マリエン広場広場から西に少し歩くと、今度は特徴的なツイン・タワーが見えてくる。これもミュンヘンのシンボルとなっているフラウエン教会(聖母教会,Church of Our Lady,Frauenkirche)。
1468年から建設が始まり20年の時間をかけて完成された後期ゴシック様式の教会。内部は三身廊で構成されており、中心部分は左右の柱にて囲われる。入り口部分に建つと、この左右の白い柱が連なることにより、その外の側廊部分が見えなくなる。このことから悪魔の協力を得て窓の見えない教会を作ったとされ、入り口部分に「悪魔の足跡」と呼ばれる石が敷いてあるので有名な教会である。
それはおいておいて、先ほどのペーター教会同様に、この教会も西側から入りアプスと呼ばれる後陣が東の奥に位置する東西軸にのっとった配置がされているのに気がつく。ミサが行われる午前にはアプスの後方上部のステンドグラスから神秘的な日が差し込んでくるのを想像する。
建設された時代が早いこのような古い町の中心教会は、まだ都市化が進む前に計画されたものであるが、教会堂の基本は位置である東西軸に乗っ取って設計することができたのだろうと思われる。都市化が進んだ後に計画が持ち上がった教会は、東西軸を確保することが優先事項とはならず、利便性の高い敷地に立てることが優先されて時に東西軸とは関係なく配置されることが多くなったのはしょうがないと思うが、それでもこうして原初的な教会堂の配置にのっとった教会にいくつか身を置くことでその意図を感じることはやはり歴史と文化に触れる良い機会となるのだと思いながら次へと向かうことにする。
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