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所在地 滋賀県大津市西の庄
設計 高松伸
構造 鉄筋コンクリート造
竣工 1990
機能 オフィス
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湖岸道路を走り市内の中心に入ると、徐々に右手に琵琶湖の風景が広がる。それと同時に左手には明らかにここ10何年の暗く沈んだ日本ではない時期に建てられたと分かる建築が顔を覗かせる。
まさにバブル全盛時代に設計および建設が行われたポストモダン建築。コンクリート打ち放しに左右対称のファサード。上部はギラギラと太陽光を反射する過剰な金属の装飾。内部が何の機能かもまったく語ってくれない、何かの秘密基地のような外観。それを見てると、どこかの惑星から攻められたときに、「ガチャンガチャン」と大きなロボットにでも変身して地球を守ってくれそうな気がしてくる。
こういう建築を評価し、高額な建築費を出してくれる施主がいて、それが実現していた時代。
こういう建築を描くのが建築家の想像力として認識された時代の空気。
凄いことだと思うのと同時に、これくらい自分を表現することが許される明るい空気を少なからず羨ましくも感じる。
日本の歴史を見続けてきた琵琶湖の水面を前にし、「ここに自分はいるんだー」と精一杯の自己主張で叫んでいるような印象を受けながら、近くに見えている丹下建築へと足を向けることにする。
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