平成17年11月に明らかになった構造計算書偽装問題、いわゆる姉歯事件。
耐震性に問題のある多数のマンションが建設されてしまい、建築士が法令違反を犯し、建築士事務所、確認検査機関、建築主のいずれもがその偽装を見抜けなかったことから、建築士と建築に関わる制度への国民の信頼を大きく損ねたこととなる。それを受け、構造設計図書の審査方式の厳格化、中間検査の義務付け、建築士及び建築士事務所への罰則の強化などを含む新しい建築関連法案が平成19年に施行された。
しかし、いきなりチェックを厳しくするということになるので、建築確認の手続きに多くの時間がかかるようになり、住宅の着工件数の大幅の減少などの問題を受けて、平成22年には更に改定された関連法案の施行となる。
その大きな流れを受けて、今までは一度免許を取ってしまえばずっと有効だったものが、常にその知識を更新し、業務の適正な実施を担保していく必要があるということで、建築士に対して定期的な講習の義務付けが行われるようになる。
つまり3年に一度は、必ず15000円ほど払って、昨今の関連法案の変化や新技術の状況などについて丸一日かなり濃密な講義を受けて、最後に終了考査を受けて、合格した建築士のみ免許が有効だという制度。
大変意義のある動きだと思う。
施行されて最初の3年という期限が切れるのが来年の3月ということで、かなり多くの建築士が今年中に受けてしまおうと考え、開かれる講習会はどこも満席に近くなる。
そんな定期講習に参加してくるのだが、70近い方もいるのではと思うほど、かなり高年齢の模様。それでこれだけ濃密な講義を受けるのは大変だろうと思いながら、200ページを越すテキストにひたすら線を引く。
最近試験に通った人なら、比較的目を通している内容なので問題ないだろうが、それこと何十年前に試験に通って、同じような業務をこなしている建築士にとっては、それこと大変な内容だろうが、大変意義のあることだと思わずにいられない。
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