ピナコテーク・デア・モデルネを見学し、これで予定をしていた建築をすべて見たかなと思っていたら、視線の先になにやらカラフルな建物が。ガイドが言うにはこれも近年オープンした現代美術の美術館だという。
どうやらこちら側は裏側にあたり、サービス用のエントランスがあるようである。丁度搬入用のゲートが開いて、トラックが出てくるところのようである。美術館を設計していながら、なかなかこのような美術館のサービス側の搬入がどのようにして行われるのかを見る機会はなかなか貴重であるので、走り出してパチパチと写真に収める。
「何がそんなに見たいのだろう?」と怪訝な顔をする美術館のスタッフを横目に、ゲートが閉じるとそこに扉があるとは分からない一枚のファサードとしてデザインされた手法に、「これだけパブリックに見られる面であればそうするよな・・・」と思いながら今度はその特徴的なファサードをじっくり見る。
どうやらミュンヘン在住のガイドの中国人はこのファサードがお気に入りのようで、随分とその良さを説明してくれる。ネットで調べてみると、設計において遮音や断熱、雨水利用など一通りの環境設計については考慮されているようで、その上でいくつかのグループに分けて色づけされた細長い陶磁器の角柱がルーバーとして建物に取り付けらている。
建物の外周をぐるりとしてみるとやっと分かるのだが、この色合いは入り口から始まって反時計回りにグラデーションになっているようで、どの場所からこの建物を見るかによって色合いが変わって見えるという仕掛け。
この歴史的な街並みの中でこれだけカラフルな色合いを使いながらも、ポップや商業主義的に見えないところでうまくバランスを取り、上品に仕上げているという印象。
外形はシンプルであるが、その中に様々なデザインを取り込むこと。それがこの地の建築家の優れた能力なのだと理解して内部を見学することにする。
0 件のコメント:
コメントを投稿