2021年7月27日火曜日

アアルト自邸 the Aalto House_アルヴァ・アアルト Alvar Aalto_1934 ★★★★★


少し前のa+uはアアルトの住宅特集。ページをめくると、懐かしいアアルト自邸も掲載されている。行ったのはいつだっけなと手帳を調べると、ちょうど10年前の夏に訪れていたことになる。そういえば、使っている建築の日めくりも数日前にアアルト自邸だったなと思い返し、いい機会だからと少し纏めてみることにする。


今までいくつか訪問してきた建築家の自邸の中でも、特別に印象に残っている住宅がこのアアルト自邸。ヘルシンキ中心部から少し離れた場所にある自邸を訪れるには、事前にツアーに申し込む必要がある。中心部からバスにのり、10分ほどの距離だった気がするが、最寄り駅はすでに自然の豊かな郊外の雰囲気。バス停から少し歩くと目的の住宅が見えてきて、いかにもツアーに参加するという感じの人たちが玄関前で待っている。


ツアーはヘルシンキの大学で建築を学ぶという学生が、バイトで行っているというが、非常に丁寧に説明と案内をしてくれる。 建築自体はそれほど大きくないが、広くとられた南側の庭に向かってL字型のレイアウトをしており、どこにいても庭の緑がとても気持ちよく室内から眺められるようになっている。

敷地自体が傾斜しているために、室内にもそれに呼応するかのように小さな階段が部屋を繋ぐように設置されており、それがメインの一階部分において、住宅部分とオフィス・アトリエ部分のよい文節として機能しつつ、室内に視線の異なる豊かな空間を作り出している。各部屋はそれほど大きくとられていないが、この高さ方向の微妙な変化が、空間に広がりを与えてくれているようである。








家具や照明、花瓶や取っ手など、ところどころにアクセントとなる美しいディテールが肌触りの感じられる、温かみのある空間に仕上げてくれているようで、住宅内のどこの空間に居ても、それぞれに異なった空間の質を味わうことができる。











ツアー自体は1時間ほどで終えて、自由に内部を見て回り、各々自由に解散という感じだった気がするが、今でもここでどんな生活が繰り広げられたのかよく分かる、とてもよい住宅であり、ツアーであったかと記憶する。

自宅から徒歩ですぐの位置にあるアアルトのアトリエにも足を運び、アアルトの日常がどんな風だったのかも感じることができる良い午前の過ごし方であろう。








2021年7月21日水曜日

「GA Document 157 International 2021」 GA

 


発売中の「GA Document 157 International 2021」にMADの Jiaxing Train Station が掲載されています。