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2014年2月5日水曜日

黄泉比良坂(よもつひらさか) 不詳 ★★★


揖夜神社から車で走るとすぐに右側への案内板が見えるので、それに誘われるように進んでいくと、狭いくねるような山道を上がっていく。雪が残る道なので変なところに入り込まなければと心配しながら進んでいくと暫く上がったところにポッと空間が開ける。どうやらここが目的地のようである。

黄泉比良坂(よもつひらさか)

と言われても、ピンと来ない人がほとんどだと思うが、「黄泉の国」と言われたら、「あの世」のこと、つまり日本神話における「死者の国」をさすことは知っているはず。そしてその「黄泉の国」に関する下記の神話も聞いたことがある人がほとんどではないだろうか。

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男神・伊弉諾(イザナギ)は亡くなった最愛の妻・伊弉冉(イザナミ)に逢いたくて跡を追い、死者の国である黄泉に行く。伊弉諾(イザナギ)が妻を呼ぶと、「わたしも帰りたいと思います。黄泉の国の神に相談しますので、その間は決してわたしの姿を見ないでください」と言って、消えてしまう。

伊弉諾(イザナギ)は待てども返事がないので、しびれを切らして辺りを見てしまった。そこには体にウジ虫がわき、ふた目と見られぬ妻・伊弉冉(イザナミ)の姿があった。

「あなたは、わたしに恥をかかせましたね」と怒った伊弉冉(イザナミ)。

恐ろしくなって逃げる伊弉諾(イザナギ)を伊弉冉(イザナミ)が追いかけてきた。そこで、伊弉諾(イザナギ)黄泉比良坂にあった大きな岩で道をふさいでしまう。
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そう、ここで登場するのが「黄泉の国」から現世に通じる坂、黄泉比良坂(よもつひらさか)。その石で塞がれた「黄泉の国」への入り口があるとされるのがこの場所である。

車を停めると、右手に少し坂になっているので上がっていくと、左手に折れて細い橋のような道を進むのだが、その右手には怪しく濁る池。その橋を渡りきると今度は左に折れて目の前には2本の石柱に細い注連縄。ここに結界があることを強く示している。その先の茂みの置くには大きな岩が置かれている。

周囲に残る雪がここでは茂みに覆われた土が露になっているのもなんだか意味深な気がしてくるから不思議である。神話の続きは以下の様になっている。

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黄泉の国から戻った伊弉諾(イザナギ)は、穢れを落とすために泉で禊ぎをする。その時、その左目から生まれた神が天照大神(あまてらすおおみのかみ)、右目から生まれたのが月読命(つくよみのみこと)、鼻から生まれたのが須佐之男命(すさのおのみこと)となる。
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つまりはこの黄泉比良坂は神話のルーツとも言える場所である訳である。そんな特別な場所にも関わらず、出雲大社などに比べ余りにも観光地化されていないこの黄泉比良坂。「場所が場所なだけに観光地化するのもあれだが・・・」と思いながら厳粛な気持ちでこの地を後にする。





揖夜神社(いやじんじゃ) 不詳 ★★★



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所在地 島根県松江市東出雲町揖屋
主祭神 伊弉冉命
様式  大社造
社格  式内社、県社
創建  不詳
機能  寺社
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安来市から暫く離れ、空模様も少し晴れ間が見えるようになり、周辺の風景も厳しい日本海側のものから穏やかな山間の集落のものに変わってきた頃到着したのが、この揖夜神社(いやじんじゃ)。

田園の中を走る山陰本線を渡り市街地に入り込んだ辺りにぽっこり広がる鎮守の森。それを目指して車を走らせる。狭い道沿いの数台分の駐車場に車を入れて、横から鳥居をくぐって境内へ。

今回ぐるりと回ってきた意宇六社もやっとこの揖夜神社で最後の一つ。復習になるが意宇六社といのは、出雲国にあった群である意宇郡(おうぐん)の中でも重要な6社を指し、この地では「六社さん」と呼ばれ、「六社参り」という行事が行われているという。

その6社は下記の通り

熊野大社(松江市八雲町)
真名井神社(松江市山代町)
揖夜神社(松江市東出雲町)
六所神社(松江市大草町)
八重垣神社(松江市佐草町)
神魂神社(松江市大庭町)

それは同時に出雲エリアに戻ってきた事でもあり、またこの巡礼が一つの環を完成させたことでもあることに少なくない感慨を感じながら参拝に進む。

まだまだ雪が降る中の参拝なので、傘を挿しながら足元を気にして先に進む。しかしかなり背の高い木々に覆われている境内であり、少しづつ太陽に照らされて上に残った雪が溶かされて時々「ドサッ」と大量の雪が落ちてくるので木の近くはかなり危険である。

境内右にかなり霊感の高そうな神木が立っており、その向かいに拝殿が控える形。そしてその後ろに地形にそって階段であげられた中門があり、その後ろに本殿が聳えている配置である。

拝殿の太い注連縄を見て、「出雲エリアに戻ってきたな」と感じてよく見てみると、拝殿の中に鏡が祀られている。「これは自分の姿を映していいものなのかどうか?」と心配になりながら参拝をし、拝殿右側から奥の本殿に近づこうとすると、油断していると上空から「ドサッ」と雪にやられる為に、逃げるように境内に戻って来る。

社務所で話を聞くと、「よくお参りくださいました」と気持ちのいい挨拶をしてくださり、「鏡については、珍しいですけど、ここの神主の意向で皆さんにも見ていただきたいということで外に祀ってあるのです」と説明してくれる。

話を聞いていると、やはりこの地は「古事記」や「風土記」の流れのようで、話の中でも何度もその名が使われる様子を聞きながら、一度しっかり読んでみることを決心する。この次に立ち寄る予定の黄泉比良坂(よもつひらさか) への行き方を聞き、心地よい参拝を終えることにする。