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フジテレビ開局50周年記念作品
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フジテレビが開局50周年を記念して、「日本からもピクサーに匹敵するようなアニメーション作品を世界に!」と意気込んで制作された作品だという。
「それは期待できる」と見てみるが、10分持たないうちに止めようかと思うほどのクオリティ。さすがに長年ピクサーのユーモアとリアリティに溢れた映像に慣らされている身にとっては、以下にそこにチャレンジしたといってもやはり脚本から世界観の作りこみというクリエイティブの部分と、かけられた人員の差が物語の背景や人物の動きなどのクオリティに反映してしまう部分で、ともにやはりピクサーの力量が圧倒的なのだと改めて感じさせられるのみ。
こういう作品を見れば見るほど、やはり日本からは世界的な作品は出ないのかと落ち込んでしまうが、あえて同じ土俵で勝負する必要も無いのにとも思わずにいられない。
たとえば「パプリカ」。あんなトチ狂ったお祭り騒ぎの物語とそれを忠実に3次元に立ち上げるアニメの力はまさに日本だからこそできた作品なんだろうと思わずにいられない。
他にも第86回アカデミー賞の短編アニメ賞にノミネートされた森田修平監督の「九十九」。こんな作品もやはり日本人独特の完成がアニメという表現方法と見事に融合して今までに見たことのない映像作品を生み出したと納得させてくれる。
そうして見ると、「アキラ」も「ナウシカ」もやはり日本から生まれたアニメである意味があるように思えるが、それが「3Dアニメ」となったとたんに、一気に世界がフラットになってしまう必要もないはずで、きっと日本の「3Dアニメ」だからこそ描ける特別な世界観があるはずだし、恐らくそれを目指して日々頑張っている映像作家がいるのだろうと期待する。
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スタッフ
監督 佐藤信介
製作 亀山千広
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キャスト
綾瀬はるか
沢城みゆき
戸田菜穂
大森南朋
谷村美月
家弓家正
松元環季
うえだゆうじ
甲斐田裕子
宇垣秀成
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作品データ
製作年 2009年
製作国 日本
配給 東宝
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