2016年2月12日金曜日

中津市立小幡記念図書館 槇文彦 1993 ★★★


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所在地  大分県中津市片端町
設計   槇文彦
竣工   1989
機能   図書館
規模   地上2階
延床面積 2,892m2
構造   RC造
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公共建築百選
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中津城を中心とした中津公園の周辺に広がるかつての城下町の一角に位置する効率の図書館。元々は慶應義塾二代目塾長を務め、「学問のすゝめ」の共著者の一人である、この中津市出身の小幡篤次郎の死後、その遺言に沿って市に寄贈された様々な蔵書を元に図書館が開設され、1993年に現在の場所に移転するのに伴って新築されたという経緯らしい。

福沢諭吉がこの中津出身で、慶応義塾を開設したのは知っているが、その二代目塾長もまたこの中津出身者であるとは露知らず、これは一度しっかり福沢諭吉から勉強しないといけないなと思いながら、本棚に埋もれている「福翁自伝」を帰ったら引っ張り出すことを心に決める。

さてこの図書館。設計はまたしても槇文彦。昨日の風の丘葬斎場が1997年だから、こちらが先に終えて、その縁でもう一つ中津市の施設を手がけることになったのだと想像する。本人も元々慶応幼稚舎からの大学まで進み、中退して東大の建築学科に入りなおしたというから、やはり慶応の流れを汲むこの中津への縁が見え隠れする。

1960年 名古屋大学豊田講堂(32歳)
1969年 代官山集合住宅(ヒルサイドテラス)第1期(41歳)
1973年 代官山集合住宅(ヒルサイドテラス)第2期(44歳)
1985年 スパイラル(57歳)
1989年 テピア(61歳)
1989年 幕張メッセ(61歳)
1990年 東京体育館(62歳)
1993年 中津市立小幡記念図書館(65歳)
1997年 風の丘葬斎場(69歳)
2003年 テレビ朝日(75歳)
2007年 島根県立古代出雲歴史博物館(79歳)
2013年 フォー・ワールド・トレード・センター(85歳)

建物であるが、敷地に恵まれているだけに横に拡がりのある配置となっており、内部には様々な方向から心地よい光が上部のスリットなどから心地よく内部に取り込まれ、窓際の一人がけの読書席など、なんとも文化レベルの高い街だという雰囲気が感じられる。

正面入り口脇に位置する大階段に誘われ、屋上庭園へとアクセスするが、いまいちこの屋上がどういう役割をしているのかがよく分からなかったが、恐らく祭りなどの際に、この屋上から花火がよく見える広場になるとか、何かしら意味があるのだろうと詮索する。

一番気に入ったのが玄関正面のネームプレートのバー。気がつかずにここで足をぶつける人が多いのだろう、カラーコーンが置いてあり注意喚起をしている。このデザインがなんとも素晴らしい。広いく緩やかなステップの一部の寄り添うようにし、決して視線を邪魔することなくそこにいる。非常にモダンであるだけに、カラーコーンが残念で仕方ない。

こんな図書館で受験勉強をする学生は幸せだろうなと思いながら、隣の木村記念館館へと足を進めることにする。
























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