チョン・ミョンフン (Chung Myung-Whun)
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Programme
Piano Concerto No.23 in A major , K. 488
Soloist: Myung-Whun Chung, Klavier
Mozart
- Intermission -
Symphony No.4 in G Major
Ⅰ. Bedachtig. Nicht eilen—Recht gemachlich
Ⅱ. In gemachlicher Bewegung; ohne Hast
Ⅲ. Ruhevoll, poco Adagio
Ⅳ. Sehr behaglich
(Soprano: Hanna-Elisabeth Muller)
Mahler
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昨年に続きチョン・ミョンフン(Chung Myung-Whun 鄭明勳)の指揮するコンサートということで、これは見逃せないとかなりの高額であったが、思い切って購入したチケット。
ピアニストであり優れた指揮者でもあるチョン・ミョンフンであるが、昨年のコンサートは指揮者としての姿だけを見るに留まったが、今回はピアニストとしても演奏も行うということで非常に楽しみにしていたコンサートである。
チョン音楽一家のファンだと知っている韓国人のスタッフから贈られたCDをいつも移動の際に聴きながら深い眠りに落ちているので、その生の演奏が聴けるのに興奮してコンサートホールへと向かう。
前半は一部のオーケストラを従えてモーツァルトのピアノ。非常にリラックスした様子で登場したミョンフンは、何気ない様子でピアノ椅子に腰をかけ、オーケストラに向かって無造作に手を振り上げる。何とも楽しげに、まるでリビングルームでくつろいでいるかの様子。
そしてふと身体を反転させ、鍵盤に指をそえて開始された演奏は、まさに彼の名声を納得させる流石と思わせるに十分なもの。流れるようにモーツァルトの音色がピアノから飛び出し、ふわりとコンサートホールを漂って様々な座席に届く様子が糸の様に見えるかのような体験。素晴らしい。本当に素晴らしい。
素晴らしいだけに普段の習性も助け、抗う意志にも関わらず、アルファ波に完全に呑み込まれ、これは楽しまなければ・・・という遠い声を感じながらも深い眠りの中に落ちていく・・・そんなまどろみの中で過ごした前半のお陰で後半は意識もスッキリし演奏に集中する。
後半はソプラノにハンナ=エリザベス・ミューラー(Hanna-Elisabeth Müller)を迎えてグスタフ・マーラー(Gustav Mahler)の交響曲。フル・オーケストラとなり、タクトを振るのを楽しんでいるような指揮者としてのミョンフン。その横でじっと前を見据えてピクリとも動かずまるでアスリートの様な雰囲気を醸し出すソプラノ。
カーテンコールで鳴り止まない拍手を浴びてお辞儀をするミョンフンを姿を見ながら、こちらもかなりの満足度に包まれつつ、それでもやはり前半の彼のピアノの演奏が何といっても素晴らしかったなと、今度は自分で久々にCDを購入してみようと思いながら会場を後にする。
ハンナ=エリザベス・ミューラー(Hanna-Elisabeth Müller)
アマデウス・モーツァルト( Amadeus Mozart)
グスタフ・マーラー(Gustav Mahler)