‘Eeny meeny miny mo, Catch a tiger by his toe, If he hollers let him go, Eeny meeny miny mo.’
「小説家を見つけたら」とか 「グッド・ウィル・ハンティング」とか、結構ハート・ウォーミングな作品が多かったティム・バートンが、コロンバイン事件を元に、マイケル・ムーアとは別の方法でありふれた一日が、いかにカオスへと落ちていくか、それを凄く詩的に撮りきって、マイケル・ムーアよりもお先、2003年にカンヌ・パルムドールと監督賞の史上初のダブル受賞へとつながった作品。
その次の年に同じ題材の「ボウリング・フォー・コロンバイン」でならなかった受賞を「華氏911」でムーアがドキュメント作品で受賞できたのは何かの因縁かもしれないかも。
彼が描くのはありふれた、アメリカ郊外の当たり前の一日だけ。
それぞれの学生がそれぞれの毎日を過ごすのを、そのまま撮ろうとしていること。誰かが主体ではなくて、個の集まりであることをスクリーン化するのに、こういう方法があるのかと衝撃を受ける。間違いない、多主体空間の映像化。物凄く建築的であるのかもしれない。
それぞれのベクトルがある一点に収束し、臨界点を向かえる瞬間は、日常の横になんとなしに潜んでいるんだという、物凄い恐怖感も同時に味わうことができる。
そしてなによりも美しい。
見終わった当時は、その映画の最後にある男がつぶやくライムを、一人ぶつぶつ言うのが一週間ほど自分の中で流行った。
文句なしの5つ星作品。超、お勧めの一本。
ちなみに「イィニィー、アイニィー、マイニィー、モー」というのは、子供が鬼を決める時の掛け声。「だれにしようかな・・・・」と一緒のようだ。
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ジョン・ロビンソン、アレックス・フロスト、エリック・デューレン
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