が向かい合っているので、外にでているメニューを眺め品定め。

迷っていると、外に電話に出てきていた女性のお客さんが「美味しいですよここ」と薦めてくれる。「それならば」ということで中に入るが既に席は一杯。厳しいかなと眺めていると、カウンターで一席だけスペースが空いており、たまたまその横は先ほどの女性客。

薦めてくれたお礼を言って、料理とお酒のお勧めを教えてもらいながら話しをしてみると、隣で既に顔を赤らめている旦那さんと一緒に高野山の麓の九度山から来ていると言う。今日は横の太地町でイルカと泳いできた帰りなんだという。

「イルカと泳げる?」と聞くと、なんでもその太地町は捕鯨の街ということもあり、入江のなかの生簀にイルカを放して子供達がイルカに触れ合えるという企画をやっているとのこと。

ドルフィン・べェイス

確か昔、知り合いに南房総で鯨の解体を見学できるところがあるから一緒に行かないかと誘われていたのを思い出す。後に調べると現在日本では、捕獲された鯨の鯨体処理場が許可されているのは以下の5箇所だけという。

網走市(北海道)
函館市(北海道)
石巻市鮎川浜(宮城県)
南房総市和田町(千葉県)
太地町(和歌山県)

「でもなんで、鯨の街にイルカ?」

と思わなくも無いが、気さくに地元情報を教えてくれ、何処に泊まっているかなんて話で盛り上がる。逆の席には同年代と思われる男性一人客。美味しそうな日本酒を飲んでいるので、「地元のお酒か?」と会話をしてみると、なんでも名古屋在住で休みを利用してきていると言う。どのお酒が美味しいかいろいろ教えてくれるので、それを頼んで会話を続ける。

今日訪れた寺社の話をすると、「あー、あそこの参道はいいですよね」なんてかなり詳しい。聞くと、休みを使っては電車でいろんなところに足を伸ばして寺社などを見ているという。「これは何かの引き寄せだな」と思いながら、先日の日枝神社での神木の話をすると、昨日の宿の主人同様「玉置神社の神木は凄い」と言う。

「いつか行かないと・・・」と思いながら、熊野本宮が想像していたよりも観光色が強くて驚いたというと、「熊野はねぇ、やっぱり王子とか古道を歩いて行かないと本当の意味は分からないですよね」と。流石。

他のお勧めを聞いてみると、「そういう場所が好きならば、瀧原宮は凄いですよ。伊勢神宮の五十鈴川と同じで、手水が川に下りていくスタイルなんですよ。いい参道ですよ。」と言うので、「既に明日の行程に入ってますよ」といい感じにお酒がすすむ。

そんなこんなしていると、隣のご夫婦が土曜の丑も近いことから鰻のひつまぶしを注文し、なんともいえない匂いが漂ってくる。「季節ですね」なんて言っていると、「少しどうですか?」と我々二人にお椀に取り分けてくれる。

「すいません」なんて言いながら、「こうしてふらっと地元の美味しい店に入って、地元の人にいろいろ教えてもらう。これこそが日本の旅行の醍醐味だな」なんてしみじみしながら更にお酒を注文する勝浦の夜。