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2015年3月3日火曜日

アカデミー賞は映画館で

「バードマン」を観終えて、改めて振り返ると、やはりアカデミー賞などを受賞する作品は、機内で見てしまうのではなく、ゆっくり映画館で見るのが相応しいのではと思う。

そして一人で観てしまうのではなく、見終えた後に感想を言い合い、その中で意味の再発見を行うように、誰かと一緒に観たほうがよいと思う。

そんなことを思い妻に、「来年からはアカデミー賞受賞作品は一緒に映画館で観ることを慣習としよう」と言うと、ややポカンとされるので、上記の思いを伝えると、「好注意」と喜ばれる。

来年は映画館に足を運ぶまで機内で我慢しければと思いながらどんな作品を観ることになるのか楽しみが一つ増える。

「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」 アレハンドロ・イニャリトゥ 2014 ★★★★

ヨーロッパへのフライトだとやる気になれば3本くらい映画が観れてしまう。しかしできることなら読書を進めたいと一本だけに絞ることにして選んだのが今年度アカデミー賞受賞作品の「バードマン」。

目的地に到着してから同行の二人のパートナーと話をしたら、二人とも観たらしくそれぞれが違った感想を持ったらしくて面白い。人生の違った段階で社会的なポジションによってもまた全く違って主人公に感情移入することになると言うことらしい。

学生時代、「なんて凄い映画があるんだ」と思ってみていた「アモーレス・ペロス(Amores perros)」が2000年。同じく凄いスピード感のある映画だなと思っていたのが2003年の「21グラム(21 Grams)」。そしてスーパースターを迎えての2006年の「バベル(Babel)」と確実にステップアップしてきた感のあるアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの監督作品。

現実なのか妄想なのかがはっきりしないまま物語が進行していき、分かりやすい解説めいた導入部分は一切なし。なのであまりに唐突なその終わり方とともに、見終わったばかりのときは、「なんでこの映画がこれだけ評価されるのか?」とちんぷんかんぷんであったが、先の様に他の人の意見を聞いて改めて回想して見ると、なるほどこれはかなり深そうだと思う一作。

エドワード・ノートンを見る度に「アメリカン・ヒストリーX」での強烈な印象を思い起こし、エマ・ストーンの妖精のような表情が頭から抜けずに、青年期を終え壮年期のまっただ中に差し掛かった自分の人生の針と、自分の職業のキャリアを改めて考え直すことにする。
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スタッフ
監督  アレハンドロ・イニャリトゥ
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キャスト
マイケル・キートン: バードマン
ザック・ガリフィアナキス: リーガンの弁護士
エドワード・ノートン: ブロードウェイの俳優
アンドレア・ライズボロー: リーガンの恋人
エマ・ストーン: リーガンの娘
メリット・ウェヴァー: 舞台監督
リンゼイ・ダンカン: 演劇批評家
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作品データ
原題  Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)
製作年  2014年
製作国  アメリカ
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第87回(2015年) アカデミー賞 作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞
第72回 (2015年)ゴールデングローブ賞 最優秀主演男優賞・最優秀脚本賞
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