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日本百名湯
日本三名泉
日本三古泉
枕草子の三名泉
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神戸周辺を巡るのなら、ぜひとも足を伸ばして日本三名泉にも数えられ、阪神間の裏山にあたる六甲山の麓に位置する名高い有馬温泉で一泊したいものだと、かなり強行して日も暮れたあとに到着した新神戸駅でレンタカーを借り、山道を北にとばして有馬の温泉街に到着する。
日本三名泉といえば、江戸時代の儒学者である林羅山が記した三つの高名な下記の温泉地。
それに加えて、日本書記や風土記に登場する古くからの温泉地を集めた日本三古泉にもまた下記の様に数えられている。
有馬温泉(兵庫)、道後温泉(愛媛)、白浜温泉(和歌山)
それだけでなく、枕草子の三名泉にも下記の様に数えられており、とにかく古くから多くの人に親しまれ、かつとても効用の高い温泉だということで知られていた温泉地である。
有馬温泉(兵庫)、榊原温泉(三重)、玉造温泉(島根)
温泉の湯自体は「金泉(きんせん)」とよばれ、鉄分が大目の為に赤褐色のものと、透明な「銀泉(ぎんせん)」と呼ばれるものがあり、宿によってどちらかだったり、もしくは両方入れたりもするが、有馬温泉で有名なのは、かの豊臣秀吉がこの温泉を愛したということもあり、温泉街の東の端に「太閤の湯」という日帰り温泉施設が建設され、2,400円もの入館料を支払えば、金泉、銀泉を含む数々の趣向の違う温泉を楽しめるということらしい。
温泉街の雰囲気も知りたいしということで、宿にチェックインしてすぐにこの施設に向かうのだが、途中通りがかる温泉街中心地はやはりかなり狭い道に沿って、巨大な宿が立ち並び、少々想像していた昔ながらの下駄の音でも響く温泉街というイメージとはかけ離れ、バブル時代にでも阪神間の様々な企業の慰労の場として多くの人を収容する、そんな温泉地として姿を変えてきたのだろうと想像に難くない。
季節はずれのせいか、街中を歩く人の姿も疎らで、その先に到着した「太閤の湯」は巨大な駐車場を併設するハコモノ観光施設という様相。中に向かおうとしてすれ違うのは、さっそく中国人の大家族の姿。閉館も近いので時間割などあるのかと聞いているが、どうやらないようでしっかりと2400円耳をそろえて支払い、一体どんな凄いものが待っているのかと着替えを済ませて温泉へ。
入口周辺のお土産コーナーや、途中の休憩施設など、どうもどこの地方都市にもあるようなスーパー温泉の様な雰囲気に、やはりここも大手による運営の効率化などによって、できるだけ多くの人を受け入れられるように、そして先ほどの中国人の様なインバウンドの外国人も受け入れらるような体制を作っているのがよく見て取れる。
温泉自体はなるほどこれが 「金の湯」「銀の湯」かと思いながらも、秀吉を意識した金の茶室もどきのサウナ室や、なんだか新興宗教っぽい雰囲気のする鉱石を真ん中に置いたサウナがあったりと、「確かにお金はかかっているな・・・」と思わせるのに十分。だがしかし、これが自分が有馬温泉のイメージとして期待していたものか・・・と思うと、これも観光資源を活用し厳しい競争を生き残らないといけない時代のなせる業なのかと少々諦めを感じながら風呂をあがり、せっかくだからと一番賑わっている駅前付近で、食事を取りながらこの街の日常の雰囲気を味わうことにする。
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