2015年2月18日水曜日

北口本宮冨士浅間神社(きたぐちほんぐうふじせんげんじんじゃ) 788 ★★★


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所在地 山梨県富士吉田市上吉田
主祭神 木花咲耶姫命(このはなのさくやひめのみこと)、彦火瓊瓊杵命(ひこひこほのににぎ)、大山祇神(おおやまつみのみこと)
通称  上浅間
社格  旧県社
創建  788年
機能  寺社
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広大な海に囲まれ、豊かな森の広がる山々を背に豊かな自然と共に歩んできた日本。そこに住まう人々は、その自然が時として恐ろしい猛威を振るうことも同時に体験してきた。

嵐、暴雨、洪水、噴火、地震、津波、火山

自然の中に八百万の神を信じてきた人々は、その自然の驚異にもまた神の存在を信じ、その力が大きければ大きいほど、それを鎮めるために多くの信仰を捧げてきたに違いない。

日本を象徴する自然の姿である富士山。

当然、それは歴史の中で何度も大きな脅威として人々に降りかかってきた。時に噴火し、空を黒く染めたその姿は、この世の終わり感じさせるに十分ではったと容易に想像できる。

そして興ったのは富士山を神と見立て信仰・崇拝する富士信仰(ふじしんこう)。その代表としてあげられるのが浅間信仰(せんげん、あさま、富士浅間信仰)である。富士山を神格化した浅間大神、もしくは浅間大神を神話に現れる木花咲耶姫命(このはなのさくやひめのみこと)としてこれを祀るのが浅間神社である。

地図を見てみると、富士山を中心として広がる周辺地域に鎮座する主要な神社はすべてこの「浅間」を冠していることが見て取れる。なんでも富士山周辺を拠点に全国に1300社が分布し、その総本社が富士山本宮浅間大社(静岡県富士宮市)とされている。

浅間神社の中でも高い社格を有するものを一気に見て回り、この国の歴史の中で、一番巨大でシンボリックな自然の象徴に対して、我々の先祖がどのように向き合ってきたのか、神道というフィルターを通してどう理解してきたのかを少しでも感じようと山梨・静岡を巡りたいと思っていたこの数年。

「今日は雪になりそうだ」という天気予報を気にしながら、珍しく一緒についていくという妻を連れ立って早朝のレンタカーオフィスへ。かつて会津で感じた雪国にノーマルタイヤで向かう甘さを身にしみているだけに、万が一を考えてスタッドレスに換えてもらおうとするが、残念ながら喫煙車しかないという訳で、臭いチェックをした妻から「絶対にムリ」というNGがでて、心配を抱えながらもノーマルタイヤで早朝の東京を抜け出すことに。

「中央フリーウェイ」を聞きながら飛ばす中央道。徐々に振り出す粉雪。「前方タイヤ規制」の案内が見えたところで下道に降り進んでいくと、幹線道路から外れるとすっかり雪に埋もれた道。脳裏に過ぎるかつての悪夢を思いながら、なんとか第一目的地の北口本宮冨士浅間神社の駐車場に車を滑り込ませ、滑りやすい足元を気をつけながらすばらしい杉木立に挟まれた参道を進んでいく。

社格の高い、いわゆる有名な浅間神社はおよそ9つほどあるのだが、その中でもここは富士山への吉田登山口の拠点として栄えた神社だといい、境内には拝殿の左右に立派な神木が鎮座しており、その歴史を感じさえてくれる。

「シンシン」という音がぴったりだと思うような降りかたをする雪の中、かじかむ手を揉み温めながら手水で朝一番の身を清め、妻と並んで二礼二拍手一礼。静かな境内に響く音を耳に感じ、社殿の奥に祭られている東宮、西宮をお参りし、西宮脇にある登山口入り口を見つけ、夏にでもぜひとも登ってみたいものだと思いながらも、あまりの寒さに耐え切れずそそくさと境内をあとにする。

駐車場まで戻ったところで、地元の方が車でやってくるので、「ここら辺はスタッドレス無し行き来するのはどれくらい危険か?」と質問を投げかけると、ここら辺の人はスタッドレスに加えて4輪の人が多く、ノーマルタイヤだと相当危険だという。加えて今日は午後からさらに雪が多くなるので、できるだけ今のうちに峠を越えて下まで降りてしまった方がいいと言われてしまう。

貴重なアドバイスに感謝を伝え、目的地である他の浅間神社はおそらく市街地というよりはやや山よりにあるはずなので、除雪もすすんでいるとは思えず、泣く泣く山梨方面の目的地を回避することにする。


























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