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2016年2月22日月曜日

「ももへの手紙」 沖浦啓之 2012 ★

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スタッフ
監督 沖浦啓之
原案 沖浦啓之
脚本 沖浦啓之
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宮浦もも:美山加恋
宮浦いく子:優香
イワ:西田敏行
カワ:山寺宏一
マメ:チョー
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「人狼 JIN-ROH」の沖浦啓之が12年ぶりに手がけた長編アニメーションということで手にした一作。父を亡くした少女が、母と二人で田舎に引越した際にひょんなことで見えるようになってしまった妖怪たちとの交流を通して、最後に書きかけの手紙を残した父親への気持ちの整理を描いていく作品である。

映像がどうのこうの以前に、母親役の優香の違和感のなさに比べ、メインででてくる3匹の妖怪の一つ「イワ」役の声優の西田敏行の声の存在感が強すぎて、なかなか物語りに入り込めないのは否めない・・・

キャラクターの動きの細かさや背景など、アニメーターとしてのこだわりは至る所に感じるが、全体的に間延びした感は否めなく、また原案と脚本も監督が行ったということで、物語や各キャラクターの設定がそれほど深く詰められていたかといえば、疑問を感じずにいられず、一つのテーマに対して、二つ三つのアイデアで立ち向かったという薄さは否めない。











2015年11月27日金曜日

「虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜 」 宇田鋼之介 2012 ★★

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スタッフ
監督 宇田鋼之介
原作 川口雅幸
脚本 国井桂
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ユウタ:武井証 / 櫻井孝宏(大人)
さえ子:木村彩由実 / 能登麻美子(大人)
ケンゾー :新田海統 / 中井和哉(大人)
青天狗: 大塚周夫
蛍じい:石田太郎
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作品の中で、高畑勲 の「かぐや姫の物語」 の映像に似た、アニメーションでしか出来ないような絵が流れるような表現がされているのに気になって調べてみると、やはり作画にはCGは一切使用しなかったという。

CGの技術がここまで高度になり、使用するコンピューターの能力と投入する人員や時間によってそのクオリティが決まってしまうこの時代。その中で同じ土俵に立つことなく、独自の表現を模索する。どの世界でも同じように、様々な葛藤の末に新しい表現や価値が生まれてくるのだと改めて感心する。

それはさておき、ネットで公開された小説が人気となり、アニメ化、映画化となった背景もまた如何にも現代らしい作品である。

突然30年以上も前にタイム・トラベルして現代ではダムの底に沈んだ村でひと夏を過ごす少年の物語。まさに夏休みの大冒険という少年の永遠の憧れのファンタジーもの。長閑な風景の舞台となっているのは、埼玉県秩父市の二瀬ダム(秩父湖)ということらしい。

30年という時間と、美しかった自然を繋ぐ道具として重要な役割を演じるのがタイトルにもなっている「ホタル」。見終わった後に、今でもホタルの見える場所がどこなのかとついつい調べたくなる一作である。









2015年10月24日土曜日

「かぐや姫の物語」 高畑勲 2013 ★★★


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スタッフ
監督 高畑勲
原作 『竹取物語』 
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キャスト
かぐや姫(タケノコ):朝倉あき
捨丸:高良健吾
翁 :地井武男
媼 :宮本信子
相模:高畑淳子
女童:田畑智子
斎部秋田:立川志の輔
石作皇子:上川隆也
阿部右大臣:伊集院光
大伴大納言:宇崎竜童
車持皇子:橋爪功
北の方:朝丘雪路
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原作を、その成立時期や作者は不明であるが日本最古の物語と言われる「竹取物語」としている本作品。少なくとも平安時代初期の10世紀半ばまでには成立したとされており、その内容には現代とはまったく世界の捉え方の違い、人間というものの認識の違いがその奥底に見えるのが、文字として残り、時代を超えて読み注がれる物語の強さである。

そうして見ていくと、何かしらの罪を犯したために、月の世界から下界であるこの地球におとされたかぐや姫。しかしながら、生まれながらにして大量の黄金と、誰もが認める美貌を持ち合わせているという設定が、「金」と「美」というものが時代が変われど人間の根源にまとわりつくものであり、言葉を変えれば、人の欲望はどの時代でも同じであるという悲しき性を示している。

しかもその美しさを兼ね備えた娘には、「高貴な人」とされる裕福な貴族の妻になることが何よりの幸せだと考える翁と、それを当然の様に振舞う都の人々。つまり美しいということはそれだけで価値であり、更にその上に「教養」などを付け加え、その外見の美しさに相応しい内面を備え付けていく。人の力ではどうしようもない、生まれ持った美しさの前には、人は情けないがどうしてもひれ伏してしまう、どうしても魅かれてしまうというのは、まさに時代を超えた人類の原理原則であるかのように物語りは描かれる。

表現としては、CGではできないこと。
アニメーションである強みとは何か。

そんなことに固執して生み出したような表現が重ねられ、「見たこと無いな」と思わせるある強度を持っているかのようである。音楽では久石譲、そして声優陣には高良健吾、地井武男、宮本信子、高畑淳子、田畑智子、上川隆也などなど、「良くぞこれだけ」と思ってしまうほどの豪華なメンバーを揃え、制作側の気合の入れようと、予算のかけ方が感じられる。

満月の夜、かぐや姫を迎える月からの使者達のシーンは、この世の常識とは全く違った力が降りてきているという感情を湧かせるのに十分な演出と音楽で、相当な出来になっている。様々な宗教観すら超越した存在を作り出すために、「パプリカ」のそれを思い出させるような高揚感のある音楽。

それと対比を成すように、作品内で何度も繰り返されるのは長閑でありながら、美しく整っている日本の風景に重なる童謡の数々。子供達が楽しげに口ずさみ、田植えの疲れを紛らわせるように農民が謳うのは、四季の恵みを与えてくれる大地への賛美。そしてその自然に包まれたつつましい地上での生活の姿。

使い古された「竹取物語」に新たな命を吹き込むために何かが必要だとした時に、その役割をこの作品で託されたのは「音楽」であり、この物語が描かれた時も、そして現代においても、この日本という風景の中で響きあい、共鳴するそれらの歌に時間を越えた「日本」の姿をその音楽の中に写し出そうとしたのではと、勝手な想像を膨らませてしまう、そんな一作である。







2014年3月4日火曜日

コンペの締切り

ロシアで行っている都市計画のコンペの締切り。

やはり最後はいつもの通りにカオス状態に陥る。ロシア時間で決められた時間までに、パネルを含めた紙媒体の提出物を、郵便会社に渡した、期限時刻内に受け取ったという認証を貰わねばならない。

その為には印刷しなければいけない、100ページを超えるA3サイズの資料を何冊も印刷するのと、A1サイズのパネルを印刷するのを同時に行わなければいけなく、印刷会社で印刷にかかる時間を逆算しながらギリギリまでの作業となる。

既に期限が迫り、オフィスに待機してもらっている郵便会社のスタッフ。事情を説明し何とか待っていてもらっているが、まだ印刷物が届かない。同時にコンペの指定されたFTPサイトにデータをアップデートしていかなければいけない。

しかし、中国のファイヤーウォールの為に、アップデート速度が非常に遅く、何度も途中でエラーとなってしまう。このままじゃきりが無いのでコンペ運営側に電話し、状況を説明し、変わりにファイル転送サイトから送るのとドロップボックスで共有する二方向からファイルを転送することを伝え了承してもらう。

ブックレット、パネル、PPT、A4のステイトメント、それらのプロジェクトに関係することとは別に、設計料の提案書や今回のコンペに関するインボイスなどには引証を押して、最後に郵便会社の時間内での受け取り証明書を同封したりする。

プロジェクト関係の資料は英語とロシア語併記の為に、最後にもう一度確認していくと、ロシア語が何度も同じテキストが使われているのを発見し、ロシア人のスタッフに再確認して訂正してもらう。

結局郵便会社のスタッフが会社を出たのは受け取り印を押してもらった約二時間後。「問題ないですよ」といって忍耐強く待ってくれる姿に感謝の念を感じずにいられない。

そんな訳で分かってはいるけれども、いつも最後はこうなってしまう。それはあまりに多くのことを用意しなければいけなく、そしてそれにかかる時間がどれほどか、そして締め切り間近という緊迫した中でどれだけ集中力が落ちミスがでて、効率が低下していくかを初めてのメンバーは理解していないから。いくら逆算して早めに進めて行ってもこればかりはどうしようもない。そしていつも必ず最後には間に合うことになるから不思議である。

次に残されたのは、最終プレゼンで流す5分のマルチメディア・プレゼンテーションの作成。アニメーションを使ってプロジェクトをよりビジュアルで説明するものである。クタクタに疲れ果てた状態でも、誰かがその動画の為のナレーション・テキストを考えなければいけない。しょうがないので、動画の流れとコマ割を考えながら、テキストを考え始めて家路に着くことにする。