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2017年11月28日火曜日

「スタンフォード式 最高の睡眠」 西野精治 2017 ★


師走の足音が聞こえてくると、毎年の様に今年の「流行語大賞」の話題が街を駆け抜ける。そのノミネートの中の「睡眠負債」は2017年によく耳にした新語であり、特にNHKの力の入れ様は凄まじかった。


これは長年「睡眠」を研究しているアメリカのスタンフォード大学の研究者が提唱したもので、長年に渡る睡眠不足は花粉症の様に、徐々に身体に蓄積され、後に心身ともに大きな悪影響を及ぼすというもの。

新聞広告でも大きく取り上げられ、書店でも平済みされているこの著書はどうやらかなりの売れ行きの様子で、「一生付き合うものならば、この年代で見直すもの悪くないか・・・」と手に取った一冊。

テロップだらけになったテレビ番組の様に、懇切丁寧に各ページのキーポイントはボールド体のフォントに線まで引いてあるので、まず著者の意図を読み違えることは無さそうであるが、なかなか決定的なポイントがでてこなく、じりじりしながら読み進めることになる。

最終的にはこれといって目から鱗の様なことはないのであるが、大切なのは人生の中で多くの時間を費やす「睡眠」に改めて意識を払って日常を過ごすようになるということが重要なのだろうと、いつもどおりの就寝時間を目指して夜の時間を過ごすことにする。

西野精治

2017年11月22日水曜日

「パンダ通」 黒柳徹子 岩合光昭 2007 ★


シャンシャンの誕生と成長過程に日本中がメロメロにされた2017年。かの国のパンダ外交に翻弄されていると分かりつつも、間違いなくこの世界に存在する生物の中で、最も愛くるしいのはパンダだと再確認させられるその絶妙なボディーバランス。体長を測ろうと鼻にメジャーを当てられてる姿などは、恐らく何時間でも観ていられること間違いなし。

そのソワソワ感をどうにかしようと、本棚の奥にあったパンダ第一人者の徹子さんの本へ手を伸ばす。パンダの映像を観ているときに感じるなんともいえぬ幸福感。この人はずっとこの幸福感に浸りながら時間を過ごしているのだろうなと感じるばかりの内容であるが、来年こそは念願の四川のパンダ園でコロコロした赤ちゃんパンダを実際に観ようと心に決めることになる。



2017年10月26日木曜日

「ザ・サークル」 ジェームズ・ポンソルト 2017 ★

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スタッフ 監督: ジェームズ・ポンソルト 
原題: The Circle 
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スタッフ メイ・ホランド : エマ・ワトソン 
イーモン・ベイリー : トム・ハンクス 
タイ・ラフィート: ジョン・ボヤーガ 
マーサー:  エラー・コルトレーン 
アニー・アラートン:  カレン・ギラン   
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フェイスブック、ツイッター、インスタグラム・・・

次から次へと生み出される様々なSNS。テクノロジーは我々の生活の効率を高める手助けになるはずが、いつの間にか「SNS疲れ」が叫ばれる程に逆にそのテクノロジーに追われるかのように時間を過ごすようになった現代社会。SNSと上手く距離をとりながら、仕事やプライベートを充実させるために使える人はいいが、そうでなければ自分の誰かを比べストレスを感じ、ネットの先の不特定多数に認められるために自分を演じ、いつの間にかSNSに怯えながらも、それでもやめることができず時間を過ごす人は一体どれほどいるのだろうか。

誰もが発信者になり、誰ともコミュニケーションが取れる燦燦と光が差すような時代の、強い光だからこそ生まれる濃い影。テレビ東京の経済番組では勇ましいナレーションと共に紹介される現在の様子かと思ってしまうほど、手を伸ばせばすぐそこにある遠くない未来を描いたかの様な作品。

カジュアルで効率的で、開かれた社会と世界と人々の為になるイノベーションを追い求める若いテック企業。世界中の誰でも想像できるような企業のことを描いているのかと勘違いしてしまいそうなほど、この映画で描かれる企業の働き方、組織のあり方はインターネットによって生み出された様々なネット巨人の姿が頭に浮かぶ。

プライベートとネットの境目が無くなり、同じサービスでオンタイムで繋がった会員のカメラが全世界を覆う監視社会になり、警察がその行方をつかむことのできなかった犯罪者をほんの数十秒で追い詰めるのは、どこかのテレビ番組か、それともある種の宗教儀式かと思わされる。

この映画が公開されるころには、テック業界では遥か先に進んでいて、ここで描かれる問題はとっくに昔に解決済み課題となるくらいのスピード感で世界は進んでいくのだろうが、かつて毎年でる新しい家電やパソコンに終われたように、今は毎月現れる新しいSNSやアプリに追われるのでは、数年後は数週間で生活が変わるのかとぐったりする気持ちになりながら、自分の中でぶれないものをしっかりもって生きるのが唯一の舵取りなのかと自らの日常を振り返ることにする。

























2017年10月20日金曜日

オペラ 「エフゲニー・オネーギン (Eugene Onegin)」 Wuzhen Operahouse 2017 ★


烏鎮演劇祭(乌镇戏剧节,Wuzhen Theatre Festival)の目玉公演として、主催者側から「ぜひ観ていってください」とチケットを用意してもらったため、夜のオペラハウスへ足を運ぶことに。

「どこかで聞いたことのある題目だな・・・」と思っていたが、やはりかつて北京で観たことがあるロシアオペラ。ロシアの作家、アレクサンドル・プーシキン(Alexander Pushkin)の原作で、プロダクションはモスクワに拠点を置くヴァフタンゴフ劇場(The Vakhtangov Theatre)。演出を手がけたのはリトアニア出身の演出家リマス・ トゥミナス(Rimas Tuminas)。

19;30の開演に合わせて、ほぼ満席となって観客のそのほとんどは20代前半だろうと思われる若者ばかり。この烏鎮でロシアオペラにこれだけの若者が観に来るとは・・・と少々驚きつつも、3時間半に渡る長編オペラのために、アルファ波に誘われるようにしてチャイコフスキーの音楽に身をあずける事にする。












烏鎮南区(乌镇南栅,Wuzhen Nanzha,ナンジャー) ★


イベント終了後、まだ日が高いからということで、よりローカルの雰囲気が残っているという南区もせっかくだから足を運んでみようということで、朝歩いた道を再度いくことに。

付き添いの子は、「南区はそんなに見るものないですよ・・・」とあまり乗り気ではない様子で有るが、せっかくだからと場所を聞くと、南といってもほとんど西と東の間に位置する小さなエリアをそう呼ぶという。

実際、街一番の川沿いに小さな通りが走っていて、そこがちょっとした目抜き通りになっており、確かにこれといって何か観光地化されている訳でもなく、ただただ地元住民の普通の生活の様子が見て取れる。

少し奥に入っていってみると、公営住宅のような建物が何棟も同時に建設されており、その奥には「拆」の字が壁に書かれて、激しく解体されたいくつもの建物の姿が。北京ではすっかりみることのなくなった「拆」と、まるで巨大なハリケーンでも通り抜けたかのように跡形も無く壊されているエリアの姿と、そのすぐ後ろに位置する歴史地区として保存される街並みとの対比に、この街の強い光と影を感じつつ、ホテルのある西地区へと足を向けることにする。