2016年11月10日木曜日

コート・ハウス(Paris Courthouse) レンゾ・ピアノ(Renzo Piano) 2017 パリ



我々MAD Architectsがパリの北部バティニョール(Batignolles)で進めている高層住宅UNICはパリ市が中心となって進める、環境に配慮した新しい大規模都市開発の一部。我々の建物は来年に基礎の建設が始まる予定となっているが、開発のあちこちでは様々な建築家の設計による建物がすでに多く立ち上がっている。


この計画の中心となるのが、パリの中心で現代アートの殿堂として建築の歴史にポンピドゥー・センターのコンペにおいて名を刻んだイタリア人建築家レンゾ・ピアノが再度、このパリの街のランドマークとなる建物の設計を手がけることになったとして注目を浴びているプロジェクトである、Paris Courthouse。つまり現在シテ島に位置するパレ・ド・ジュスティス(Palais de Justice, House of Justic)に入る司法関係の施設が入ることになる高層ビルである。

位置するのはパリの北西を占める17区で、RERの通るポン・カルディネ駅(Pont Cardinet)と地下鉄のブロシャン駅(Brochant)の間。南北に伸びるマルティン・ルーサー・キング公園に沿って、東側の建物はほぼ完成しており、駅との間の西側の建設が急ピッチで進んでいる。

出勤ラッシュの朝のパリ。先日結果が発表され、トランプの次期大統領就任が決定的となった2016年アメリカ合衆国大統領選挙の結果を受け、「パリでメトロはできれば避けたい時期だな・・・」と思いながら、通勤の為に市中心に向かう人の流れに逆らって、郊外の雰囲気を感じられる17区にでる。

まだまだ開発の途中ということで、周辺の道路には大型のトラックが行きかい、様々なところで歩行者の通行禁止となっており、なかなか自由に動き回れないが、それでもマルティン・ルーサー・キング公園の中を、散歩やランニングをする地元の人々とすれ違いながら、小雨の降る寒い中とぼとぼと北に向かいながら、見え方を変える西側の敷地に、来年に立ち上がってくる建物の姿を想像しながら、足を進める。

公園を北に抜けきると、その前方には、三段のブロックがセットバックするようにして相当な高さまで立ち上がっている目的の建物を見つける。これがレンゾ・ピアノのコート・ハウス(Paris Courthouse)。敷地周辺は完全に建設現場として封鎖されており、諦めて線路の逆側にでようと西側に向かって歩くが、線路の真下まで来たところで、きりが無いのでは・・・と少々嫌な予感を感じて、来た道を帰り公園を横切り、ポン・カルディネ駅まで到着し、今度は駅のプラットフォームで電車を待ちながら開発風景を眺めることにする。





パリ17区









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