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2016年2月12日金曜日

木村記念館(又庵) 大江匡 1989 ★★


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所在地  大分県中津市片端町
設計   大江匡(プランテック総合計画事務所)
施工   瀬口組
竣工   1989
機能   美術館
規模   地上2階
建築面積 118m2
延床面積 345m2
構造   RC造
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2016年2月4日木曜日

北野ローズガーデン(北野一帯の商業施設) 安藤忠雄 1977 ★★

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所在地  神戸市中央区山本通
設計   安藤忠雄
竣工   1977-1989
機能   商業施設
構造   鉄骨コンクリート造
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神戸中心地の三宮から海を背にして北の六甲山へ向かって歩いていくと、徐々に山の裾野を感じる斜面地となる。高台から神戸の町並みを見下ろすこの地は、かつて海外から多く押し寄せた人々の居住地として栄え、その後は街のあちこちに散らばる西洋館の街並みから「異人館」として親しまれる観光地となった。それがこの北野の地。

その異人館の雰囲気から、お洒落な街並み、少々ハイソな雰囲気を味わえる場所として長く賑わいを見せていたこの街には、日本を代表する建築家である安藤忠雄の若き日の作品がゴロゴロと残っているのでも有名である。おそらくもっとも知られている「北野ローズガーデン」を中心として、10件近い建物がこの狭い地域に集中しているのだから、この北野がどれほど賑わっていたか、そしてその時期に安藤忠雄の評判がどれほど高まっていたかをよく理解できる。

1977年(36歳) 北野ローズガーデン
1977年(36歳) 北野アレイ
1981年(40歳) リンズギャラリー
1981年(40歳) 北野アイビーコート
1986年(45歳) 北野TO
1986年(45歳) リランズゲート
1986年(45歳) ウォールステップ
1989年(48歳) ウォールアベニュー

それらを個別にまとめるとかなり大変な作業になるので、北野一体の商業施設として一つにまとめるが、これらをぐるっと巡るには、角にあるローソンから西に向かい、北野ローズガーデンを越えたあたりで南に向かって坂を下り、少し東に戻ってリランズゲートを見て、再度坂を北に上りながら、ウォールアベニューとリンズ・ギャラリーを巡ってローソンに戻ってくるというところだろうか。

北野アレイ前に渋い紳士が立っているので「バスでも待っているのだろうか?」と思いながら写真を撮っていたら、「安藤さんの建物を見に来たのですか?」と話しかけられ、聞いてみるとガラス細工の店をやっており、この北野アレイの中に店舗を持っているという。勧められるままに店を見ると、意外なことに三角地として普通なら使いにくいだろうと思うようなコーナーがディスプレイとしてすごく使いやすいのだと教えてくれたい、阪神淡路大震災のさいも、建物はまったく壊れなかったなどと教えてくれる。かつてはこの北野はすごい賑わいを誇っていたが、最近はやはり不景気なのか人の流れも落ちてきて、それに伴って閉めった店も多いとのこと。確かにそれは街を歩いていても少し感じ取ることができる。

そんなこんな話をしているうちに、徐々に話の矛先はガラス細工の方に・・・このステンドグラスはどの異人館にあったものを再利用して作ってあるのだとか、このアクセサリーは・・・といった感じで、一つ一つ手に取り「ほぅ」と相槌を打ちながら、「次は妻を連れて来ます」となんとか切り上げて安藤散策を続けることにする。

しかしこれほど密集したエリアに、ある建築家がこれだけ大量の建物を設計するというのは非常にまれな例であり、他に例を挙げるのであれば、東京の代官山での槙文彦の一連の作品群となるのであろうが、この北野で残念なのはそれぞれが個別のクライアントで個別の機能要求を持った建物の集積ということで、街全体として何かある空間性を作り出すことに至っていないというところだろう。それは初期の作品群ということで、建築家もまだ若かったということもあり、個別の仕事を必死にやっていった結果、また一つ、また一つと依頼が舞い込んできたというところもあるだろうし、街全体としての統一感を持つことの大切さをそれらのクライアントに一体として説くまでは至らなかったのだろうと想像を膨らませる。

その点代官山は大地主と一人の建築家が長い時間をかけて一つの街並みをどう成長させてて、どう風景を作っていくかを共有することができたのはやはり歴史的に見ても稀有な例であるのだと、改めて理解して次の目的地へと向かうことにする。

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北野TO




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ウォールステップ



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北野アレイ_安藤忠雄_1977


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北野ローズガーデン_安藤忠雄_1977


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リランズゲート_安藤忠雄_1986






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ウォールアベニュー_安藤忠雄_1989






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リンズ・ギャラリー_安藤忠雄_1981





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2013年8月31日土曜日

「利休 [RIKYU]」 勅使河原宏 1989 ★★★★

随分前にその脚本は読んでいたのでいつかは見ないとと思っていたこの映画。野上彌生子の原作に監督は勅使河原宏。そして脚本は赤瀬川原平となんとも豪華な顔ぶれ。

「詫び・寂び」という概念は、どんなに長く海外に住んでいても、同じ文化体験を経ていない人間に伝えるのはとても難しい。自分の語学能力の低さのせいもあるが、ほぼ無理なのではと思い始めている。

そういう時にこのような映像というメディアがあるのは非常に助かる。どんなアブストラクトな言葉よりも、暗い茶室の中で一輪の花を生け、一杯の茶碗を中心にして向き合う茶の湯。見えないものを見えるものにする茶の湯の世界。それを視覚体験でも見てもらう事はとても意味がある。

そういう意図ではないのだろうが、あくまでも最初から外に向けて深い日本の文化を伝えるようなつくりになっている。そして画面を彩るのは押しも推される名優ばかり。

その中でも千利休の三國連太郎と豊臣秀吉の山崎努。以後どんな本を読んでも恐らく自分の頭の中にはこの二人に姿が思い浮かんでしまうと思えるほどの名演。両者共に、静と動、巣晴らしい対比を見せる迫力の演技。
  
この映画の素晴らしいところは、長い一人の一生を描くのに1時間半や2時間という映画というメディアの持つ宿命として時間の束縛を受けるのだが、監督が勇気を持って十分な「間」を持たせているところ。恐らく利休という人は、本当にこういう自分の時間の流れ、ゆったりとした動作で生きた人なんだろうと思えてきてしまう。

前編にわたる緊張感。いつの世も文化と権力の距離感は難しく、信念を曲げない文化人の生き方と、文化を庇護する為に権力との距離感を保つそのバランス感覚。

ほんの少しのボタンの掛け違いから、どちらも引くことができない場所まで行ききってしまう。利休と秀吉。どちらも天下を取った人間同士。引くよりは、信念に沿って綺麗に散る。それだからこそ、人の一生と言う時間の枠を声、現代まで何百年も美しき所作として残るものを作り上げる事が出来た。

目の前の事。一生の事。そんな個人の時間スパンに縛られてしまう現代。その中でも、何かの道の上を歩き、この世に何かを残そうとする人間はどれだけ遠くを見て時間を過ごせるかと問われているような気分になれる名作。


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スタッフ
監督 勅使河原宏
脚本 赤瀬川原平・勅使河原宏
原作 野上彌生子
製作総指揮 奥山融
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キャスト
三國連太郎 千利休
山崎努   豊臣秀吉
三田佳子  りき
松本幸四郎(9代目) 織田信長
中村吉右衛門(2代目) 徳川家康
田村亮  大納言秀長
岸田今日子  北政所
井川比佐志  山上宗二
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作品データ
製作年 1989年
製作国 日本
上映時間 135分
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2013年7月18日木曜日

大津プリンスホテル 丹下健三 1989 ★


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所在地  滋賀県大津市におの浜
設計  丹下健三
竣工   1989
機能   ホテル
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1913生まれの丹下健三は竣工の1989年には76歳と言うわけだから、設計時期には72,3というところであろうと想像する。

普通だったら「流石に引退しているんだろう・・・」と考えてしまうが、同じ年に竣工を迎えた・横浜美術館。1990年竣工のの東京都庁を考えると、流石は世界の丹下、まだまだバリバリで設計を指揮していたんだろうと思えてくる。

広い空を反射する広い水面。琵琶湖の南端にスクッと垂直に立ち上がる高さ133メートルの人工物。ミラーガラスになっているという上部の客室部分は、流れ行く雲の姿を反射させながら、空の一部として風景に溶け込もうとする。

湖側には円弧状に客室が配置され、すべての部屋がレイク・ビュー。
反対側の街側はバッサリ切り取られたような垂直の面。

湖周辺の平坦な地形に、空から降ってきたような強烈な垂直性はただただ「眺め」ということに「宿泊」の価値を置いたことから導き出された時代の回答だったのだろうが、今ならそれ以上にどんな建築の在り方が可能なのかと頭を巡らせながら、向かいのなぎさ公園からみえる美しい琵琶湖の風景を眺めることにする。