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2017年12月24日日曜日

季節の風物詩 高校駅伝


今年はクリスマスイブに重なった全国高校駅伝。京都・都大路を舞台にした高校生長距離ランナーの決戦の日。年末の風物詩となったこの大会は、「都大路」と検索するとほぼこの高校駅伝関連のサイトや画像で埋め尽くされるほど、すっかり世間に定着している。

年末年始の様々なスポーツの祭典の始まりの合図を鳴らすかのように、冬の寒空の下、仲間からの声援を背中に受けて、徐々に沁みこむ汗と思いでじっとりと重くなる襷をつなぎ、新年をすぐ目の前に迎えてた古都をマラソンと同じ42.195キロをチームとして駆け抜けていく。

高校駅伝ならではのスピード勝負。一区ごとに先頭が入れ替わる手に汗握る展開と、昨年の雪辱に燃える伝統校同士の戦いと、一年で成長した生徒たちの姿を見ながら、「あぁ、今年も一年が過ぎたのだな」と感傷に浸るのに持ってこい。

男子は下馬評通り、長野の佐久長聖が迫る岡山の倉敷を振り切り、4区間で区間賞を獲得する圧巻の勝利。昨年は3位に倉敷、4位に佐久長聖だった為に、チームの総合力が感じられるレース展開であった。昨年優勝の広島・世羅が20位に終わったこともあるが、1,2年生が多数を占めた佐久長聖は来年も間違いなく優勝候補だろうと胸を熱くする。

女子は昨年の15位から圧倒的な強さで優勝した宮城の仙台育英。こちらも昨年優勝の広島・世羅が9位に落ち込むなど、やはり高校駅伝は有力選手の卒業によって、毎年その勢力図が変化するのも魅力であるが、2位に入った長野・長野東や、男子の3位に入った宮城・仙台育英など、やはり強豪県というのはあるのだなと改めて理解する。

毎年、コースのアップダウン、中継点など徐々に詳しくなっていきながら、いつかは、いつかは、この冬の寒空の下、道の脇で選手が駆け抜けていく姿に声援を送りたいと願いつつ、そうだったら、どこで応援しようかと考えを巡らしながら年末へと突入する。





2016年3月1日火曜日

「檸檬のころ」 岩田ユキ 2007 ★★★


岩田ユキ
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スタッフ
監督 岩田ユキ
脚本 岩田ユキ
原作 豊島ミホ
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キャスト
秋元加代子:榮倉奈々
白田恵:谷村美月
佐々木富蔵:柄本佑
辻本一也:林直次郎(平川地一丁目)
西巧:石田法嗣
金子晋平:石井正則(アリtoキリギリス)
金子商店主人:織本順吉
白田の父:大地康雄(特別出演)
大住志摩(白田恵のいとこ):田島ゆみか
吉井薫(サイドギター担当):波瑠
林尚弘(ドラム担当):島田悟志
藤山剛史(ギター担当):島崎徹
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のどかな風景に囲まれる地方の高校を舞台にした青春映画。好きな女の子と交わす一言でその日のすべてが決まってしまう、そんな淡い高校時代がありありと脳裏に思い返される一作である。

学校で学ぶのは授業だけではなく、人はこうして友人や異性との接し方や距離の取りかたを徐々に経験と時間を積み重ねることによって学んでいくのだと改めて思わされる。自分の思うようにいかないトライ・アンド・エラーの中で、心を引き裂かれるような思いをしながら、少しずつ周囲の人との関係性を築けるようになっていく。

そしてそれは年齢に関係なく、かならず通ってこなければいけない社会との折衝であり、傷つくのを恐れたり、守られすぎたりとして通らずに過ごしてしまえば、その分大人になってツケを払う必要に迫られるということか。

受験と大学のある場所によってその後の人生が大きく変わってしまう高校三年生。毎日一緒だった時間から、いきなり別の日常を過ごすようになる大きな断絶を受け入れることを強いられる。

楽器がうまかったり、明るかったり、かっこよかったりと、非常にシンプルな方法で恋に発展し、その関係の中から、その後より複雑に絡み合う恋愛というものに足を踏み入れていく。

主演の榮倉奈々を筆頭に、なんとも見事なキャスティング。明るく、クラスでも人気者を演じる榮倉奈々は、学校のマドンナという役割ながら、決して見た目が抜きん出てカッコいいとは言えない野球部のエースに恋をするという設定が、やたらとリアリティを増してくれる。

自分の目線からからしか見えてなかった学校という舞台には、それぞれの場所でそれぞれの人が、様々な想いを持ちながら毎日を過ごして、成長していたのだと改めて高校時代の貴重さを思わされるのと同時に、これくらいの地方都市の進学校が一番良いのではと思わずにいられない一作である。


















2015年12月20日日曜日

風物詩 都大路の高校駅伝

テレビで高校駅伝をやっているのを見つける。「都大路を駆け抜ける高校生たちの姿が・・・」というフレーズが耳に届くと、「ああ、今年もすぐに終わりだな・・・」と年の瀬を感じるように、京都を舞台にして行われる高校駅伝の晴れ舞台。

高校野球部員が目指すのが甲子園。
高校サッカーの聖地が国立競技場。
高校ラグビーの聖地が花園。
高校駅伝部員が目指すのがこの京都の都大路。

都道府県別での争いとなるから、画面のこちらで見ている我々も、どうしても地元愛を刺激され、「地元代表校が順位を一つ上げた」となるとやはり気持ちがいいものである。男子はフルマラソンと同じ42.195kmを7人で、女子はハーフマラソンの21.0975kmを5人でつなぎ、高校生で各地道府県からの代表ということもあり、各区で走る選手の力も時に大きく差があり、思いもしない大逆転なども起こりうる。だからこそ、ついついテレビの前から離れられず、また後でニュースで結果だけ見るのと、リアルタイムで手に汗握る争いを見るのとでは、大きな違いである。

これこそが、季節ごとに何年も費やしてきた青春をぶつける高校スポーツの祭典は思いもよらぬドラマを生み出す風物詩となりうるのだろう。

今年は男女ともに広島県の世羅高校のアベック優勝で幕を閉じたが、沿道で応援する人々の姿を見ながら、各校代表として冬の寒い時期に市内を駆け回る中学校の駅伝大会の様子を思い出して感傷に浸りつつ、やはり風物詩は見逃すべきではないと、野球、サッカー、ラグビーに駅伝と、高校スポーツの晴れ舞台が行われる時期をgoogleカレンダーに定期イベントとして入力することにする。

2015年12月5日土曜日

「十五才 学校IV」 山田洋次 2000 ★★★

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スタッフ
監督 山田洋次
脚本 山田洋次
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川島大介(中学三年生):金井勇太
大庭すみれ(長距離トラックのドライバー):麻実れい
佐々木康(大型トラックの運転手):赤井英和
畑鉄男(ひとり暮らしの老人・バイカルの鉄):丹波哲郎
川島秀雄(父):小林稔侍
川島彩子(母):秋野暢子
金井真知子(共に縄文杉を目指す):高田聖子
薬屋のおかみ:余貴美子
畑満男:前田吟
児玉(小型トラックの運転手):笹野高史
大角:蛭子能収
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山田洋次監督の代表作の一つ。15歳という大人と子供の狭間で揺れる心、「思春期」という言葉で纏められてしまうのに抗うかのような繊細な気持ち。家庭と学校という場所において、自分の居場所を上手く見つけられない15歳にとっては、そこからどんな形であれ飛び出すことが、とてつもなく大きな成長を促してくれることもある。そんな15歳の夏の冒険を描いた作品。

学校に行くことのできなくなった中学三年生の主人公。家では厳しい父親が、父親とうい立場からの見方と言葉でしかコミュニケーションを取ってくれず、どうしても周囲と同調しなければいけないことに対して違和感を理解してもらうことが出来ない。

そんな彼が起こした行動は、縄文杉を見に行くためにヒッチハイクで鹿児島まで向かうこと。

その道中で中学生だと分かりながらも、優しく接してくれる様々な人たち。今までの日常では決して出会うことの無かった大人であり、同時に自分の視線まで下りて来てくれて、自分の気持ちを理解しようとしてくれる人たち。

女性長距離ドライバーに九州の彼女の家まで乗せてもらい、数日家にてお世話になることに。その中で、明るい彼女の娘や、引きこもりの長男との交流を重ねていく。異邦人としての彼は、彼女の家にとっても日常に無い刺激となり、それぞれの関係性が少しだけ変化していく。

家族ともほとんど口をきくことのなくなっていた長男が、彼には様々なことを話し、そして「詩」という形で自らが思っている気持ちを書き綴る。それを知った母親は、「来てくれてありがとね」と、家族の形を少しだけ変えてくれたことに感謝して泣き崩れる。

これだけでも既に十分な物語であるが、とりあえず家を出る為の口実としていた縄文杉を見に行くことを引っ込めることも出来ず、なんとか到着した屋久島。せっかくだからと縄文杉を目指すと、一緒になった若い女性と共に先を進むことになる。

同じ目的は人を繋げるのだと言わんばかりに、長い行程のなか様々なことを語りながら徐々に距離を近づけていく二人。誰にでもあった15歳の頃を彼の姿に重ねながら、一つ一つ丁寧に言葉を語る姿は、中学生の彼にはきっととてつもなく大人に感じることだろう。その彼女が彼に残したのは「一人前になること」。

そして辿りついた縄文杉。それでも物語りは続き、今度は屋久島で一人暮らしをする老人と出会い、居候をすることに。老いを迎えた老人の哀愁と、彼にもまた家族という問題があることを目の辺りにし、様々な人との出会いを繰り返した旅を終えるために東京へと戻ることに。

そこに待ち受けるのは自分が拒否して飛び出してきた家庭。やっと向きあうことができるようになった父親。そしてその父もまた息子の変化を感じ取る。そして一回り大きくなった彼は自ら学校へと足を向けることになる。

外からでは決して知ることの出来ない彼の中で起きた大きな物語と冒険。それは同時に旅の途中で出会った様々な大人たちも彼を通して、日常の中に何かの変化を受け取り、そして感謝していく。人は誰かと出会うことで少しづつ人生をカラフルにしていくのだと強いメッセージを送ってくれる一作である。
















2015年11月20日金曜日

「WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜」 矢口史靖 2014 ★★

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スタッフ
監督 矢口史靖
原作 三浦しをん
脚本 矢口史靖
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平野勇気:染谷将太
石井直紀:長澤まさみ
飯田与喜(よき) :伊藤英明
飯田みき(与喜の妻): 優香
中村清一 :光石研
中村祐子(清一の妻) :西田尚美
田辺巌:マキタスポーツ
小山三郎:有福正志
林業組合専務:近藤芳正
山根利郎:柄本明
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なにやら後ろに大きな意図がやたらと見え隠れする映画である。それは

1 映画を使って地方の村おこし
2 映画を使って、廃れてきている産業の活性化

恐らくこれらは昔から行われていたのだろうが、この数年は地方の行政庁から助成金も期待できるので確実に黒字になると、幾つもの広告代理店が挙って企画をあげているのでは?と勘ぐりたくなってしまう。

それでも、今まで目に触れることのなかった地方の生活。そしてそこでの仕事や日常の姿を美しく、またコミカルに描くことで、出て行くばかりの人でなく、興味を持ってその地に足を運ぶひと、観光に訪れる人、移住を考える人などが増えればそれでもいいのかと知れないというのもまた当然のことで、そうなると「映画」というメディアの持つ意味もまた多様化してきているのだろうかと、なんともいえない感情を抱くことになる。

ロケが行われたのは三重県津市美杉町


トンでもない山奥の町で、林業を営む人々の姿を、都会からひょんなきっかけでやってきた若者の姿を通して描いていくという物語。主役に染谷将太でその脇を固めるのが伊藤英明、長澤まさみ、優香に西田尚美と若い世代相手でも十分に受け入れられそうな役者を揃え、テンポ良くコミカルに話は進んでいく。

身体の中まで清らかになる空気が満ちていそうな森や、こんな村なら住んでみたいと思えるほど美しい風景。そして毎日がしっかりと太陽の動きと連動してゆったりと流れる時間。

都会と地方の格差が叫ばれて久しい現代。この映画をきっかけに、都会の時間から離れてみようかと思う人がいるのかもしれないし、その足が向かう先がこの風景となることもあるかもしれない。それでいいのかも知れないが、やはりこれは映画なのか、それともテレビの延長なのか・・・と思ってみるとやはり製作の中にあるのはTBSテレビや博報堂の名前・・・

メディアミックスもいいが、時間が限られているのなら、やはり映画らしい映画を観たいものだと改めて思うことになる一作かもしれない。