街の真ん中に位置し、美しい水の街・郡上八幡を象徴するような名勝。
環境省の選定する水の郷百選の第一号に選ばれたというのも納得の名水スポット。
飛騨山脈で長い年月をかけて濾過され、栄養分をふんだんに溜め込んだ湧き水が川となり流れ込む合流地に位置する郡上八幡。長い歴史の中でその水を使って独特の都市空間を作り出してきた。
江戸時代に起きたという大火事の教訓を生かし、街中に防火用水として、また灌漑用水として張り巡らされたという用水路は、「水のある風景」として特徴的な街並みを作っている。
これらの用水路は特殊な方式によって各家庭にも引き込まれ、使用後は用水に戻され水田などで使われ浄化したのちに、再度川に戻る循環システムとなっているという。
その恵まれた水を利用するために生み出された「水舟」(みずふね)というシステムは、湧水を街中に引き込み、各コミュニティごとで管理をし、3段の段丘上になった水場を作り、上段から飲み水、中段は野菜や果物を洗ったり冷やしたりし、最下段は洗い物に使用するという。更にその先に川魚を泳がせた池を設け残飯などを食べさせ、水を綺麗にし川に戻しているという。しかもこのシステムは400年以上前に生まれ、場所によっては今も使われているという。
美しい水だけではダメで、それとどう生きるか?その場の地形を生かし、どうやって水のある風景を作り、自然の一部と成りうるか?その素晴らしい成功例を見せてくれている。
ちなみに宗祇水とは白雲水(はくうんすい)とも言われ、その名の由来は、連歌の宗匠として知られた飯尾宗祇がかつてこの泉のほとりに草庵を結んで、この清水を愛用したところから名付けられたという。
そうぎすい、そうぎすい・・・
川のせせらぎのような何とも心地いい響きだと、ブツブツ言いながら車に戻ることにする。
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