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所在地 大分県別府市山の手町
設計 磯崎新
竣工 1995
機能 展示施設・コンベンションセンター・市民ホール
規模 地上2階
延床面積 2,892m2
構造 RC造
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第37回(1996年)BCS賞受賞
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中津から再度大分方面に向かい、手前の別府にて高速を下りる。モクモクと湯けむりを立ち上げる煙突があちこちに見える坂の町を抜けて目指すは大分出身の磯崎新が設計した複合施設・ビーコンプラザ。
1960年 大分医師会館 (29歳)現存せず
1966年 大分県立大分図書館(現アートプラザ) (35歳)
1966年 福岡相互銀行大分支店 現存せず
1970年 日本万国博覧会・お祭り広場の諸装置 (39歳)
1972年 福岡相互銀行本店(現西日本シティ銀行本店) (41歳)
1974年 群馬県立近代美術館
1974年 北九州市立美術館
1974年 北九州市立中央図書館
1983年 つくばセンタービル (52歳)
1985年 ザ・パラディアム
1986年 新都庁舎コンペ案
1986年 ロサンゼルス現代美術館(アメリカ)
1987年 お茶の水スクエアA館(カザルスホール)
1987年 北九州市立美術館アネックス
1988年 東京グローブ座
1988年 ハラ ミュージアム アーク (57歳)
1990年 水戸芸術館 (59歳)
1994年 奈義町現代美術館・奈義町立図書館 (63歳)
1995年 京都コンサートホール (64歳)
1995年 ビーコンプラザ (64歳)
1998年 秋吉台国際芸術村
1998年 なら100年会館
2002年 セラミックパークMINO (71歳)
2007年 イソザキ・アテア(ビルバオ、スペイン)
2008年 深圳文化中心
2008年 中央美術学院美術館
2009年 中国湿地博物館 (78歳)
2011年 ヒマラヤ芸術センター (80歳)
2014年 上海交響楽団コンサートホール(中国)
プロジェクトリストを見ると、水戸から5年。京都コンサートホールと同時進行していたプロジェクトで、円熟期の作品と分類できるものであろう。機能としては、市民ホールと県立のコンベンションセンターと、市と県の施設が同じ建物の中に共存するという非常に珍しいタイプのもであるが、市民ホールはフィルハーモニアホールとも呼ばれ1200席近い客席を持つ音楽専用ホールとなっており、「水戸の次で京都も同時にやっていたなら、ひょっとして・・・」と思ってみてみると、やはり音響設計はお馴染みの永田音響設計によるもの。ならば音は間違いないだろうから、ぜひとも一度コンサートを体験してみたいと思うが、どうやら今は建物全体の改修を行っているようで、様々なところで足場が組まれている。
逆にコンベンションセンターは最大8,000人収容のコンベンションホールと大中小の会議場から構成されており、現在オフィスで進めているコンベンションセンターの為にと案内図を見て動線やら配置を勉強する。
この建物でなんといってもすごいのは、三角形をした敷地の頂点に立つ「グローバルタワー」という高さ125mの展望台。別府市のシンボルとなっていた別府タワーに取って代わり、すっかり別府の新しいシンボルとなっているようである。チケットを購入してエレベーターで到着するのは100mに位置する前面ガラス張りの展望デッキ。しかも上はワイヤーが張ってあるだけでそのまま空に続いている・・・。まさに360度別府の街を見渡せるのだが、高所恐怖症にはやや厳しい・・・。
スリムな階段で下りるとそこには下りのエレベーター乗り場があり、動線が絡まらないようにと配慮されているが、一体ここには同時に何人乗ることができるのだろうかと怖くなりながら下りていく。なんでもこのタワーは隣接する緑豊かな別府公園の中心ちから丁度500mのところに位置しており、まっすぐ伸びるエレベーターとその後ろに円弧状になっている構造体とでタワーが成り立っているのだが、この円弧がその半径500m(直径1km)の円の一部を切り取ったものとなっているという。
「なるほど・・・」と思いながら、強風や激しい雨の時には営業と停止するという展望台に登れたことだけでもラッキーかと思いながら、建物を後にすることにする。
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