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2015年1月29日木曜日

MAD Annual Dinner (年会) 2014

遅い中華新年もやっとあと少しとなり、前回の長期休暇から長い長い月日ずっと働いてきたオフィスも、今年を総括する時期になり、通年どおり忘年会にあたる年会(niánhuì)を開催することになり、昨年は星座ごとにチームを分けたが今回は出身地ごと、ヨーロッパ、アメリカ、日本と韓国の東アジア、シンガポールやタイなどの南アジア、そして中国国内は北京、広東、山西+山東などに地域ごとに分類し全部で9チームに別れ、それぞれに何かしらの出し物をするということで準備を進める。

その出し物と、一年を通してオフィスの中で特に目立った活躍をしたメンバーなどの表彰、そして事前に行っていたオフィス内部でのアンケートの結果発表を交互に進めながら、皆思い思いに食事とお酒を楽しんでいる。

特に2014年はアメリカのシカゴでジョージ・ルーカス氏の為の美術館のコンペを勝ち取るという大変大きな進歩を成し遂げ、そのチームをコンペ段階から纏め上げてきたプロジェクト・アーキテクトの表彰や、デザインの分野で特に目立った活躍を見せた3人の表彰、そして技術的な分野で大きな影響を与えてくれたスタッフの表彰。

それらの各部門で名前を呼ばれ、人によっては恥ずかしげに、人によっては誇らしげに前にでて表彰を受けている姿を見ると、やはりこうして仕事場において、仕事を認識され、そして認められているということを示す機会というのはやはりいいことなのだと思う。

というのも、シカゴの美術館のプロジェクトのワークショップのために、ローカル設計事務所として協同しているシカゴのVOA Associatesから二人の担当者が来ていたので、いい機会だとこの会にゲストとして参加してもらい、感想を聞いたら、「アメリカで同じ様に表彰などしたら、表彰されなかったスタッフから訴えられるから無理だよ」という言葉を聞かされたためである。

恐らく今の日本でも、ある企業においては同じような空気になってしまうことだと思う。認められなかった人間が、何かしらのクレームを言う姿が容易に想像つく。重要なのはなぜ彼らが認められ、どんな仕事内容が評価されたのか、それをしっかりと示すこと。それが彼らにとっても、そして他の人にとっても励みになること。そんなプラスの循環があることが仕事をする場として重要なのだと改めて思う一日になる。





2014年6月4日水曜日

ファイドン(Phaidon) Party


オシャレなモデル・ルームやカフェなどに行くと、大体ソファー・テーブルの上に置いてあるのが分厚いインテリアか建築の洋書。恐らくそのほとんどを出版しているのがイギリスの出版会社であるファイドン(Phaidon) 。

これだけ多くの建築家が一堂に集うベニス・ビエンナーレに合わせて様々なイベントが開催されるが、このファイドン(Phaidon)もまたイギリス館にてトーク・イベントを開催するのと同時に、様々なゲストを招待しオープニングの一日前にベニスの海に浮かんだ船の上でパーティーをするという。

我々MAD Architectsも招待されたので各国パヴィリオンを見て回った後に会場近くの船を目指してとぼとぼ歩いていると、横にあるいているのは藤本壮介さん。同じくファイドンのパーティーに行くというので話しながら船にむかうことにする。

ポツポツ振り出した雨を避けるかのように、徐々にゲストも集まりだしてきているようで、担当者と挨拶をして如何にも上質と思われるシャンパンをいただきながら周囲を見てみると、ローマに現代美術館を設計したフランスのオディル・デック(Odile Decq)の姿を見つける。パートナーのマーとも既に既知の仲のようで、彼女の知り合いの建築家がマーがアメリカでアイゼンマンの事務所でインターンをしていた時の直属の上司だったらしく、話が盛り上がっている様子。

前回ビエンナーレに参加したときのメイン・キュレーターであったアーロン・ベッキー(Aaron Betsky)の姿も見つけ、久しぶりに挨拶をしているところ、藤元さんと一緒にファイドン(Phaidon)のカメラに納まることに。


藤本さんから貴重な話を聞くことができたのも楽しかったが、周囲から話しかけられる度に温和に耳を傾けながら、広がる話をしっかり受け止めている姿を見ると、こうして一人で色々なイベントに足を運び、様々な人に会い、チャンスを広げていきながら、しっかりと設計も進めていくのは相当に大変なことに違いないのに、それを一切見せずに飄々としている姿が何よりも印象的に感じながら、次の場所へ向かう為にパーティーを後にすることにする。










2014年1月24日金曜日

MAD Gold Party

年末と言う事でオフィスを開放してパーティーを開催する。

昔から青や緑など、色をテーマにしたパーティーをしてきたが、今年は縁起も良さげなということで今回のドレスコードは「GOLD」。数日前から妻は「何を金色で着けていこうか?」となにやら嬉しそうに悩んでいる様子。

かつては毎年やっていたが、最近は行う事が少なくなっていたので、久々に派手にやろうということで、建築関係に関わらず、関係会社やスタッフの家族なども誘い、プロのDJに音楽を流してもらって、業者に入ってもらって飾りつけなど、かなり本格的な準備が進んでいく。

金色のカーテンや風船がかけられて、普段は図面や本で散乱しているテーブルには綺麗に模型がレイアウトされ展覧会のような雰囲気に。徐々にパーティー会場へと変貌していく様子を眺めていると、これだけの規模の事を日本でやるためには、一体どれだけの会社規模にならないといけないのだろうと、想像せずにいられない。

夜の19時にパーティーは開始と言っても、そんな時間にやってくるのは、関係者か相当真面目な人。オフィスメンバーの家族などと話をしながら待っていると、22時近くなって徐々に人が集まってくる。

音楽も大きくなり、オフィスマネージャーをやってくれている女の子と旦那さんが率いているというサンババンドの生演奏で会場は一気に盛り上がり、作ったけども着る機会がないと嘆いていたチャイナドレスの袖を躍らせながらステップを踏んでいる。

GMPなど北京にある外国建築事務所に勤める友人なども大挙してやってきてくれて、皆それぞれに楽しんでいる様子。スタッフもインターンも普段の表情とは違って思いっきり若さを発揮して楽しんでいるようである。

大音量に耐えられず逃げるように自分のデスクに戻って来て、気の置けない友人とその中の一人の恋愛事情にあーだこーだと結論の出ない会話に華を咲かせ、すっかり酔っ払い、オフィスだというのに勝手にタバコを吸出すその友人を置いて、一向に終わる気配の見えない会場を逃げ出し家路につくことにする。












2014年1月23日木曜日

MAD Annual Dinner (年会)

完全なる年末である。

中華新年が一年の中で最大の行事となる中国では、この1週間から人によっては一ヶ月の休みを取る長期休暇に合わせて物事が進んでいく。もちろん多くの中国人が実家のある地方に帰っていく。そして多くの会社では日本でいう忘年会にあたる年会(niánhuì)が行われる。

今年はどんなパーティーにするかでしばらく揉めていたが、数日前にオフィスのマネージャーからすべてのスタッフに、「星座ごとにチームを分けて、それぞれ何かしらのパフォーマンスをすること」という通知が送られる。そんな訳で、香港人のシニア・デザイナーと中国人のアソシエイツと3人の蟹座チームで数日前からあれやこれやと頭を抱える事になる。

まったく演目を考えようとしない二人に頼るのを諦めて、妻にも協力してもらい色々と宴会芸のサイトを調べ、こちらで調達できる道具でできるかどうかを考えて、なんとか演目を決めて、二人と一緒にランチの度に練習をする。

「こういう時にこそ本当の性格と言うのは出るものだな・・・」と少々覚めた目で見ながら、一人で楽しみすぐに脱線する香港人を嗜めながらなんとか決め事を決定する。

そんな感じなのでオフィス全体がソワソワし、なかなかプロジェクトの進行も難しくなる年末。昨年と違って今年は誰も配偶者を連れてこないと言うので、妻には家で留守番をしてもらい、外国人にも人気だという四川料理の会場へ。

総勢60名近いディナーとなり、ちゃんと正装をした司会が英語と中国語で会を進めていく。最初に3名のパートナーからということで、「今年度に特に目立った功績を残したスタッフ」ということで、二人に商品としてアイパッドが送られ、そこからは各スタッフの名前が書かれたくじを引いて3等から徐々に高価になっていく景品を渡すのと、オフィスで行ったアンケートの結果発表を交互に行いながら食事を進める。

オフィスで配られたアンケート用紙には、「誰が一番うるさいスタッフか?」や「誰が一番セクシーか?」などという質問から、「誰が最も優秀なインターンになりうるか?」という質問など。

それぞれの質問でそれなりに盛り上がり、自分もかなりの高得票で「最も優秀なインターン」賞をもらうことになる。

日本の様にきっちりと会が進む訳でもないので、それぞれが勝手に食事を楽しみ、お酒を飲んで、ふんわりと会が進んでいきながら、後半のパフォーマンスへ。

「良く皆、こんな短い時間で準備したな・・・」と思うほどのクオリティーのチームもあれば、チーム内でのコミュニケーションがうまく取れなかったんだなと思えるチームなどそれぞれ。ダンスを踊ったり、寸劇をしたりとチームによっては昨晩ほぼ徹夜で準備に追われたところもあるという。

最後から二番目に登場した我がチームは、緊張のせいか、会場が暗かったせいか、あれだけ練習した3名でのジャグリングがまったくうまくいかず、とぼとぼと肩を落とすことになった。

それにしても商品やパネル、進行から演目まで、とてもじゃないが個人でできる規模ではなく、こうして組織になってきたんだと改めて実感する。

しかしスタッフもインターンも皆とても楽しそうにしているのを見ると、また一年が終わったんだなとなんとも言えない思いに駆られ、23時近くに終わった会から逃げるように外に出ると、一番に失敗した香港人が悠々と先に帰っていくのでジャグリングのボールを後ろから投げつけて家路につくことにする。








2013年9月19日木曜日

中秋節

中秋の名月に当たる中秋節は、中国では家族が集う大切な節句の一つ。9月20日は家族で集まり、夜には月餅(げつぺい)を食べることで有名。そんな大切な節句なので、通常は週末も関係なく動いている事務所も基本的に3日は休みということで、その前日の夜はオフィス・パーティーを開く事に。

「一体世界中に、事務所の中に火鍋を並べ、かつてのスタッフも誘い60人もの人数でこの節句を祝う建築事務所があるのだろうか・・・」

と思いながらも、火鍋ケータリングでモクモクといかにも辛そうな湯気がオフィスの中に立ち込めながら、懐かしい顔もやってきて皆で好き好きに鍋をつつく。ビールにワインに、お決まりの白酒と、気がつくころには何年ぶりかの悪酔い。

そのまま皆はカラオケに流れるようだが、自分の移ろいやすい音程の為に綺麗に顔を出した満月が隠れてしまっては申し訳ないと呂律の回らない言い訳をし家で待つ妻のもとへと帰ることにする。

帰り道、中秋節ぴったしに満月となった月をフラフラしながら眺めながら、太陰暦だからぴったりなのは当たり前か・・・と古代の人の知恵に感心しながら更にフラフラしながら、自転車をこぎ進める。









2013年6月1日土曜日

メルボルン Melbourne Day 3


昨日のうちに、以前から予定に組み込まれていた今日の夕方のパネル・ディスカッションは「パネラーが壇上でディスカッションをして、会場から募集した質問などを纏めてスピーカーに少しだけ振るくらいだから」と聞いていたので、すっかり解放感に包まれながら良い目覚めをすることができた。

昨日は味わうこともままならなかった朝食も、このイベントに向けて仕上ていたダイエットも一段落ということもあり、たらふく平らげ、たまたま横の席に腰掛けたジョージに「頑張ってね」と声をかけてコーヒーを味わう。何とも味わい深い。

といってもイベントは朝9時から始まり、見たかったキャサリン(Kathrin Aste)のレクチャーがあるので急いで会場に。スピーカーが集まっている前列周辺に席を取り、Landhausplatzなどランドスケープから良質な都市空間を作り出す彼女達の作品をプレゼンに耳を傾ける。 


次のセッションは、アメリカからバージニア(Virginia San Fratello)。彼女はRael San Fratelloの主宰者であり、3Dプリンターの素材のパウダーに繊維を混ぜてコンクリート以上の強度を持つ素材を作り出したりと、アドバンス・テクノロジーを使いながら、マテリアルの新しい可能性を試みている建築家。

次はフィリップ・ラーム(Philippe Rahm)。フランスのRahm Architectesの主宰者でバリバリの環境建築の一人者。風、光、気温、湿度など人が快適と感じる目に見えない要素を設計対象としてプロジェクトを進める建築家。

午後のセッションは昨晩のディナーで向かいになって、いろいろとオーストラリア建築業界の話を教えてくれたティム(Tim Greer)。シドニーでTonkin Zulaikha Greerを主宰する一人。如何にも世話好きな人のよいおじさんという感じで、「シドニーに行くなら知り合いの若い建築家にぜひ会ってくれ」と紹介してくれる。プロジェクトも一つの場所で長く建築に向き合っている姿勢が感じられる非常に良質のプロジェクトばかり。

続いては、ジョージ(Jorge Otero-Pailos)。コロンビア大学で建築を教えながら、建築とアートの曖昧な作品を作り続けている建築家。レクチャーは「ダークマター」と銘打って、大気汚染など目に見えないが建築を風化させる物質もまたマテリアルではないかと話を進め、フィリップ・ジョンソンの「ガラスの家」に漂っていた違う年代の臭いを香水にしたりというプロジェクトを紹介するが、「やはり頭のいい人は面白いな」と思いながらも少々の悔しさを感じる素晴らしいプレゼンテーション。

ここまでくると既に脳はクタクタだが、次が最後のセッションだと気合を入れる。

最後はマティアス(Matthias Kohler)。スイスの名門ETHの建築学部の学長を務め、Matthias Kohlerの協同主宰者でもある。ロボットを使ったデジタル・ファブリケーションの第一人者で2008年ベニス・建築ビエンナーレのスイス館のプロジェクトなど、ロボットとアルゴリズムを使っての建築の可能性を追求している相当面白い人。

やっと終わったと思っていたら、スピーカー全員が壇上に呼ばれ、4人のパネラーと一緒にテキーラを一杯飲まされ始まるパネル・ディスカッション。ナダー(Nader Tehrani)が統括しながら、今回のテーマ「マテリアル」という観点から話をし、かくスピーカーに話を質問を降ろうとするのだが、最悪なことにほとんど質問の内容が分からないまま一番はじめに質問を投げかけられるアンラッキー・・・

「参ったな・・・」と思いながら、自分なりの言葉を捜しつつ、なぜこれだけ世界の様々な場所で、このような色々な建築家がそれぞれに「マテリアル」の新しい可能性を見つけようとしているのか?それは皆が無意識のうちに、この数十年で建築分野の中で巨大な力を持つ「環境」という建築すら飲み込み国境すら越えていく大きな概念によって、新たなる建築と環境との関係性に目をむけ、それがその境界線を定義する「マテリアル」へと辿り着いているのでは?などと意見を述べていく。

一度答えておけば、もう質問は来ないだろうとタカをくくり他のスピーカーの質疑応答に耳を傾けるが、ネイティブでも理解するのに相当苦労するのでは?と思われるような英語の言い回しに、母国語でない人にとってはハンデが大きすぎるのでは・・・と思いながらもなんとかパネル・ディスカッションを終了する。少なからずの敗北感を感じながらもとりあえず無事にイベントを終了できてほっとする。

最後は「Closing Party」ということで、会場近くのバーで出席者や聴衆も含めて一緒にお酒を飲みながら、最後の交流を楽しむことにする。ティムに紹介してもらったシドニー在住の若手建築家と明日シドニーのオペラハウスの前での再会を約束し、自由時間が無かったためにほとんど見ることができなかったメルボルンの街並みを少しでもということで、妻と二人でこっそりパーティー会場を抜け出して、夜のメルボルンを散策する。