戦後に生まれた世代を4つに分類すると、
第一世代 団塊世代 1947-49生まれ その数の多さによって、その後の日本の社会構造はこの世代を中心に形作られるようになる
第二世代 新人類世代 1965-69生まれ 消費文化を作り出す
第三世代 団塊ジュニア 1971-74生まれ 景気や雇用に翻弄されたロスト・ジェネレーション
第四世代 今の若者
上の世代に比べ、第四世代の根底にあるのは「情報」であるという。
そして、第四世代にとっての希望とは、「人間関係」なのだ。
目次をパラパラみると、いかにも今の「空気」を描き出し、現代日本の閉塞感を打破する言論を見つけることができるのか?という期待感に苛まれるが、これほど読みながら線を引く回数の少ない新書も珍しく、いかにも「広告代理店」的な内容で終わってしまった感は否めない。
過剰に発達したコミュニケーション・ツールと過度に自己実現と煽るマス・メディアのせいで、本来なら自分の背丈に見合った生き方を選択すべき層の若者も、なんだか勘違いという「空気」に乗せられて、努力や犠牲に後押しされることのない、「根拠無き」欲望ばかりが肥大化し、横を見ながら「あいつよりは・・・」と相対的な自己評価しかできない状態に陥りる現代。
横を見ながら一緒に進んできてしまったものだから、自分で考える能力が発達せずに、とにかく、「みんなと一緒よりやや上」ばかりにしがみつく。それがいかにつまらない生き方か、価値観のコペルニクス的な大転回が必要なのは誰もが分かっているのだが、マスに敵視されるのだけは避けたい立場からは、そんな一刀両断的な言葉は期待できるはずも無いと、また一つ諦めを重ねる。
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第一章 性欲が薄れて見えるのは情報化のせい
/草食系VS肉食系
/年上女性でもOK
/デジタルな女しか抱けない
/耐えている男性
/ジェンダーフリーとレディファーストを使い分ける女子
/草食男子が増えたんで、女子がおいでおいでする
/女子の恋愛
/年上の男性とつきあいたい女子
/メール監視社会・友達村社会
/「合コン」じゃなくて「飲み会」と言う使いわけは?
/「リア充」はマイナスの意味
/奥さんは専業主婦がいい
/負け犬にはなりたくない
/女性には仕事とは違う幸せがあるんじゃないの?と思う
/別にパートとかでもいいです
/同い年の女の子とつきあうと疲れる
第二章 空気を読むから物欲が縮小してしまう
/クルマに憧れた世代、クルマを知らない世代
/バイトをして物を買ったことはない
/モノが消えて、うんちくもいらなくなった
/みんなが持っている物は持っておかないと
/「外交消費」で忙しく、一人になる時間がない
/低価格化時代に育ったから安い物を探しちゃう
/すべてがブランドになってストレスが生まれた
/常時接続でみんな共通の話題をつくりたがる
/まずいと思ったのに、まずいと書けないのは言論統制でしょ
第三章 論じたり語ったりするのはオカルト
/上司には、うまく言ってほしい
/子どもを何人つくるかで盛り上がる
/だよねコミュニケーション
/小林よしのり? 全然知らないです
/思想って崇拝ですよね?
/一生懸命書いたり、語ったりしちゃいけない
/足りないのはコミュニケーション力じゃなくて礼儀
/大学が女子化している
/20人友達がいると20通りのコミュニケーション
/みんな自由だよって教育しているのに、おとなになったら動けない
/自由だけど、それには努力が必要だよと教えてくれなきゃダメ
/仕事を考えさせるテレビが増えた
/自己肯定感を持ちにくい世代
/社会はよくなっているんですか
あとがき
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