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所在地 島根県松江市美保関町美保関
主祭神 事代主神、三穂津姫命
様式 美保造
社格 式内社(小)・国幣中社・別表神社
創建 不詳
機能 寺社
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安来市から米子市を抜けて境港市を越えてやってきたのは美保関町どうもここら辺の鳥取と島根の県境には高度な政治的臭いがプンプンするなんとも摩訶不思議な分割となっている。
降っていた雪が一瞬止まったので、なんとか雪の無い間に辿りついければと向かう先は美保神社(みほじんじゃ)。「大社(出雲大社)だけでは片詣り」と言われ、出雲大社と合わせて参拝すると運気が上がるとされ、出雲大社と合わせて「出雲のえびすだいこく」と総称される神社である。
場所的に見ると、日御碕神社と東西対称のような位置にあり、つまりは突き出した岬の突端まで行かなければいけない。米子を北上し、産業道路を境港から美保関に渡るなかなかかっこいい鉄橋に惚れ惚れしながら、再度日本海に戻ってきたことを感じながら東へと車を走らせる。
飛び交う海鳥の数と、潮風の匂いを感じながら海岸線をうねりながら進むと、海の中に男女岩が見えてくる。余り行きかう車も無さそうなので、路肩に車を停車させ、少しだけ記念撮影。さっさと切り上げてその先の美保港へと到着する。
小さな漁師町である美保関。境内前のみやげ物が軒を連ねる広く空いたスペースに車を停めて、ちょっと土産物屋を物色してみる。イカの一夜干しなど、如何にもなお土産が多く売られているが、想像していたよりもデフレは進んでいないようである。
時間も時間なのでどこかで食事をしてから参拝をしようということで、土産物屋のおばちゃんに、食事が食べられるところを教えてもらう。この美保関の見所の一つでもある、神社の鳥居前から仏谷寺を結ぶ約250mの「青石畳通り」と呼ばれる通り。雨の日にうっすらと青色に変化すると言われているが、今日もうっすらと水に濡れて青く色を変えているのを眺めながら、大正時代を感じさせる通り沿いに並ぶ古い旅館を眺めながら、進められた食事処を尋ねるがどうも人がいない様子。
「すいません!」と叫ぶと裏からおばあさんが出てきて、電気とストーブをつけてくれる。なんでも「蕎麦」しかないというので、港であがった魚の天ぷら蕎麦かな?と思っていたが、なんてことはない普通のざるそば。しょうがないので大盛にしてもらいなんだか寂しい昼食をとる。大盛ということで900円を支払い、やはりデフレに陥ってないこの地の価格に、きっと過度な競争が押し寄せていないのだろうと勝手に想像し神社に戻ることにする。
さてこの美保神社。なんといっても特徴的なのはその拝殿と本殿の造り。拝殿は小さな社に大きな社が後ろから覆いかぶさったような形をしており、何とも珍しい雰囲気を醸し出す。その後ろに控える本殿は「美保造」と呼ばれ、大社造の社が二つ左右に並んだ形をとっている。
主祭神は右殿に大国主神の子の事代主神(ことしろぬし)、左殿に大国主神の后の三穂津姫命(みほつひめ)を祀っている。置き千木は右殿では男神の事代主神が祭神なので、先端が垂直に切断された男千木(おちぎ)、左殿では女神の三穂津姫命が祭神なので、先端が水平に切断された女千木(めちぎ)となっている。何とも興味深い。
そして事代主神(ことしろぬし)は七福神の中のえびすとも同一視されるため、全国にあるえびす神社(恵比寿、恵比須)の総本社となっている。ちなみにえびす社は事代主神系えびす社が3千余社あり、蛭子神系は西宮神社を総本社とするという。
空も晴れ間が見えてきたので本殿後ろの社叢もぐるりと見ながら境内を一周する。本殿から海まで一直線に抜けていく何とも心地の良い境内。風の流れる海沿いの聖域らしい空気が満ちている神域である。
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