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2013年6月29日土曜日

2013 National Conference – Material


先日参加したオーストラリア、メルボルンでのカンファレンスの様子が記事になってまとめられている。

2013 National Conference – Material

各スピーカーについて、結構長くコメントがしてあるので、カンファレンスを振り返るのになかなか便利であり、改めてほかっておいても多様に向かう世界の面白さに思いを馳せる。

2013年6月1日土曜日

メルボルン Melbourne Day 3


昨日のうちに、以前から予定に組み込まれていた今日の夕方のパネル・ディスカッションは「パネラーが壇上でディスカッションをして、会場から募集した質問などを纏めてスピーカーに少しだけ振るくらいだから」と聞いていたので、すっかり解放感に包まれながら良い目覚めをすることができた。

昨日は味わうこともままならなかった朝食も、このイベントに向けて仕上ていたダイエットも一段落ということもあり、たらふく平らげ、たまたま横の席に腰掛けたジョージに「頑張ってね」と声をかけてコーヒーを味わう。何とも味わい深い。

といってもイベントは朝9時から始まり、見たかったキャサリン(Kathrin Aste)のレクチャーがあるので急いで会場に。スピーカーが集まっている前列周辺に席を取り、Landhausplatzなどランドスケープから良質な都市空間を作り出す彼女達の作品をプレゼンに耳を傾ける。 


次のセッションは、アメリカからバージニア(Virginia San Fratello)。彼女はRael San Fratelloの主宰者であり、3Dプリンターの素材のパウダーに繊維を混ぜてコンクリート以上の強度を持つ素材を作り出したりと、アドバンス・テクノロジーを使いながら、マテリアルの新しい可能性を試みている建築家。

次はフィリップ・ラーム(Philippe Rahm)。フランスのRahm Architectesの主宰者でバリバリの環境建築の一人者。風、光、気温、湿度など人が快適と感じる目に見えない要素を設計対象としてプロジェクトを進める建築家。

午後のセッションは昨晩のディナーで向かいになって、いろいろとオーストラリア建築業界の話を教えてくれたティム(Tim Greer)。シドニーでTonkin Zulaikha Greerを主宰する一人。如何にも世話好きな人のよいおじさんという感じで、「シドニーに行くなら知り合いの若い建築家にぜひ会ってくれ」と紹介してくれる。プロジェクトも一つの場所で長く建築に向き合っている姿勢が感じられる非常に良質のプロジェクトばかり。

続いては、ジョージ(Jorge Otero-Pailos)。コロンビア大学で建築を教えながら、建築とアートの曖昧な作品を作り続けている建築家。レクチャーは「ダークマター」と銘打って、大気汚染など目に見えないが建築を風化させる物質もまたマテリアルではないかと話を進め、フィリップ・ジョンソンの「ガラスの家」に漂っていた違う年代の臭いを香水にしたりというプロジェクトを紹介するが、「やはり頭のいい人は面白いな」と思いながらも少々の悔しさを感じる素晴らしいプレゼンテーション。

ここまでくると既に脳はクタクタだが、次が最後のセッションだと気合を入れる。

最後はマティアス(Matthias Kohler)。スイスの名門ETHの建築学部の学長を務め、Matthias Kohlerの協同主宰者でもある。ロボットを使ったデジタル・ファブリケーションの第一人者で2008年ベニス・建築ビエンナーレのスイス館のプロジェクトなど、ロボットとアルゴリズムを使っての建築の可能性を追求している相当面白い人。

やっと終わったと思っていたら、スピーカー全員が壇上に呼ばれ、4人のパネラーと一緒にテキーラを一杯飲まされ始まるパネル・ディスカッション。ナダー(Nader Tehrani)が統括しながら、今回のテーマ「マテリアル」という観点から話をし、かくスピーカーに話を質問を降ろうとするのだが、最悪なことにほとんど質問の内容が分からないまま一番はじめに質問を投げかけられるアンラッキー・・・

「参ったな・・・」と思いながら、自分なりの言葉を捜しつつ、なぜこれだけ世界の様々な場所で、このような色々な建築家がそれぞれに「マテリアル」の新しい可能性を見つけようとしているのか?それは皆が無意識のうちに、この数十年で建築分野の中で巨大な力を持つ「環境」という建築すら飲み込み国境すら越えていく大きな概念によって、新たなる建築と環境との関係性に目をむけ、それがその境界線を定義する「マテリアル」へと辿り着いているのでは?などと意見を述べていく。

一度答えておけば、もう質問は来ないだろうとタカをくくり他のスピーカーの質疑応答に耳を傾けるが、ネイティブでも理解するのに相当苦労するのでは?と思われるような英語の言い回しに、母国語でない人にとってはハンデが大きすぎるのでは・・・と思いながらもなんとかパネル・ディスカッションを終了する。少なからずの敗北感を感じながらもとりあえず無事にイベントを終了できてほっとする。

最後は「Closing Party」ということで、会場近くのバーで出席者や聴衆も含めて一緒にお酒を飲みながら、最後の交流を楽しむことにする。ティムに紹介してもらったシドニー在住の若手建築家と明日シドニーのオペラハウスの前での再会を約束し、自由時間が無かったためにほとんど見ることができなかったメルボルンの街並みを少しでもということで、妻と二人でこっそりパーティー会場を抜け出して、夜のメルボルンを散策する。





















2013年5月31日金曜日

メルボルン Melbourne Day 2


朝一番のセッションでのレクチャーになるからとどうしても遅れることもできないし、できればその前に最終の確認もしたいしということで、朝食もそこそこに会場入り。

最終の調整で何枚か削除したプレゼン資料を担当者に渡して会場へ。好天に恵まれたこともあり、会場入り口は多くの人で埋められている。大ホールの一番後ろの席に座ってみるものの、どうにも周囲のせいで落ち着かないために、再度スピーカー控え室に戻ることにする。

会場では開会の挨拶などが行われているようだが、緊張を取り除くために廊下を歩きながら「ブツブツ」練習をしていると、担当者が「必要だったら静かな部屋を使ってください」と声をかけてくれるが、「歩きながらの方が良く考えられるから」と再度歩いてはブツブツを繰り返す。

そんなこんなをしていたらあっという間に時間が過ぎ、一緒のセッションでレクチャーをするスペインの建築家ホセ(Jose Selgas)と一緒に壇上にて流れの確認。どうにもマックで準備した彼のプレゼン資料がうまくいかないらしく、技術担当者とやり取りをしているので嫌な予感がしたが、主催者が駆け寄ってきて、「繰上げで最初にレクチャーしてくれないか?」と聞いてくる。

嫌なものから先に食べる性質なので、というわけではないが、どうせ緊張して時間を過ごすなら、さっさと終えて楽になってしまったほうがいいかということで、トップバッターで壇上へ。壇の上からは暗くて見えないかと思っていたが、比較的クリアに1200人の聴衆の姿が見えて、「ほぅ」と思いながら準備したプレゼンを開始する。

厳しいスケジュールなのできっちり40分以内で終えてくれ。と厳しく言われていたので、アイフォンで時間を計りながら、ポイントを明確に話していくと結構時間がなくなってくるが、最後はなんとか帳尻を合わせてほぼ40分ぴったしでレクチャー終了。大きな拍手の中ほっとした気分で壇を下りると、他のスピーカーから「良かったよ」と声をかけてもらってやっと一息。これが最初に終えてしまうものの特権だと、解放感たっぷりで他のレクチャーを耳を傾ける。

ホセはマドリッドをベースに活躍するSelgasCano Arquitectosの協同主宰者であり、自ら開発に携わる半透明のプラスチックを使ってのプロジェクトで知られる。のっぽさんのような風貌でどうも愛嬌がある人である。自らの設計事務所を森の中に設計した「office in the woods」はとても好きなプロジェクトだったので、彼らの作品だと知ってがぜん興味が出てくる。

セッションが終わるといろんな人にも声をかけてもらいながら、会場に併設された建材フェアの一角に出店している建築専門の書店のブースで、自分達の出版物への簡易なサイン会を行い、こちらで勉強する建築学生などが購入してくれて言葉を交わす。

そんなこんなでランチもそこそこに、主催者側がセッティングしてくれていた地元メディアからの取材を30分ほど受けて、午後のセッションを聴衆。

続いては、オランダからセザール(Cesare Peeren)はsuperuse-studiosを主宰し建築の作られ方に疑問を投げかけ、地球規模のスケールで建築だけに囚われず建材のリサイクルをテーマに設計を続けているようで、ジェット機の座席を再利用してホールを設計などしているらしい。

その次のエマ(Emma Young)は、オーストラリアをベースに活躍するPHOOEY Architectsの主宰者の一人であり、こちらもまた建材のリサイクルを一つの売りとして設計を行っているようである。

このセッションが終わると、また今度は地元のビジネス誌の記者から取材を受け、かなり厳しい質問にあたふたしながら、撮影などをこなしたらもうすぐに次のセッションが始まる時間。

本日最終のセッションは、カレイ(Carey Lyon)はLyonsというオーストラリアでも特に大きな設計組織のトップであり、如何にも地元建築業界の名士といった感じで、最近手がけたメルボルン中心地に位置する、RMIT大学校舎などのプロジェクトをプレゼンする。

その次はフランスからマニュエル(Manuelle Gautrand)で、Manuelle Gautrand Architectureの主宰者である女性。こちらもファサードに使う外装材に対して様々な試みを行っている建築事務所である。

セッションの最後には、ナダー(Nader Tehrani)が今日一日の統括をして、脳をクタクタにして一日目の全てのセッション終了。

「今日は皆疲れてるだろうから」という主催者側からの気配りで、本日の「Speaker Dinner 」はホテルにて行われることに。19時に1階のレストランに集まってきた面々は、今日でレクチャーを追えた解放感たっぷりのメンバーと、まだ明日を控えるメンバーで分かれているかのようにも見える。

流石に一日以上一緒にいるので、それぞれ顔と名前も分かってきて会話も弾み、お酒も進む。程よい疲労感と解放感を感じながらディナーを楽しみ、日本の様に締めの挨拶がある訳でなく、皆思い思いのタイミングで席を立っては部屋に帰っていくので、我々も疲れたからということで部屋に帰ってメルボルン二日目を終了する。





















Lecture at the National Architecture Conference Melbourne


秋の気配を感じるメルボルンの街にて開催された、年に一度の建築家協会主催のカンファレンスにて、なんとか無事に講演を終えてくる。



二日間のイベントの最後に行われた全ての講演者が参加するパネル・ディスカッションにても、「高度な英語」による質問を投げかけられながらなんとか無事に終了する。

1200名のオーディエンスの前での40分の講演。そしてどんな質問が飛んでくるかと緊張感を持って望むパネル・ディスカッション。

世界の一線で活躍する他のスピーカーの刺激的な話を聞きながらも、自分達の進む道を再度確認する。

現地のメディアによる幾つかのインタビューとオフィスの出版物へのサイン会など付随イベントをこなしながら、夜はスピーカーや地元の建築家達とお酒を飲みながら時間を過ごし、結局朝から晩までフルで普段使っていなかった脳の部分を動かすことになる。

解放感に浸るクロージング・パーティーで、各地に戻っていくスピーカー達と再会を約束し、やっと訪れた自由時間を使って夜のメルボルンを散策し、明日から訪れるシドニーの青空に思いを馳せる。









2013年5月30日木曜日

メルボルン Melbourne Day 1


北京からメルボルンへは直通便が無いので、北京を午後の3時に出て、2時間のフライト後上海到着。1時間半のトランジットを経て同じ機体に再度搭乗し、今度は12時間のフライト。

この世の終わりかの様に泣き叫ぶ赤ん坊がいなかったのが何よりで、妻と二人ともなんとか眠ることができて思ったよりも疲労を感じず朝の8時に到着したメルボルン空港。入国審査で前に並んでいた中国人夫婦がまったく英語が喋れないので、係員から「どうにか伝えてくれ」と言われて、子供の分も入国カードを書かなければいけないんだと中国語で伝えながら、何とか無事にオーストラリア到着。

主催者側が手配してくれて、運転手がカードを持って迎えに行くからというが、簡単に見つかるだろうか?と心配していたが、日本の地方空港くらいのサイズの空港で、あっさりと気の良さそうなでっぷりとしたおじさんがアイパッドに名前を表示して待っていてくれた。

随分とおしゃべり好きな運転手のようで、メルボルンの成り立ちは金の採掘が始まりで、その時から労働力として中国人が雇われていたから、中国人コミュニティーは根付いているんだとか、オーストラリア人はとにかくスポーツが好きで、サッカーは退屈だから人気が無いが、オージー・フットボールというラグビーとサッカーのあいの子みたいなスポーツがとにかくエキサイティングで人気があるとのことや、メルボルンの街はCBDと呼ばれる中心地は便利だが、最近ではディベロッパーが郊外に4つエリアを設定して、それぞれでショッピングモールや学校など生活インフラを整備したので、そんなにCBDまで出てかなくてよくなったということなどなど。

まだちゃんと目覚めていない頭をなんとか働かせながら会話を続けること30分。いかにも街中という感じで風景が変わって高層ビルの立ち並ぶエリアの南に走る川を渡ってホテル到着。

「今日の夜には、オープニング・パーティーでまた迎えに来るから!」

と陽気に帰っていく運転手と別れ、アーリー・チェックインにしてもらっていたホテルの部屋に落ち着き、時間に余裕があるからということで、手足を伸ばして暫しの熟眠。

夕方起きて、すっかり軽くなった身体と頭を感じ、身支度を終えて明日からのカンファレンスが行われるホテルに隣接されている「Melbourne Convention & Exhibition Centre」まで下見をしにいくことにする。

大きなコンベンション・センターの様でそこかしこで様々なイベントをやっていて、明日からのオーストラリア建築家協会のイベント出席者だということで、準備中の関係者部屋へと通してもらい、メールでやり取りをしていてくれた担当者と挨拶を交わす。

本番が行われるメインの会場を案内してもらい、1600人収容の大ホールで明日は1200人が来場予定だという言葉に徐々にプレッシャーを胃に感じながら、夕方にホテルに迎えに車が迎えにいくからというので、それまで会場周辺を散策することにする。

どうにもこの時期は秋の始まりらしく、オーストラリアの印象である青空は見えることができず、ひたすら降ったり止んだりを繰り返す雨空の下、川沿いを少しだけ歩いてみると、やはりロンドン風の建築が人気のようでまるでテムズ川の風景のようだなと思いながらホテルに引き返す。

18時からSean Godsell設計のRMIT DesignHubという建築の学校の屋上で、オープニング・パーティーが開催されるというので、妻と連れ立ってホテルのロビーで待っていると、続々と他のスピーカー達や関係者達が集まってくる。

挨拶もそこそこに、タクシーに乗り込むと、アメリカのMITの建築学部の学長を務めるナダー(Nader Tehrani)と、同じくアメリカのコロンビア大学の建築学部で教鞭をとりながら、建築とアートの間の活動をしているジョージ(Jorge Otero-Pailos)と同乗し、挨拶を交わして目的地に向かうことに。

生憎の雨ということで、屋外テラスが使えずに、建築学部の最上階を使ってのパーティーはすでに現地の建築家でごった返している。今回のイベントのダイレクターの一人で、色々とやり取りをしてくれていたジョン(John de Manincor)は、日本の四日市に高校時代に留学していたということもあり、少しだけ日本語が喋れて、我々の為にと懐かしの学生服を着てきて、妻と二人でなかなか馴染めないなりに、出されるシャンパンと牡蠣を味わいながら、地元の若い建築家と話をしながら楽しい時間を過ごす。

下の階に下りるとそこは建築学校というだけあって、学生達の作品が展示されていたり、まだ作業をしている学生がちらほらしていたりと、なんだかかつてのAAで過ごした自分の学生時代を思い出す。

8時からはWelcome Speaker Dinnerと銘打って、主催者と明日からのイベントに参加するスピーカーのみで特別な場所で夕食だと聞いていたので、流石にこれには妻を帯同するのは気がはばかれるかと思っていたが、主催者側から「来れるならぜひぜひ!」といわれるので、ひょいひょいと妻も一緒に連れて行くことにする。

タクシーの乗せられ揺られること20分。到着したのはいかにも雰囲気の良さそうな住宅街。聞けば、メルボルンの有名な建築家であるロビン・ボイド(Robin Boyd)が1957年に設計したBoyd House IIというもので、今はRobin Boyd Foundationとしてこういうイベントなどに貸し出されるという住宅。

とてもシンプルだが、良質な中庭と特徴的な断面によって空間が構成されて、皆興味深そうに家のあちこちを見学し、一段落したところでディナーが開始。数日前まで建築家協会の会長を務めていたというシェーンを労い、そして明日からのイベントの成功を祈って乾杯。

オーストラリアらしくがっつりとしたラムを、濃厚な赤ワインと一緒に楽しみながら、気さくな雰囲気にも助けられ、すっかり酔いを回らせながらディナーを楽しむ。こういうときに、英語が問題の無い妻で本当に助かると思わずにいられない。

向かいの席のフィリップ(Philippe Block)は構造家らしく予習していた彼のプロフィールに数年前に「坪井賞受賞」と書いてあったのを覚えていてそのことを話したら、とても嬉しそうにいろいろと話をしてくれた。いつか協同できることを楽しみになる人物である。

明日の朝一からレクチャーか・・・

と思うと最終の練習でもしておこうという気になって、同じくボーイフレンドと一緒に来ていたキャサリン(Kathrin Aste)と連れ立って、4人で一緒にタクシーにてホテルに帰る。

あまりに眠いので最終の練習は明日の朝・・・と眠りに落ちるメルボルン一日目。