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2015年3月15日日曜日

牛街礼拝寺(牛街礼拜寺,niújiē lǐbàisì,清真寺) 996 ★★


北京には回教と呼ばれるイスラム教の信者が多く住む一体がある。そのエリアは何故か牛街と呼ばれている。そのエリアにとっての中心となり、彼らのイスラム教信仰の重要な拠点となっているのが清真寺(せいしんじ,qīngzhēnsì)。「清真寺」というのが中国語では「イスラム教の寺院、モスク」という意味なので、フランスのノートルダム寺院の様に、各地に同じ名前の寺院が多く存在する訳でそれらと差異化するためにここでは、牛街清真寺と呼ばれている。

しかし、この寺院はその俗称の方が有名であり、牛街礼拝寺(牛街礼拜寺,niújiē lǐbàisì)と呼ばれているという。北京では一番古い歴史をもち966年の創建とされている。外から見ると全く中国様式の仏教寺院の様に見えてしまうが、中に入るとところどころアラビア風のデザインが見て取れる。

ややこしいのが「清真寺」というのが、ここでは「礼拝寺」を指すのだということがあまりどこのサイトでも紹介されておらず、てっきり二つの寺院があるものだと思って現地に向かう。さらに悪いことに、「清真寺」と地図で検索すると指し示される場所には確かに「清真寺」なる寺院が存在し、入っていこうとすると「外部者は立ち入り禁止だ」と見学拒否をされてしまう。

「外から見る限り、それほど重要な寺院とは思えない規模だけど・・・」と少々いぶかしげに思いながら、斜めに曲がった街路を南下し、「礼拝寺」へと到着する。ここでもどこにも「清真寺」という表記はされておらず、結局「清真寺」を見ることが出来ずに戻ってきてしまったと思って再度調べてみると、なにやらこの二つは同じ寺院を指すのだとやっと理解する。

そんな訳で、「礼拝寺」に入り込むとそこはやはりイスラム教徒の日常の世界。寺院の後ろは生活空間になっているらしく、白い服に身を包んだ中国人が彼方此方で行き来している。

「北京最大規模のイスラム寺院・・・」と謳われていたので少々期待して行ったが、やはり日常の中の信仰の場であり、歴史的モニュメンタルな場所である訳ではなく、思ったよりあっさりとした見学を終えて外の牛街を散策する。

街のあちこちから漂う匂いはやはりアラブの匂いに満ち溢れ、気がつくと彼方此方に書かれている文字もやはりアラビア語。その背景にはイスラム教で神聖な色とされる緑色が遣われ、微妙にではあるが文化の違う街並みに入り込んだんだと理解する。