2014年2月1日土曜日

八重垣神社(やえがきじんじゃ) 不詳 ★★


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所在地 島根県松江市佐草町
主祭神 素盞嗚尊(スサノオノミコト)、櫛稲田姫(クシナダヒメ)、大己貴命
様式  大社造
社格  式内小社、県社、意宇六社
創建  不詳
機能  寺社
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真名井神社があまりに観光地化されていないにも関わらず、とてもすばらしい聖域と境内空間を保っていたので、これは「意宇六社」は相当期待できるのでは?と思いながら向かったのはこの八重垣神社。

真名井神社から車で5分ほどの位置に鎮座し、比較的大きな駐車場も整備されており、車で近づいている段階で「これは相当に観光地として整備されている神社だな・・・」と感じることが出来る。

この八重垣神社も意宇六社の一つに数えられ、この地で長く崇拝を集めてきた神社である。旧称は佐久佐神社(さくさじんじゃ)といい、伝説によれば、素盞嗚尊(スサノオノミコト)が八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治した後、稲田姫命(クシナダヒメ)と住居を構えたのが須賀(現在の雲南市大東町須賀)の地(須我神社)であり、後に現在の地に遷座したという。

その素盞嗚尊と櫛稲田姫の故事から縁結びの神社として信仰を集め、多くのカップルや女性参拝客の姿が境内のいたるところに見られた。いつの時代でも神社を支えるのは恋に悩む女性達であり、その女性の気持ちを掴むのはやはり縁結びの神々なのだと納得する。それは現在の日本全国何処でも見られる、明らかに女性参拝客が多い神社に共通することだろう。

観光地化に成功しているだけあって、境内とその付近にはいわゆる「パワースポット」と呼ばれる場所が数々見られる。まずはなんと言っても社殿の後ろに回っていくとすぐに見えてくるのが「鏡の池」。その手前では何人もの女性がしゃがんで何やらお願い事をしている様子。

というのも、この「鏡の池」は、その奥に鎮座する「奥の院」の手前に設置されており、素盞嗚尊(スサノオノミコト)が八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治している間に、稲田姫命(クシナダヒメ)がこの奥の院で身を隠している間に、鏡の代わりとして自らの姿を映したとされる池である。

その伝説から、社務所で薄い半紙を購入し、その中央に小銭を乗せて池に浮かべ、遠くまで流れていけば、遠くの人との縁があり、早く沈めば、縁も早く訪れるという占いができると言われている。どこかでも同じようなことを見かけた気がするが、やはり目の前の女性達はまさに真剣に手を合わせながら自らの紙の行方を追っているようである。

「少しでも早く・・・」という重いからか、思い100円などのほうが重石としての効果を発揮するようで、池のそこには10円や100円玉が煌いている。

境内に戻るところには、この八重垣神社に3本あるという、二股に分かれた椿、夫婦椿のうちの一本を見ることが出来る。後の二本は境内に一本と、社殿の正面、道を渡った場所に一本生えている。

事前の調査で、この神社だけ参拝時間が9:00~17:00と表記されているので、なぜだろうといぶかしんでいたが、これだけ観光地として人気を集め、社務所で半紙を買わないと鏡の池での占いが行えないとなると、恐らく過去に「聞いてないぞ」というクレームでも入ったのだろうと勝手に想像する。

恐らくこの神社を目指して多くの観光客がこの地を訪れているのだろうと思えるなんとも心地の良い境内の空間。大社造の社殿の前にかかる太く立派な注連縄の姿も含めてやはり山陰地方を代表する神社であるのは間違いないだろう。














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