2016年4月20日水曜日
2016年2月16日火曜日
岐阜市市民会館 坂倉準三 1967 ★★
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所在地 岐阜県岐阜市美江寺町2
設計 坂倉準三
竣工 1967
機能 文化普及支援施設
規模 地下1階、地上4階
建築面積 3,148m²
延床面積 8,265m²
構造 RC造一部S造
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1968年BCS賞
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南宮大社から国道21号線を東に向かい、まだランチ営業をしてそうなうどん屋を見つけ飛び込むと、ギリギリオーダーを受け付けてくれるという。暖かいうどんでお腹を満たし、少しピリピリ感の薄れたのを感じながら向かった先は岐阜市の中心に位置するいくつかの建築群。
今回の岐阜行きのメインの目的地「みんなの森 ぎふメディアコスモス」に到着し、中に入るカフェで落ち着いている両親と妻を残し、一人向かうのは斜向かいの「岐阜市市民会館」。午前中に立ち寄った羽鳥市庁舎同様、坂倉準三の手による設計である。
1937年 パリ万博日本館 (36歳,現存せず)
1941年 飯箸邸 (40歳,現・ドメイヌ・ドゥ・ミクニ、Docomomo Japan)
1949年 大阪スタヂアム (48歳,現存せず)
1951年 神奈川県立近代美術館 鎌倉館本館 (50歳,Docomomo Japan)
東京日仏学院 (50歳,現・アンスティチュ・フランセ東京)
1953年 岡本太郎邸 (52歳,現・岡本太郎記念館)
1955年 国際文化会館 (54歳,前川國男・吉村順三と共同設計,日本建築学会賞,Docomomo Japan選定)
1959年 羽島市庁舎 (58歳,日本建築学会賞,Docomomo Japan)
シルクセンター国際貿易観光会館 (54歳,BCS賞)
1962年 呉市庁舎・呉市民会館 (61歳,現存せず)
1963年 羽島市勤労青少年ホーム (62歳)
佐賀県体育館 (62歳,現・市村記念体育館)
1964年 上野市庁舎 (63歳,現・伊賀市庁舎、南庁舎のみ現存)
芦屋市民センター 市民会館本館 (63歳)
ホテル三愛 (63歳,現・札幌パークホテル)
1966年 神奈川県立近代美術館鎌倉館新館 (65歳)
神奈川県庁新庁舎 (65歳,BCS賞)
新宿駅西口広場 (65歳,日本建築学会賞,Docomomo Japan)
名古屋近鉄ビル (65歳)
1967年 小田急電鉄新宿駅西口本屋ビル (66歳,現・小田急百貨店本店)
岐阜市民会館 (66歳,BCS賞)
山口県立山口博物館 (66歳)
1968年 羽島市民会館 (67歳)
1969年 芦屋市民センター 市民会館ルナ・ホール
1969年 心筋梗塞のため68歳で没
1970年 大阪万国博覧会電力館 (現存せず)
奈良近鉄ビル
1971年 宮崎県総合博物館
年表を見ると、羽鳥市庁舎からおよそ10年近くたってのこの岐阜市市民会館。その間に日本全国の様々な市庁舎や文化施設を手がけて、満を持しての岐阜でのプロジェクト。水平性を強調するように張り出した二階部分のボリュームに、円錐形をした大ホールが突き刺さる明快な構成をとっている。
こちらのホームページで各図面を見ることができるが円形が見事にホールとして使われているのが見て取れる。
円形のホールというのは音響的に決して好まれる形状ではないはずであるが、「音響家が選ぶ優良ホール100選」にも選ばれているというので、様々な手を使って音響効果を改善したのだろうと想像する。
敷地の制限で前面道路との距離がかなり近いことに加えて、恐らく竣工以降に設置されたのであろう前面道路の歩道橋が、道路境界と建物までの空間を狭くしてしまっているのが残念である。またところどころに見える耐震ブレースが、1981年に改正された耐震基準以前に設計された建物だということ、またそれだけ長く使われ続けている建物だということを強く伝えているようである。
2016年2月7日日曜日
アマン東京(Aman Tokyo,大手町タワー) ケリー・ヒル,大成建設 2014 ★★★★★
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所在地 東京都千代田区大手町
設計 大成建設
竣工 2014
機能 オフィス、ホテル、商業施設
規模 地下6階,地上38階,塔屋3階(大手町タワー)
建築面積 5,880m2
延床面積 198,390m2(大手町タワー) 21,599m2(アマン東京)
構造 地下:RC造,一部SRC造,地上:S造
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最近オフィス内で特に参照する機会が多いこのプロジェクト。オープンしたての昨年も足を運んだが、やはり上層階に位置するロビーの空間は、まさに東京のクオリティを濃縮したかの様な空間で、素材、照明、音響にサービスと、目に見えるところ以外の全ての面に快適さが施された空間で、設計に携わるものとして多くのことを学び、そして日常の設計にフィードバックできる場所である。世界中で展開する高級ホテルグループの「アマン」。とてもじゃないが宿泊できるような身分ではないが、「ロビーで軽い食事くらいなら・・・」と、妻と一緒に買い物がてらに寄っていくことに。東京駅から程近い場所に新しく建設された大手町タワーの一角に入っているのだが、徒歩にてアクセスするとなかなか入り口が分かりずらい。恐らく歩いてくるような客はいないのだろうと、勝手にハードルを上げていく。
非常にミニマルな一階部分のロビーをとおり、エレベーターで上層階のメインロビースペースへ。そこには数階分吹き抜けたアトリウムが広がっており、その内側はまるでランタンの様に表面に和紙をはったガラススクリーンで構成されており、しかも内部に照明を設置しシームレスな不思議な光を放っており、それは2005年にロンドンのテート・モダンで行われたオラファー・エリアソン(Olafur Eliasson)のインスタレーションである「ウェザー・プロジェクト」を思い出させる。
Olafur Eliasson the Weather Project_ about the installation _ Tate
夜景を眺めることができる窓際のバーカウンターは座った際に客の目線とバー内部のスタッフの目線が合うように、そして客からの視線をできるだけ妨げないようにと、客席側が数段あげられて設計されており。そのために、アトリウムの中心部分から窓際に向かいには数段の階段を上がって、まるでキャットウォークの様に空間を横切る通路を通ってアクセスすることになる。こうした細かい気配りが設計に反映され、かつそれぞれに特徴のある空間を創り出している。
これだけ広く高く、そして石などの硬い素材をふんだんに使っているにも関わらず、向こうの席で話している客の話し声が気になるなどのことは発生せず、恐らく音響設計もコンサルタントが早い段階から入って吸音材ややわらかい素材などのバランスがしっかりと意図され設計されているのだろうと想像する。
水盤の高さ、その上に置かれた生け花の高さ、間接照明の配置、ソファーのレイアウト、何をとっても「うーむ」とうなるものばかり。いつかはぜひ客室にも宿泊して至極の空間を堪能してみたいものだと思いながら、家路へと向かうことにする。
2015年10月7日水曜日
コンサート 「ハンヌ・リントゥ指揮シベリウス生誕150年記念」 すみだトリフォニーホール 2015 ★★★
ハンヌ・リントゥ(Hannu Lintu)
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前半
交響曲第3番 ハ長調 Op. 52 (Symphonie Nr 3)
交響曲第4番 イ短調 Op. 63 (Symphonie Nr 4)
後半
交響曲第2番 ニ長調 Op. 43 (Symphonie Nr 2)
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音響設計の豊田さんに誘っていただき、すみだトリフォニーホールにて行われるコンサートに妻とそろって足を運ぶ。
今年はフィンランド出身の作曲家であるジャン・シベリウス(Jean Sibelius)の生誕150周年ということで、同じくフィンランド出身の指揮者であるハンヌ・リントゥ(Hannu Lintu)を招待して、シベリウスの作品を演奏するというもの。その初日に当たる今夜はリントゥが新日本フィルハーモニーを指揮するもの。
豊田さんのご友人の音楽通のご夫婦ともご一緒させていただき、「今夜はアルファ波にやられて寝てしまわないように気をつけよう・・・」と意識を集中して聞き入っていると、その名は良く聞いていたが、しっかりと曲を聴いていたなっただけで、「あれ、この曲知ってるな」というメロディが多く演奏され、非常に迫力のある前半。
幕間に豊田さんにつれていただき、ホール内のあちらこちらの席にいき、それぞれの場所での音響の効果とその原因、そして舞台への視線の状況など、設計に関わった、そしてその後も長い年月このホールに関わってきたプロフェッショナルの経験と言葉によって、非常に濃密な知識を教えていただいた。
演奏終了後、「挨拶に行きましょう」という豊田さんに連れられて、バックステージの指揮者の部屋へと伺い、昨日も一緒にお寿司を食べていたというリントゥに早速今日の演奏の感想を伝えている豊田さんの姿に、世界の一線で活躍し続ける理由を垣間見た気がする。
現在手がけているコンサート・ホールの話をし、いつかそこで演奏をしてもらい、それを鑑賞するのを楽しみにしていると挨拶をして、ホールを後にし、5人そろって近くの居酒屋へと場所を移し、これもコンサートに足を運ぶ大きな楽しみの一つである、時間を共有した人との感想の言い合いに花を咲かせながら、おいしいお酒を酌み交わすことにする。
ジャン・シベリウス(Jean Sibelius)
すみだトリフォニーホール 日建設計 1997 ★★
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所在地 東京都墨田区錦糸1-2-3
設計 日建設計
音響設計 永田音響設計
竣工 1997
機能 コンサートホール(大ホール:1,801席、小ホール:252席)
規模 地上9階・地下3階
敷地面積 18100 平方メートル
建築面積 3600 平方メートル
延床面積 20066 平方メートル
構造 SRC造(一部S造)
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コンサートホールを理解するにはやはりその場にて実際にコンサートを聴いて、音の聞こえ方を身体にて理解すること、そしてその体験を積み重ね、いろんなコンサートホールにて比較すること。それが身体の中に滓が溜まるかのように蓄積していく先に、身体の一部として熟成された経験というものが設計の下地となる。
そういう訳で今回の視察の目的地の一つであるのがこの「すみだトリフォニーホール」。錦糸町の駅から西に歩くとすぐにエレベーターに導かれた2階部分へあがるとそこがホールのエントランスとなっている。
駅近くの密集地で、しかも東西に長い敷地という条件の下、搬入口と公共エントランスを上下にて分かちつつ、どうしても奥行きを持ってしまうコンサート・ホールという平面計画の性質とどうすれば一番合理的な動線計画になるだろうかと苦悩した後が見受けられる。
その結果、公共エントランスをホールに対して正面からではなく、横からというかなりイレギュラーな方式を採用することによって、その他の様々な点がより合理的に解けたのだろうと推測する。
コンサート・ホールにとって重要な要素の一つはやはりその音響。その音響にとって天敵となるのは、外部からの騒音と振動。その観点から見るとこのすみだは横にJRの線路が走り、世界でもおそらく上位に入るであろう頻度で電車が行き来するコンサート・ホールとしては最悪の場所が敷地として選ばれている。
数分ごとに訪れる騒音と振動の波。それからホールをどう隔絶させるか?それでいながら、地上面から訪れる2000人に近い人々の波をどうスムーズにロビーからホールへと流すか。そしてオーケストラや様々な楽器が運び込まれる搬入口からバック・ステージの空間と動線をこの細長い敷地にてどう処理するか。そして、この細長い敷地においてほかにはそれほど選択肢が無く選ばれたであろうシュー・ボックス型のホール配置において、如何に各席の音響と舞台への視線を確保していくか。
そんな設計に関わった多くの人たちの苦難がひしひしと見て取れるホール。特に2階のサイドのテラス席にその陰が色濃く落ちているようである。
特徴的な細長いエントランスで友人を待っていたり、関係者と挨拶を交わす人々の姿を見ていると、もうすぐ20周年を迎えるこのホールも、しっかりとこの地で東京の音楽文化を支える一つの場として、すっかり人々に受け入れられており、使われ続けているのだとコンサート・ホールの作られた「その後」の姿に思いを馳せて建物を後にする。
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