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所在地 静岡県三島市大宮町
主祭神 大山祇命(おやまつみのみこと)、積羽八重事代主神(つみはやえことしろぬしのかみ)
通称 三嶋大明神
社格 伊豆国一宮、式内社、伊豆国総社、
創建 不詳
機能 寺社
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徐々に西日が強くなり、日の光の下で建築を見れるのはあと数十分かと思いながら住宅地を抜けて到着した三嶋大社(みしまたいしゃ) 。駐車場から境内に入っていくと、前方のおじいさんが「あ、観光の片ですか?」と話しかけてくる。
「なんだか、怪しいぞ・・・」と思いながらも、「あぁ、そうですが・・・」と返すと、「良かった。今日はもう帰ろうかと思っていたんですが、地元のボランティアで案内しますが、どうですか?」と言われるので、「是非」とお願いすることに。
ずっと地元に住んでいて、この神社が大好きな様子のそのおじいさんについていきながら境内をぐるぐる回り説明を受ける。この三嶋大社は鎌倉幕府を開いたかの源頼朝が崇敬した神社としても有名で、どうやらそのおじいさんにとっては頼朝よりもその妻である北条政子の方が思い入れが強いらしく、政子目線での説明をしてくださる。
そんな訳で桜が多く植えられている境内の入口近くに戻り、政子が勧請したと伝えられる厳島神社を眺めながら、池の向かいに見える如何にも神木っぽい雰囲気を醸し出している老木へと歩み寄る。なんでもこの三嶋大社には二本のご神木があり、一本がこの楠。おじいさんに拠れば、樹の形が男性に見えるが、あくまでも女性の姿を現しているという。
神門を潜ると右側に一対の石が見えてくる。ここは伊豆に流されていた源頼朝が平家追悼の祈願の為にこの三嶋大社に訪れた際に腰を掛けた石で「腰掛石」と呼ばれているという。一対なのは大きなほうが源頼朝用で、小さいほうが北条政子のものだという。
そんな武士の時代であった鎌倉時代の到来を告げる重要な場所となったこの神社は、中世以来も多くの武家の崇拝を集めたという。伊豆国の一宮であり、また「大社」と冠しているところから、東海道の中でも特に重要な意味を持つ神社として長い年月に渡り庶民に愛されてきた神社だということが見て取れる。
「腰掛石」の先にはもう一つのご神木だという国の天然記念物であるという巨大な金木犀が見えてくる。霊力が流れ出しているかのような異様な姿。幹の皮一枚で辛うじて生きながらえているその姿はまさに神木と呼ぶに相応しい。
熱心に説明をしてくれるおじいさんの姿に、本当にこの神社とこの地域が好きなんだろうと感じながら、こうして神社を愛する人たちに悪い人たちはいないだろうと思いつつ、同時に社会に巧く馴染めず、なかなか自分の居場所を見つけられずに悩んでいる多くの人たちが、こうして神社に足を運び、こういう人たちと会話をすることで、何か少しでも心の重荷が軽くなるのではないだろうかと思いながら、案内のお礼を言って境内を後にする。
厳島神社
神木(楠)
神木(楠)
神木(楠)
神木(楠)
腰掛石
舞殿
金木犀
金木犀
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