最近各地を巡り寺社や建築、名勝などを巡っていると、どうしても長い年月を過ごして自然の一部を溶け出しているような寺社空間のほうが現代に建てられた建築よりも圧倒的な空間体験を与えてくれることが続いていた。
旅の後に思い出すのは、いつもその様な寺社建築で過ごした時間であり、自然を感じる長い参道、夜の闇に溶け込むようなひっそりした境内、威風堂々とした建物の構えなど、記憶に残る空間は得てして神社のほうが勝りがち。
しかし今回の高知旅行に関しては、振り返ってみても圧倒的に現代建築での体験が記憶に残る。しかも一つだけではなく、4つも素晴らしい建築体験をすることができた。
通常、記憶に残る建築作品というのはあまり簡単には出くわすことができず、どうしても現代的な小手先の、目の前の評価や流行にのったものが多く、芯の強さを感じられないが、これらの4つの作品はちょっと押したところでぐらりともしない強い心意気を持って設計されたことがよく伝わる作品である。
建築の奥深さを十分に教えてくる、また設計に対する心配りと細部にわたる気の遣い方、そして何よりも周辺とどう調和して環境の一部になりうるか、それらが長い年月を経ても色あせない素晴らしい建築であることの第一歩なのだと改めて認識することになる。
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