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所在地 和歌山県田辺市中辺路町近露
設計 SANAA
竣工 1997
機能 美術館
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南に下ってそこから東に向かうこちらのルートを選択した理由は、一つは道が整備されていて距離は遠いが時間的に早いことともう一つは龍神温泉で汗を流すこと。そしてもう一つがこのプリツカー賞受賞建築家の作品が見れること。
龍神温泉から走ること数十分。本宮まで続く道から脇に入ってのどかな集落を見ながら走ると、すぐに左手に見えてくるのが、この町立の美術館。この地ゆかりの日本画家作品を展示している施設だという。
一体どういう経緯で、この国にとって大きな意味を持つ熊野の地でのプロジェクトを手がけることになったのかと興味が湧く。
建築家本人が言うように、これだけのどかな風景の中の敷地に建物を建てるときに、如何にその風景に溶け込めるようなものを作れるかと考えたら、「なんでもないようなものを敷地に置くというような方法をとりました」という方法にたどり着くのも納得。
前年ながら次の展示の準備ということで中には入れなかったが、閉まって様があまり関係なく内部が体験できるのもまたこの建物のコンセプトが体現されているということだろう。横に広い風景のなか、半透明なガラスで曖昧に境界付けられた空間が、曲線を使われ自然の一部としてそこに置かれているような建物。
軽い軽い境界線を持った建築が、ふと敷地に自然に置かれている。プリツカー賞を受賞するまでになった建築家のずっと追い求めている空間が、何となく雰囲気として感じられる場所になっている。
しかし「それがどういいのか?」となるとまた難しい。ただしやり続けることが強さにつながるのだろうとまた納得して、再度本宮に向かうことにする。
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