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2011年10月25日火曜日

じゅらくでドンの電話

設計を担当させていただき、この夏に竣工を迎えた住宅の現場で一緒に頭を悩ませて、一緒に家づくりをさせてもらった担当現場監督さんに、季節の変化に伴う開口部周りなどに関してその後の調整を相談する為に連絡をする。

電話の最後に、

「ブログ読ませてもらってます。じゅらくでドン、懐かしいです」

なんて言ってもらい、何だかホンワカしてしまう。

改めていい時間を過ごさせて貰ったと、何だか感謝する。

2011年6月2日木曜日

じゅらくでドン

建築の現場というところにいくと、なかなか面白い言葉に出会うことになる。

例えば、「ツライチ」。

それぞれに厚みの違う建材同士と貼り合わせる場合に、そこに段差をつけずにフラットに仕上げる状態をいい、段差がない分見栄えもよろしく、どこかの若手芸人のような調子のよい語感と合わせて、結構お客さんに好評な言葉である。

「知らないと恥をかく現場用語のすべて」なんて感じで、一冊本が出てしまうくらい多種な言葉があり、知ってるからなんだんだ・・・と逆に思わないでもないが、とにかくふと思うと結構面白い言葉が多いのは確かだと思う。

和室の仕上げでよく見られるじゅらくなどの土壁は京都風の和室に仕上げる塗り壁材のこと。元は秀吉が京都の西本願寺付近に作った聚楽第の池の色に似た色の塗り壁で、日本庭園の深い緑色をした塗り壁が語源だとか、その聚楽第の跡地の土を使った塗り壁だとか言われる、いわば京風和室と共に日本全国に上質な和室の壁の呼び名である。

扱いのとても難しいじゅらく壁が、襖などの建具と絡む部分に枠などで見切りをつけずに、そのままぶつけて仕上げて欲しい、という内容を現場監督さんが建具屋さんに、「難しいのはわかるけど、あの建築家の先生がそう言っているので、なんとかやってくれないかな・・・」みたいなニュアンスを醸し出しながらの「じゅらくでドン」。

「ドンか・・・」と建具屋さん。
「ドンです」と現場監督と建築家。
そして、みんなで苦笑い。

そんな現場で生まれるものは、やはり手の痕跡を内包した上質の空間。

きっと良い住宅になるだろうと確信できる瞬間でもある。

2011年2月1日火曜日

「梟の城」 司馬遼太郎 ★★



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建築を職にするものにとって「聚楽」とは、できれば選択したい和室壁の仕上げ。秀吉の築いた聚楽第跡地で取れる土を使うためにそう呼ばれるが、今はなきその聚楽第が歴史の中で数多くの舞台を演じさせてきたのだろうが、その主役の一人である風間五平。

信長、秀吉、家康と天下の首領が変わるにつれて同じように変化していった戦国時代。表ではできない仕事を実行するものとしての忍びは主人に仕えるものである以上、天下という最大事を目指す主人達の力関係を反映しながら、忍びの世界の勢力図も日に日に変化する。

商の世界も同じ様に、信長がその代名詞でもある鉄砲を依頼したのが宗久であれば、信長はまた別の商人を優遇する。栄枯盛衰が恐ろしいほど短いスパンで入れ替わり、誰が最後の椅子を取り合うのか。

本能寺の変で堺から消えた家康の姿が伊賀地侍に守られ峠を越え、その間にも関白、太閤とこの世を階位を駆け上がり、年老いてもうけたその世子・鶴松が鬼籍に入ったことで急速に狂い始める秀吉。世間を翻弄する権力者の愚行に耐えかね、どれだけの人間が殺してやりたいと願っただろうか。

そして忍び込んだ伏見城の天守閣。寝息を立てる布団の中に見たのは、年老いて痩せこけたどこにでもいるただの老人。その姿が五平の目にどう映ったか。

第42回 直木三十五賞受賞の司馬遼太郎らしい一冊。
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第42回 直木三十五賞
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