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2016年2月5日金曜日

相楽園(そうらくえん) 1911 ★


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所在地  兵庫県神戸市中央区中山手通
機能   都市公園・庭園
庭園形式 池泉回遊式庭園
作庭年代 1911(1941年開園)
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日本の庭園100選  
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昨日閉館日の為に再度やってきたのが、神戸中心地にある相楽園(そうらくえん)。古い町並みが区画としてそのまま残されているのが良くわかるように、細い一方通行の道が入り組んでいる先に位置するために、まずはナビに導かれ正面入り口に向かうが駐車場が無く、後ろからやってきた車のために停車して駐車場を聞くことができずに前に進む。

すると一方通行のためにどんどん先に進む羽目になり、目的地と随分離れてしまう。やっと一方通行からはずれ路肩に停車できるところを見つけ、電話で相楽園に電話すると、「いやー、うちは駐車場無いんですよ。周囲にたくさんコインパーキングあるんで、そちらに停めて来てください。一番近いのは区役所の前の路面駐車場ですなねぇ」などと返される・・・

土地勘が無いものにとって、ナビに設定できない目的地は非常にたどり着くのが難しく、やっとのことで到着した指定されたパーキングはすでに一杯。なかなかの交通量のために路肩に一時停車も限界があり、さらに先に進みパーキングを探すがどこも「満」も文字。刻々と近づく閉館時間に焦りながら、視界に飛び込んできたファミレスに飛び込むことに。せっかくだからとドリンクバーと軽食を頼み、さっさと流し込んで駆け足で相楽園へ。「こんな大変な思いをして来なければならないのか・・・」と思いながら、日も暮れ始めた頃になんとか中へ。

三田藩士・小寺泰次郎の私邸として1911年に完成した広大な庭園と邸宅を、その後1941年に神戸市が譲り受け、名称を中国の「易経」の一節にある「和悦相楽(和して悦び あい楽しむ)」より取った「相楽園」として一般公開されるようになり、平成22年より神戸市造園協力会・神戸市公園緑化協会グループが指定管理者として園の管理運営を行っているという。

園内には、第二次大戦後に移築された洋館があったり、茶室が建設されたりと、純粋な日本庭園とは違った雰囲気を楽しめる。

どうしても昨日訪れた好古園との比較で見てしまうのだが、少なくない高低差を移動する石段や、その表面の舗装材、それらの微妙な凹凸が、好古園に比べて歩くのにかなり辛く、正直それほど繊細に設計がなされているとは思われない。それぞれの舗装の上には木々は張り出し、それらの花や芽が落ちて石の上で潰れていたり、落ち葉が散乱していたりと、まさに自然の増大するエントロピーそのままの姿を見せている。これらを見ると、やはり「庭園」としては整った風景を期待してしまうし、その点好古園がどれだけこまめに手入れをしていたのかが逆に理解できる。

小川を渡る飛び石も、人が渡るという点においてベストな石の置き方であるのかどうか。そして水の流れが作り出す音が、心地よいさえずりではなく、いくつもの音が重なり合ってしまってノイズとなってしまっている点など、細かい点を見ると好古園に比べ相当に設計の面で見劣りし、そして手入れや運営の面でも格段に低いと言わざるを得ない。

池のほとりに張られたテント。恐らく、何かのイベントなのだろうが、庭園を鑑賞しに来た人にとって、それが決してあってほしくはない異物であり、非常に残念な思いで一周をし、入り口で係りの人に「あのテントは何の為なんですか?」と聞いてみると、「明日の夜に夕べ庭園鑑賞のイベントがあってそれの為のものです」と・・・


やはり風景という文化的に感受性の求められる施設にとって、その運営を一般的な経済性の上で考えるのは何かしらの矛盾を起こし、好古園と相楽園の二つの庭園とその都市の中での役割を見るにつけ、やはり現代における庭園文化を体験し、学ぶ場としては、より姫路における好古園の様な扱いが正しいのではないだろうかと思いながら、夜の便に向かう為に神戸空港へと車を向かわせることにする。








旧小寺家厩舎



船屋形