そんな2017年。今年だけで既に4回目となる訪問。関わるプロジェクトのお陰で、なんとなくではあるが地理も理解できてきたが、どうしてもステアリングの前に何台ものスマホを着けて、その画面をひっきりなしに操作しながら、イヤホンで話続け、客をほったらかしにしておきながら、突然の様に「行き先はどこだっけ?」と聞いてくるこの街のタクシードライバーには本当に頭がくらくらしてくる思いがして、そんなストレスを感じるならば公共交通で移動したほうがよっぽど楽だと今後のことも考えてオクトパスカードを入手し、見れば見るほど良くできているパシフィックプレイスで脆皮焼肉を堪能し、中国銀行ビルや香港上海銀行といった学生時代に学んだ建物達を見上げ、M+に代表される開発が進むウェストカオルーン(西九龍)を中心に、21世紀にも競争力を保つ新しい都市として着々と変貌を進めつつある香港の姿を高層ビルの最上階に位置するクライアントのオフィスから見下ろしながら、30年後のこの都市の姿に想いを馳せることになる。
2017年7月9日日曜日
香港(Xiānggǎng,ほんこん) ★★
そんな2017年。今年だけで既に4回目となる訪問。関わるプロジェクトのお陰で、なんとなくではあるが地理も理解できてきたが、どうしてもステアリングの前に何台ものスマホを着けて、その画面をひっきりなしに操作しながら、イヤホンで話続け、客をほったらかしにしておきながら、突然の様に「行き先はどこだっけ?」と聞いてくるこの街のタクシードライバーには本当に頭がくらくらしてくる思いがして、そんなストレスを感じるならば公共交通で移動したほうがよっぽど楽だと今後のことも考えてオクトパスカードを入手し、見れば見るほど良くできているパシフィックプレイスで脆皮焼肉を堪能し、中国銀行ビルや香港上海銀行といった学生時代に学んだ建物達を見上げ、M+に代表される開発が進むウェストカオルーン(西九龍)を中心に、21世紀にも競争力を保つ新しい都市として着々と変貌を進めつつある香港の姿を高層ビルの最上階に位置するクライアントのオフィスから見下ろしながら、30年後のこの都市の姿に想いを馳せることになる。
2017年6月18日日曜日
One Blackfriars SimpsonHaugh 2018
せっかくの日曜日だからと、昨年も足を運んだコロンビアロード・フラワーマーケット(Columbia Road Flower Market)沿いにある、友人の飛び切りのおすすめだという素敵な雰囲気の隠れ家的なレストランで友人達とゆったりしたランチを取り、ロンドンっ子が両手に抱えきれないくらいの花を買い込んで帰っていく姿を見ながら食後のコーヒーをいただき、せっかくだからとテムズ以南の新しい建築を見ていこうと友人が車で案内してくれることに。
テロ対策で市内は30kmとスピード制限がかけられるその道すがら、テムズの袂に独特な姿を見せ始めている建設中の建物が。急いで写真に納め調べてみると、SimpsonHaughというイギリス人建築家の設計事務所による、One Blackfriarsという高級アパートメントとホテルが入る高層ビルのようである。
50階建てで170Mの高さとなるその建物は中央部が膨らみ登頂部に向けてセットバックしていく特徴的な形で、ロンドンのスカイラインに新しい表情をすでに与え始めている様子である。
ザ・シャード(The Shard)やウォーキートーキー(Walkie-talkie)に続く、ロンドンの都市改造の新しいメンバーとして、テムズ川沿いの一等地に立つこの建物が来年の今頃には完成しており、どのような表情としてロンドンの都市に現れるのか、高層ビルに関わる建築家としてぜひとも見てみたいものである。
2016年10月17日月曜日
パリの顔
パリといえばエッフェル塔。そのエッフェル塔も建設当時は多くの市民から批判の声を浴びた。しかし長い時を経て今ではすっかりパリの顔をなっている。
パリは塔の少ない、平べったい都市である。その為に少し高い場所に上ると北からモンマルトルの丘にそびえるサクレクール聖堂から市の中心部に位置するサン・トゥスタッシュ教会。そして遠くには凱旋門の遥かかなたにラ・デファンスの高層ビル群が見えて、視線を南に振っていくとスクッと立つエッフェル塔。更に視線をすすめると、パリの街並みとは相容れない黒い高層ビルが見えてくる。
これがパリの南、モンパルナス地区の顔となっているモンパルナスタワー(Tour Montparnasse)であり、現在フランスでもっとも背の高い建物(210m)であり、建設された1972年にパリの街並みにふさわしくないと激しい景観論争を巻き起こしたことで有名となった建物であり、この建物以降パリ市内では高層ビルが建てられない条例が制定され、皮肉なことにこのモンパルナスタワーの最上部にある展望デッキからの眺めが、このモンパルナスタワーを視界に捉えることなくパリを一望できるからということで、パリでもっとも美しい夜景スポットとして知られるようになったという曰くつきの建物である。
そんなタワーもすでに40年の試用期間を過ぎ、アスベストの問題や様々な面において現在の社会要請に見合わなくなり、長く取り壊して新しく建てるか、それとも大規模の改修をするかの議論が交わされてきたが、この度その改修の為に大々的な国際コンペが行われることになり、世界中から多くの応募があった中で、MAD Architectsも参加設計事務所の一つとして選ばれた。
パリという都市だけでなく、エッフェル塔がそうであったように、パリに住まう人々にとって大変重要な意味を持つこの建物をどう更新していくかもさることながら、こうして社会劣化を起こした高層ビルがどのようにして新しい活力を取り戻していくことが出来るか。これもこれからの社会全体が向き合う大きな問題になることは間違いないので、このコンペをきっかけにパリの都市を深く理解することと共に、新しい高層ビルの更新のあり方について深く学んでいければと思わずにいられない。
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