ミュンヘンは多くの国際的な有名企業が拠点を置く都市である。つまり、それだけ市の財政が豊かであるということでもある。それに比例するかのように市には多くのレベルの高い大学が置かれている。それと同時に、市の中心部には様々な分野の美術館や博物館が軒を並べ、曜日によっては無料にて市民に開放されている。
そんな美術館エリアのいくつかの美術館を見に行こうと徒歩にてケーヒル広場より歩いていると、視界に如何にも新しそうな美術館が見えてくる。どうやらエジプト美術に関する美術館の様であるが、ガイドも入ったことがないというのでせっかくなので中に向かうことにする。
日本語ではほとんど情報がないが、どうやらドイツ人建築家Peter Böhmによって設計され、2011年に竣工したエジプト古代美術を取り扱う国立の博物館のようである。
ゆったりとした蹴上の小さな階段を下りて半地下に設置されたエントランスは、博物館のエントランスとしてイメージする透明で分かりやすいものではなく、如何にも「エジプト」を意識した謎めいた感じで、石の隙間に入っていく設計。それが非常にミニマルであるが象徴的ななんとも好感を持てる。
内部に入るとまるでピラミッドの内部の様にひんやりとし、暗いなかで情報をできるだけ見せないように統一されつつ、部分部分に「どうやって打設したのか」と思うようなコンクリートのディテールがあったりと、古代文明の神秘さを体現するような上質の空間になっている。
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