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2014年2月6日木曜日

今時の女の子

大山から米子を突っ切り、途中でガソリンを補給し米子鬼太郎空港で何とか時間通りにレンタカーを返却する。6日間における長距離運転からやっと解放され、実家に戻る為に電車に乗る為に最寄り駅まで歩いていく。

山陰から電車を使って名古屋地方まで行くためにはどうしても中国山脈を突っ切って岡山に到着し、そこから新幹線に乗ることになる。あまり乗ることの無いローカル線の旅でも楽しみながら帰ろうかと思って到着したJR境線の米子空港駅。思っていたのを遥かに超えるほのぼのとした単線路線の無人駅。小さな時刻表を見るとなんと一時間に一本のみ。

ネットの乗り換え検索で時間だけ調べていると、その駅や路線の規模や、どれだけの頻度で電車が来るのかというのが見えてこないので、「少し早めに手続きが終わったので、予定の時刻よりも一本早めに乗って米子か岡山で美味しい駅弁でも・・・・」と軽く思っていたのを完全に打ち砕かれる。

しょうがないので寒い中予定通りの時刻の電車を待っていると、同じように旅行用のトランクを引いた20代と思しき女性二人組がやってくる。時刻表を見て同じようなリアクションを取っており、「暫く来なそうですね」と話をしてみると、この雪の為にレンタカーを返却するのが遅れて、予約していた成田空港行きのスカイマークに寸でのところで乗れなくて、次の便への振り替えもさせてもらえず、次に開いている夕方18時便のチケットを購入するか、それとも電車を乗り継いで地元の千葉まで帰るかという選択肢で、時間を考えて電車で帰るところだという。

途中まで同じ道中ということで、あれやこれやと話を聞くと、化粧品販売会社の先輩後輩という二人は、千葉生まれ千葉育ち。二人とも付き合っている彼氏はいるが、どうもその相手が煮え切らないので、何か良い方向に進みますようにと休みをあわせて出雲大社にお参りに来たという、なんとも現代っ子らしい話である。

そんなこんなしているうちに、米子行きの電車が到着し、暫く乗車して米子到着。そこからは岡山行きの特急「やくも」に乗り換えるのだが、雪の為に少しずつダイヤが乱れていたが、チケットを購入していたら丁度列車が到着し、なんとか乗り込む。

雪景色から中国山脈を越える約二時間の旅。折角の機会だからと今時の若者の生活がどんなものかと色々聞いてみるが、まさにメディアで報道される現代の若者の姿。地元が大好きで、多くを望まず、専業主婦になりたいがそれは無理だと理解しており、付き合っている彼氏には結婚願望がまだ湧いてきては無いようであり、だからといって別れても他にあてがある訳でもなく、女社会の職場での人間関係に気を遣いながら、こうしてたまには旅行などで息抜きをする。

今の収入から考えても一人暮らしは考えられず、実家暮らしだが問題はなく、家族との関係は良好で、友人・交友関係と職場も全て地元を中心とした千葉圏で完結している。彼氏を始めとした同年代の男友達にはこれといった向上心はなく、今の職場で不満が無いわけではないがかといってガツガツやるようなタイプもいない。彼氏とのデートは数週間に一度休みがあった時。二人とも今の彼氏は随分長いこと付き合っているらしく、デートといってもこれといって何か特別なところに行くようなことも無いという。

若くして結婚して子供を生んだが離婚して、シングルマザーになった友達も沢山いるとか、自分の周りも大概自分と同じようなもので、皆それなりに今の生活に不満は感じていないという。

結婚相手に求めるものはと聞いてみると、二人揃って何よりも「安定」だと言う。「奥さんと結婚しようと思ったのは何がきっかけですか?」と熱心に聞いてくるその姿に、「結婚」がこういう女の子達にとって大きな意味を持つ変化であることと、それがもたらしてくれる生活と精神的な二つの「安定」がどれだけの意味を持つのかを会話の中から良く理解できた。

そんなことを話しているうちに到着する岡山駅。弁当を買い込んで駆け足で乗り込む新幹線。弁当で空腹を満たし、ウツラウツラしながら到着する名古屋。ここでお別れとなる二人に、「出雲大社のご利益があるといいね」と挨拶をし在来線に乗り換える為にホームを後にする。