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所在地 滋賀県東近江市小脇町
主祭神 正哉吾勝勝速日天忍穂耳命(たまさかあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと)
社格 村社・別表神社
別称 太郎坊宮(たろうぼうぐう)
創建 不詳
機能 寺社
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阿賀神社(あがじんじゃ)に向かっているはずなのに、道すがら目に入ってくるのは「太郎坊宮(たろうぼうぐう)」の文字。「明らかにこっちのほうがここら辺では愛されているっぽいっけど大丈夫か?」と思いながら進んでいくと見えてくる大きな大きな鳥居。
その先には果てしなく続くようなまっすぐな参道。その参道が行き着くのは岩肌が粗くむき出された標高350mの赤神山。
「相当雰囲気あるじゃない・・・」
と気分も高揚しながらも、昼と夜のバランスが次第に夜に傾いて来てるので、山の中腹に見える本堂らしき所まで日のあるうちに間に合うかどうか気にしながらも、一時停車して鳥居と山の姿をカメラにおさめる。
中腹まで車で上がれるようで、急勾配を折れながら上に向かう。駐車場には地元の中学の野球部と思われる少年集団。「この階段の上り下りは相当足腰強化に繋がるだろう・・・」と思いつつ、目の前に広がる鳥居のトンネルと急な階段に少々気が滅入りそうになる。
「どうあがいてもここが今日の最後の神域なんだ」と気持ちを奮い立たせ、手すりを使いながらも階段を駆け上がる。中腹からといっても、それでもかなりの段数を駆け上がり、狭い踊り場のような場所に拝殿が姿を見せる。近江の田園風景を見下ろしながら、「これで終わり?」といぶかしんでいると、前方に通り抜けられそうな岩の隙間が。見てみると、どうもここを通って先に進むようである。
「これはなかなかのもんだ」とすり抜けると、現れる本殿。何でもこの岩の隙間は、夫婦岩(めおといわ)と呼ばれ、神の神通力によって開かれたと伝えられており、悪心のある者が間を通ると挟まれるらしい。悪心でなくて、太りすぎでも挟まりそうではあるが、とにかく参拝を済ませる。
一息ついて改めて日が沈む前の眼下に広がる景色を眺める。近江の水平な地平線の上を雲が流れ、果てにある空が染まっていくとても美しい風景。高い空が印象的な場所である。歴史の中で多くの修験者達が登ったというのもうなずける。
降りる途中に見つけた説明文で、太郎坊宮(たろうぼうぐう)とは阿賀神社(あがじんじゃ)の別称で、「太郎坊」とは神社を守護している天狗の名前から来ているのだと理解する。
急勾配の階段を降りて駐車場まで戻った頃には、空はさらに黒さを増して、夜へと刻々と近づいているようである。
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