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所在地 京都府京都市北区紫野今宮町
主祭神 大己貴命(おおなむちのみこと)、事代主命(ことしろぬしのみこと)、奇稲田姫命(くしなだひめ)
通称 玉の輿神社
社格 旧府社
創建 994
機能 寺社
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予定にはなかったが、ひょんな出会いで教えたもらった「玉の輿」の物語。これはぜひとも足を運ばないとばちが当たるということで妻と一緒に向かったのは大覚寺からすぐの今宮神社(いまみやじんじゃ)。朱色の鮮やかな鳥居をくぐると、比較的広い境内。別名「玉の輿神社」とも言われているように、なんといっても女性だけでなく、「逆玉」と多くの男性にも羨ましがられる現状の生みの親である「お玉」さんに縁が深い神社。
なんでもこの付近の西陣の八百屋に生まれた「お玉」が徳川家光の側室となり、子供を授かりその子が「生類憐れみの令」で有名な5代将軍綱吉となる。その生母である「お玉」も桂昌院(けいしょういん)と位を得たために「玉の輿」と言うことわざが出来たという。
桂昌院は氏神であった今宮神社の復興にも力を入れ社殿を修復したりしたと言われ、その功績を称える為にか境内には桂昌院の碑が建てられている。
朝一番の聖域ということもあり、手水で身を清め、本殿に参拝を済ませてふと気がつくと、一人の巫女さんが黙々と手を使って白砂の中に生える雑草を抜いている。一本一本丁寧に、大地と対話するかのように抜いている。その姿は現代が大きな価値として据える「効率」という概念とは対極に位置するもの。
効率だけを追い求め、潤いを削ぎ落とし、一方向の価値だけで他のものを振り分けていく現代社会。その中でも荒波に流されずしっかりと大地に根をはっている大樹のようなその姿。朝から美しいものを見せてもらったとなんだか心が軽くなる。