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2017年4月24日月曜日

Central Embassy_Amanda Levete 2014 ★★


クライアントの手配によって、非常に交通の便のいいロケーションにホテルを取ってもらったので、せっかくだからと朝早くおきて、持ってきたランニングシューズに履き替えてすぐ近くの敷地を見てまわったり、かつて訪れた時にも朝走りに訪れたルンビニー公園まで足を伸ばしたりとしてみることに。

以前は無かった風景の中心となっているのがこのCentral Embassy。すっかりスクンビット通りの新たなるランドマークとして人々に受けいれられている様子である。設計は毎年訪れているAAスクールのExternal Examinerでも一緒になるアマンダ・レブト(Amanda Levete)。上層にパーク・ハイアットが入るバンコクでも最高級に位置する商業施設ということである。

その特徴的な外装は小さな二種類の折れ方をしたパネルを折り重ねていくことで、施工精度が問題として見えてくるのではなく、それを呑み込む様な方式となっているようで、全体としてゆったりとした曲面をうまく表現していながら、特徴的なスカイラインを街に作り出しているのには感心する。

地下には街でも有名な美味しいといわれる屋台を招聘し、相当高級なフードコートとして人気を博し、何度にも渡って拡張した結果、今ではフロアの端から端まで料理を選んでいるとお昼の休憩が終わってしまう、そんな規模にまで拡大しているという。

初日はクライアントに連れられてこのフードコートにてランチをし、夜には上層階に位置するかなりお洒落なフュージョン・レストランにてディナーを取るなど、すっかりバンコクの都市生活の一部として定着している模様。

ちなみに、クライアント曰く、雨の多いバンコクでは、商業施設におけるテラスはそれほど価値を見出されていなかったが、この建物の成功でその見方もかなり変わってきているという。

二日目はさすがによりローカルなものをという要望を出し、この建物の向かいの道の地元の人でごった返すマーケットの中の小さなヌードル屋さんで、お腹に優しい味の麺を美味しくいただいた。


















2016年2月6日土曜日

Apple Store 表参道 Bohlin Cywinski Jackson 光井純 2014 ★★


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所在地  東京都渋谷区神宮前6-13-3
設計   Bohlin Cywinski Jackson、光井純
施工   竹中工務店
竣工   2014
機能   商業施設
建築面積 623m2
延床面積 1968m2
規模   地下2階,地上1階
構造   S造一部RC造
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もう二年前にできているはずなのに、あまり気にすることの無かったのがこのApple Store 表参道。世界中で一気にリニューアルされて増殖している旗艦店の一つ。基本的に前面ガラス張りで背の高いワンルーム空間を徹底的に追求し、透明度の高いファサードを作るために、構造や設備、そしてディテールなども徹底して排除され、ミニマルに、ガラスの面だけの存在に還元する。その為に最高峰の技術が駆使されるのは、まさにiPhoneに代表される最先端のプロダクトに通じるものを感じさせる。

建物は表参道に面する長手のファサードだけでなく、両サイドのファサードも含めて3面総ガラス張り。これだけの透明度と横の分割なしで一枚パネルでいくために、何枚もの厚いアクリルを重ねて成立させているのだが、同じものを普通のプロジェクトで要求すると、まぁコストや構造やらいろんな問題が起きる起きる。

そしてその上には後部から12mも張り出したキャンティレバーの薄い鉄骨屋根。一体どうやったら室内空間に対しての天井設備、構造、屋根としての排水や防水などの様々な機能層を確保できるのか本当に不思議に思ってしまうその薄さ。

ある程度建築の実務をこなして、実際このような透明度の高く、ミニマルなディテールを纏った設計をやろうとしては様々な問題にぶち当たっている建築家にとっては、これがいかにすごい技術の結晶か感動してしまうのだが、その内部で最新のiPhoneを手に取っている人たちにとっては、そこはただの存在感の消えた背景としての空間になっているのだろうと想像する。

しかし、これだけ技術を駆使して、たどり着くのが世界中に繰り返され、現地での技術が足りなければ全ての素材をアメリカから輸入するほどの徹底されたクオリティ・コントロール。そこには、まさに世界どこでも同じ質のものが手に入るグローバリゼーションの中のプロダクトと同じ考え方が見え隠れする。この様な技術的に素晴らしい建築がこの様にして、その敷地や地域性とどんどんと乖離していく姿は、現代のある一つの方向性として否定できないのだろうと思いながら坂をあがっていくことにする。



表参道ブランチーズ(Omotesando Branches) 藤本壮介 2015 ★★


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所在地  東京都渋谷区神宮前6-13-3
設計   藤本壮介
竣工   2015
機能   商業施設
規模   地上4階
構造   RC造
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今日は久々にあう高校の同級生たちとランチということで、一緒に参加する妻と朝から都内で街歩き。さりげなくチェックしたかった建物を通るようなルートを設定し、妻の買い物がてらいくつか最近の商業施設を巡っていく。

まずは裏原と呼ばれるエリアにポツンポツンと見かけられるように建築家の作品が建てられるようになってきたようであるが、その中でも注目の藤本壮介氏の作品。

接道が前面道路のみで、そこから斜線制限がかかって決定されるボリュームに対して、境界線から最高高さまでまっすぐに建てられるラインで整形なボリュームを立ち上げ、その前面に残る不正形で断面上に三角形になる領域に立体格子をつくり一部テラスとして利用し、格子の交点に南側に向かって斜めに延びるプランターを設置して微妙に高さをずらすことで、建物全体が木々の生える地形のような雰囲気にしながらも、内部への採光と視線の流れを確保するという計画のようである。

その前面の立体格子のコンセプトを明確にするために、後部の整形なボリュームに側面においても、梁と柱とそれ以外の壁面は素材を変えて、見切りを入れることで差別化しているようである。

商業施設において、お金に換算できる室内面積以外のところでこれだけ大掛かりなことをするのは、コストの問題などもちろんクライアントとの間でかなりのやり取りがあったと思われるが、それが日本でも最高峰に地価が高いとされるこの場所で実現している姿を見るにはやはりある力を感じずにいられない。

実際に植えられた木々が内包されるだろう給排水システムによって、どれだけ成長し、そしてどれだけ建物を覆っていき、本当の自然の背景として建物を消していくのか。来年当たりにその結果を見に来たいものである。






2016年2月4日木曜日

淡路夢舞台 安藤忠雄 1999 ★★


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所在地  兵庫県淡路市夢舞台
設計   安藤忠雄
竣工   1999
機能   会議場・温室・ホテル・野外劇場・商業施設
敷地面積 約28ha
延床面積 約109,000m2
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日が沈む前になんとかたどり着きたいと向かったのは安藤忠雄の設計で有名な淡路夢舞台(あわじゆめぶたい)。阪神淡路大震災の慰霊の意味をこめて作られたのかと思い込んでいたが、どうやら計画は1998年に開通した明石海峡大橋に合わせて進められており、着工間直に起こった阪神淡路大震災の影響もあり、敷地の活断層を再調査するなどして計画に見直しが施され、二年遅れの竣工として、2000年の花博である 「淡路花博・ジャパンフローラ2000」の会場としてオープンしたのだという。

そのイメージも手助け、有名な段球状になった花壇や、古代遺跡を思わせるような地形を利用したコンクリートの立体的な広場のイメージが強く、よく考えたらどんな施設なのか具体的に理解せずに足を運んだのだが、これほど巨大な施設だとは驚いた。

淡路島の東側に大阪湾を見下ろすような丘陵状の敷地に南北に広大に設置されたのは、北から屋外劇場、温室「奇跡の星の植物館」、円形フォーラム・楕円フォーラム・貝の浜と呼ばれる商業施設、段丘花壇の百段苑、ウェスティンホテル淡路、国際会議場と、実に多くの個別の建物が一つのマスタープランによってつながれて、全体として巨大な回遊式庭園を構成しているというもの。しかし、そのスケールはとてもじゃないが身体スケールを創造するようなものではなく、歩いてぐるっと回ろうとすると軽く数時間はかかるという規模のもの。

段丘になった敷地に沿うようにして建物が配置されているので、「何階」という理解が非常に難しく、地下の駐車場からとりあえず上階にアクセスして外に出る。どうやらそこが円形フォーラムと呼ばれるところらしいということを理解し、地図を片手にとにかくぐるりとめぐろうとまずは何よりもと思っていた百段苑へ足を向け、そこから地元の水産加工工場で捨てられるはずであったホタテ貝の貝殻を、水盤の底に敷き詰めることで独特な表情を作っている貝の浜を経由し、円形フォーラム・楕円フォーラムへと出て、ぐるぐる巡りながら下層に到着し、方向感覚を失いながらもシンプルな箱型の温室「奇跡の星の植物館」の脇を通り抜け、やっと北の果ての屋外劇場へと到着。

休むまもなく北側の遊歩道を急いで戻り、ロビーが中国人観光客でごった返すウェスティンホテル淡路を通り抜け、最南部の国際会議場まで行こうとするが、どうやら今日は会議があるために外部の人は立ち入り禁止となっているらしく、ウェスティンホテル内の海の教会を除いてやっとスタート地点に戻ってくると、「閉館時間となりました・・・」というアナウンス。

「いったいどんな運営になっているんだ・・・?」と思って調べてみると、兵庫県が出資している第三セクターである株式会社夢舞台の運営だという。なんだか納得しながら、追い立てられるようにして駐車場に戻ることになるのだが、これだけ巨大な施設を、やはり一人の建築家や建築事務所の設計によって、ある手法を前面に押し出して作られると、その世界観の中に閉じ込められるような感覚は否めない。「建築と都市の間の規模を持つプロジェクトの難しさ」を感じながら、沈みゆく夕日と競争するかのように、本日最後の目的地へと車を向かわせることにする。




野外劇場
兵庫県立淡路夢舞台温室「奇跡の星の植物館」
円形フォーラム・楕円フォーラム
百段苑
ウェスティンホテル淡路
国際会議場



















貝の浜


楕円フォーラム



温室「奇跡の星の植物館」

屋外劇場

海の教会