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2013年6月20日木曜日

生命体としてのオフィス


オフィスというものは、人がいて始めて成立するものである。

どんなに優秀な建築家でも、一人で「あーだこーだ」と声を上げている段階から、徐々に人が増えていき、オフィスという社会性のある組織へと変化していく。

そして、人が入ってきたり出て行ったりということが日常化してくる。

その中で、あるスタッフが辞めていくことになる。比較的長く勤めてくれたので、その分彼自身にストックされた知識や経験も多くなり、オフィスにとって辞められのは確かなる痛手であるし、その後はチームやオフィスへの負担も一人が抜けたという数学的には見えてこない負担が多くなる。

辞めていく前はいつもそう思うものだが、それでもオフィス自身が自ら負った傷をなめて癒すかの様に、徐々に今いるメンバーで毎日が回っていくようになる。そしてそれがオフィスの日常になっていく。

その推移を見ていると、オフィスもまた生命体であり、生命体である以上、負った傷は治さずにいられないのだと思いながら、徐々にその彼がいないことが日常になっていく雰囲気を感じる。

止まることは、死ぬことを意味する。

ならば少々の傷も気にならないほど、強い命になりたいものだと思わずにいられない。