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2016年11月10日木曜日

ピカソ美術館(Musée Picasso) ロラン・シムネ 1985 ★



朝から歩き回り、ポンピドゥー・センターを見終えてそろそろ午後の打ち合わせの為にホテルに戻ろうかと思うが、せっかくだから少し足を伸ばして新しくなったというピカソ美術館(Musée Picasso)も観ていこうかと欲がでる。

相当脚に疲れがたまっているが、せっかくのパリだからと西に向かってマレ地区と呼ばれるお洒落な雰囲気漂う3区へと入っていく。ピカソ美術館といえば、バルセロナにもあるのが有名であるが、こちらパリのものは、1973年のピカソの死去後、その遺族が膨大な相続税の為に物納した作品を中心として、ピカソが長く滞在したこのパリにてぜひとも美術館をと計画されたものである。

建物としては新たに建設されたのではなく、元々は1659年に建築家ジャン・ド・ブイエによって設計された邸宅をパリ市が買い取り、それをピカソ美術館として改修することが決まり、コンペが行われ、その結果建築家のロラン・シムネが設計を担当することになり、1985年開館となる。

およそ25周年にあたる2009年に更なる改修が行われることになり、その期間を利用して膨大なコレクションは世界中を巡回展として巡り、世界中でピカソ展が開催されていたのも記憶に新しいはず。改修工事は結局2014年までかかり、その10月にやっとリニューアルオープンを迎えたというわけで、まだ2年ほどの歳月しかたっていないことになる。

展示は「ピカソとジャコメッティ」として同年代を生きた二人のアーティストの作品を様々な角度で比較しながら、相互作品への理解を深める内容となっている。

それにしてもこの美術館。元々邸宅ということもあり、かなりの制限があるのはしょうがないんのであるが、現代のようにこれだけ多くの人が訪れる場所として、狭い部屋を次々へと巡り、階段を何度ものぼり、最後はいったいいつ終わるのか分からないという不安にかられる狭い階段室を一気に何回分も降りなければならないという、動線という美術館においては楽しみに一つでもある重要な要素に非常に大きなしわ寄せが来てしまっている、そんな印象を受けつつも、やはりこれだけ大量に同年代のアーティストの作品を見比べると、ピカソの突出した感性に圧倒されずにいられないと思いながら、ホテルへと帰路に着くことにする。


パリ3区