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スタッフ
監督 河瀬直美
脚本 狗飼恭子、河瀬直美
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彩子:長谷川京子
グレッグ(フランス人):グレゴワール・コラン
マービン:キッティポット マンカン
アマリ:轟 ネーッサイ
トイ:轟 ヨウヘイ
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「蛇イチゴ」「ゆれる」「ユメ十夜」「夢売るふたり」で知られる西川美和(にしかわみわ)は1974年生まれで是枝裕和監督の薫陶を受けており、そしてこちらの河瀬直美(かわせなおみ)は1969年生まれで「萌の朱雀」「殯の森」「あん」などでカンヌを中心に国際的な注目を浴びる。
ともに年代も近く、名前に「美」が入るからなのか、いつもごっちゃになってしまうこの二人。そんな河瀬直美のカンヌグランプリ受賞後の作品となるのがこの「七夜待(ななよまち)」。「これはぜひとも観ておかなければ・・・」と手を伸ばした一作。
改めて主要な作品を時系列に並べてみると。
1992年 につつまれて
1993年 白い月
1994年 かたつもり
1995年 天、見たけ
1996年 陽は傾ぶき
1997年 萌の朱雀 第50回カンヌ国際映画祭 カメラ・ドール(新人監督賞)
1997年 杣人物語
1999年 万華鏡
2000年 火垂
2001年 きゃからばあ
2002年 追臆のダンス
2003年 沙羅双樹
2004年 影-Shadow
2006年 垂乳女〜TARACHIME〜
2007年 殯の森 第60回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞
2008年 七夜待
2009年 狛-Koma
2010年 美しき日本・奈良 (日本アーカイブス)
2010年 玄牝 -げんぴん-
2011年 朱花の月
2012年 塵
2014年 2つ目の窓 第12回ウラジオストク国際映画祭グランプリ受賞
2015年 あん 第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門オープニング作品
15年以上映画を撮り続け、国際的な評価も得て、恐らく自分の撮りたいものを撮りたいように取れるような自由を得始めた頃ではないかと勝手に想像を膨らませる。そして選ばれたのは、自分探しにタイに向かい、そこでゆったりとした時間を過ごす日本人女性を演じる長谷川京子。
勝ってついでに想像を膨らませれば、何かの仕事で一緒になった長谷川京子にほれ込み、自身も足を運んだタイの日本とはまったく質の違った時間と空気が流れるなかで、なんとかその美しさを画面に描きたいと熱望して立ち上がった映画なのだろう思ってしまう。
異国の地に赴き、現地の言葉も何も分からず、その場の文化や振る舞いがどんなものかも知る準備をせずに、ただただ自分の価値観だけで人々を判断し、拒絶し、わめき散らす主人公の姿は、見ていたとても嫌悪感を感じる。感情を爆発させ、叩き、まったくコミュニケーションが取れてないにも関わらず互いに分かり合えた雰囲気を描き出す。
観る側に物語を掴みやすくするための説明的な要素が多い邦画やハリウッドの映画に慣れてしまいすぎた我々にはそれは苦痛となってしまうのか、それとも評価の高いフランスの映画の常識からみれば、十分にアート的な映画として成立しているのか。海外での評価が高いだけに、なんとも判断に混乱しながらも、これも映画の多様性なのだろうと次の「殯の森」へ判断を委ねることにする。
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