ノートルダム大聖堂と同じくシテ島に位置するこのサント・シャペル(Sainte-Chapelle)。遠いところから見ると印象的に高く飛び出ている塔の先端が印象的で、ついついこれがノートルダムかと思ってしまうほど。
その名の通り、「聖なる礼拝堂」という意味で、お向かいのノートルダムとほぼ変わらない1244年という完成年度を見ても、初期ゴシックの最盛期の建物だということが見てとれる。
ロマネスク 1000年から1200年頃
ゴシック 1150年頃から1500年頃まで
ルネサンス 1500年頃から1620年頃
バロック 1600年頃から1700年頃
ロココ 1700年頃から1800年頃
もともとはルイ9世が収集した様々な聖遺物を納めるために建設がされ、現在は最高裁判所の一部となっているため、入り口がなかなか見つけにくい教会である。
なんといっても凄いのはその内部空間。「壁の柱化」というゴシックが与えた建築空間への大きな変化を究極の形で体現するかのように、聖堂内部は柱以外すべて開口部であり、そこには色とりどりのステンドグラスが嵌められる。
まさに組積造の壁から柱と壁の分離を行ったゴシックの極点としての空間である。
「聖遺物」というと、荒俣宏の「レックス・ムンディ」の世界が思い出されるが、この美しき光が満ちる内部空間も、歴史の中でドロドロとした様々な陰謀の舞台となったのかと思いながら、少々肝を冷やして折り返すことにする。
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